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「俺の女嫌いを心配してか側近達が考えた事みたいだけど…俺は余計に女なんかどうでも良くなった。来る女は皆あわよくば子が出来れば側室になれると考えて近づいて来てるのはバレバレだし…そんな事を考えた側近は直ぐに首にした」
「………」
「俺は決まった相手と結婚するのは小さい時に知ってたし、それで兄上の役に立てるなら良かった…だから側近達も別に悪気があってやった行為じゃないんだろうけどな、結婚する前に女遊びでも…くらいにさ」
天井を見つめながら話すカイン
何となく内容は頭に入って来るんだけど最初の問題が処理出来なくてずっとカインを見つめてた
「…コイみたいな行動取る女なんて…」
「したの?」
もう頭で処理出来なくて私は率直に聞いた
良く考えれば初めて会った時もキスに戸惑いなんてなくて…何だか慣れてる様な気が今更してきた
『女嫌い』『純情少年』なんて勝手に決め付けてだけど…
『女の人に慣れてない』なんて街の女の子は言ってたけど
「え?」
「だからっ…その寝所に来てた女性達と…」
「あぁ…まぁ…でもスゲー虚しい行為だなって……コイ?」
「………」
「おいっ、どうした?どこか痛いのか?」
私の側にカインが来てくれるけど何だかよく顔が見えない
…
あれ?
私…泣いてる?
「やだっ!」
目を擦るとカインが私の手を掴むと同時に思いっきり振り払う
「コイ…」
「ごめん……痛くないの、違うの…ただちょっと…知らなかったから…カインがそんな行為してたの」
「………」
しててもおかしくないよね、王子だもん。
側室は取らないって言っても大奥みたいにさ城にはそう言う人って要るんだよね…。
でも意外過ぎて…大人の女性なら別に何とも思わないんだろうけど
ましてや異世界だ、王子の後宮みたいのが当たり前の世界
「ごめんね?私…慣れてなくて…ちょっとビックリしちゃった……カイン?」
ちょっと所じゃないんだけどね
無いんだけどそう言わないといけない雰囲気と言うか顔が見えた
目の前のカインが凄く辛そうな顔してるから
「そーだよな、コイには理解出来ないよな…好きな人じゃなきゃ接吻もしたくないコイには」
「何よそれっ!子供だって言いたいの?」
年の差は5歳
これが反対ならおかしくない台詞
でも…カインの発言がバカにしてる様に聞こえて思わず声を荒げてしまう…
それもまた子供みたいだ
私の声を聞きながらカインは自分のベットに戻って反対側を向いて寝てしまう
「そうじゃない、好きな奴が出来て…俺もそれ理解出来たよ、俺はもう誰とも接吻もその先もしたくない」
「………」
「あの行為ってさ快楽だけは充たさせれるけど…心は余計に虚しいからな…もし、好きな奴としたらどうなんだろうな」