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「えっと…」
「王子とか平民とかそんな括りもう無いだろ?本当にお前が拘ってるなら言葉遣いからおかしいよな?」
う…どうしよう…カインがさっきからマトモな事しか言わないよ
きっとそんな拘り言い訳だって気付いてるよね
「だって…一緒の部屋なんて」
人生で男性と同じ部屋で寝たのなんてお父さんと幼稚園の昼寝だけだよ
「確かに…一緒の部屋は俺も困るけど仕方ねーだろ?頑張って我慢するから安心しろ」
この状況で『安心しろ』と言われても…無理!
それに頑張ってって言うなバカタレ!
「私、こっちのソファで寝る」
ベットから少し離れたソファを指差す
流石お城の客間、現代のスイートみたいに広いしソファもちゃんとある。
「じゃあ俺がそっちで寝る」
「え?」
「あのな、好きな女をベットじゃなくてソファで寝かせる男居るの?」
「……っ…」
勇気を出してカインの腕を胸を押して壁ドンスタイルから開放して貰う。
駄目だ…私は免疫が無いんだからかストレートな言葉に弱いからか…カインだからなのか…もう心臓病みたいに早鐘になってる
「わかった!カインを信じるからベットで一緒に寝よう?」
いくら男でもここまで言われて王子をソファに寝かすのは出来ないよ
「一緒に?」
「…違うわよ?!個々のベット!!」
「…だよな」
「当たり前でしょ!」
私はもっとカインからベットを離そうと思って両手で引っ張ってみたけど勿論ビクともしない…
せめて何かあった時に逃げれる扉側を希望して上着なんて脱がないでそのままフカフカな布団の中に入った
流石に靴下は脱ごうか悩んでいると
「お前さ……」
一連の動作を見てたカインがベットに横になりながら片手をついて溜め息を吐く
布団をスッポリ首まで入れた私が頭を動かしてカインの姿を見ると…
上着は脱いでるし少し髪は乱れてるし…しかも布団はまだ掛けてないし!
何だか少し色っぽく見えるのは私だけなのか?
誰にも聞けない心の声を梨子やサーシャちゃんが聞いたら『初なだけよ』とか言いそうだ。
そうだよ、相手はまだティーンじゃないかっ!
惑わされてはいけないんだ、白雪
「何よ」
「…警戒してくれるんだよな?」
「………」
『当たり前』と此所は言っても良いのか迷ってると先にカインが布団を被って話し出した
「俺の寝所に来た女達はどいつも皆直ぐに俺に触れて来たけどな」
え?
何…今、かなり爆弾発言しなかった?
その証拠に私は上半身を起こしちゃったよ…カインは逆に寝てるのに
俺の寝所にって…えっと…その…