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「お前は生贄だ、そう簡単に自由には出来ぬ」
「はぁ!?生贄!?」
何言ってるの?この人?
生贄って……誰の?
「そうだお前は生贄の為にこの世界に呼ばれた……運良く空間管理者と接触してくれたのを利用させて貰った」
「ちょっ……と待って!生贄って……誰の?」
他にも聞きたい事はいっぱいある!
だって空間管理者ってローブの男だよね?
やっぱり私に毒リンゴを食べさせたのもこの継母で空間管理者なの?
って…だけど今、聞き捨てならない事が先だ
生贄なんて物騒な単語の理由を知りたい
「我が娘、白雪姫だ。お前もそれは知ってる筈だ」
「生贄なんて知らない!白雪姫になるかならないか…とかそれを決めろとだけ聞いてるの…そんなの知らないよ」
「当たり前だ、生贄として力を加えたのは私だ。きっと知らないから教えてやろう、異世界から来る人間は極僅かだか、この世界とお前達の世界の空間は凄く脆い。本当の生きる場所で生きて無い人間がとても多い……だが空間管理者と接触した人間は選択肢が与えられる。本来の場所で暮らすかこのまま生きるか」
「接触した人だけ?」
「接触するには現状に満足してない人間『他の場所や土地で行きたい』 と思ってる人間が接触出来る……だかどんなに強く思ってても空間管理者と接触出来なければこちらの世界にもあちらの世界にも行けない」
それじゃあ私は偶々ローブの男に会えたって事?
異世界願望と言うかメルヘン願望は強かったからソコはクリアしてるだろう……
「空間管理者に接触しなければあのままの普通のOL……じゃなくて!生贄!ソコ教えてくれないとっ!私…死ぬの?」
生贄=死
こうやって考えるのが一般的だよね?
次はいつ向こうに帰っちゃうのかなぁ~なんて心配を呑気に考えてる暇なくない?
「魔法の鏡は何でも映し出す……白雪姫が虐待されてた事も……本来はこちらの世界の人間じゃなく白雪姫の代わりとなる人間も……だから引き寄せた……だからお前は白雪姫として生きて貰う」
えっと……白雪姫として生きて貰うって事はローブの男は選択肢が有ったけど継母的にはこのまま絶対に白雪姫になれ!って事?
とにかく生贄=死では無いって事?
でも白雪姫の人生はこれからが幸せになるんじゃないの?
王子と結ばれて幸せに……
「お前は願望は強かったが本来こちらに来る人間じゃなかった。白雪姫はこの城から抜け出し7人の鉱山兄妹と出会い……それから幸せになると鏡は言った」
「そうっ!そうだよ?王からの性虐待は知らなかったけど私の世界の童話もそうなってるよ、それから王子に逢って結ばれて……」