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相変わらずストレートな言葉と約束通り唇にはしない
して欲しいってわけじゃないけど…その変な誠実さに私はまた惹かれていく
その気持ちが膨らむ程怖くなるけど
ノクターン国から白雪姫の城までは結構長かったけど夜中にはなんとかついた
時々兵士らしき人に止められたりしたけどカインが持ってる紙を見せるとすんなり通れた
まるで水戸黄門みたい…
確かに私だけなら直ぐに捕まってるか遭難だな。
夜の森は本当に真っ暗でカインはどうやって走ってるのか不思議だったんだよね…馬が凄いのか、もしかしたらカインの目が夜行性対応とか?
「会えるのは明日だってさ、まぁこんな夜中に来て会えるわけねーけど」
真っ暗な中、馬から降りて兵士に案内されて城の中に入れて貰う
思わずカインの腕を掴んでしまう
なんだかゾクッとする感じ
この城に継母が居るんだよね?
それと…王も。
今、私達を案内してくれてる人は執事みたいな格好の人だけど暗くて良く顔が判らない
声は若そうだけどでこの人はどっちの派閥の人かな?
継母側か王の方か…
「こちらの部屋で明日まで過ごして頂いても宜しいでしょうか?カイン王子」
「あぁ」
振り返った執事の顔を見えた
お!何気に結構なイケメンじゃない?
長い黒髪を一つに結んでるけど私より艶がありそう
頭を下げてイケメン執事は兵士と供に暗い廊下を歩いて消えて行く
本当に消える様に見えなくなって疑問が浮かぶ
部屋の中には私とカイン…まだ扉は閉めて無いけど…
え?
「ちょっと!私の部屋は?」
既に疲れてるのか上着を脱ごうとしてるカインに叫ぶ
扉は開いたままだから廊下には響きまくってるだろうがそんな事は関係ない!
むしろさっきのイケメン執事よ、戻って来い!
「は?俺と一緒だろ?ベット二つだし」
「いや…そう言う問題じゃないでしょ?!」
カインの城で泊まる泊まらないで言ってたじゃん!?
『別に同じ部屋とは言わねーよ』って今の状況はガッツリ同じ部屋ですよ?
確かにベットは2つだけどさ!
「仕方ねーだろ?急に来たんだし、しかもこんな夜中に部屋を提供してくれただけでも良かったじゃん」
それは最もな意見ですよ?
「でもほら、王子と平民が同じ部屋なんてさ、いくらカインが倉庫生活に慣れたからと言っても…やっぱりもう1回さっきの人をっ…ちょっと!」
暗い廊下に出て執事が消えた方向に叫ぼうとすると部屋に引き込まれて扉を閉められてしまう
あぁ、扉に身体を押し付けられてる…これが俗に言う壁ドンってやつ ?
「あのさ…俺はお前をどう思ってるって言った?」