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王妃様の話によると白雪姫の国は昔は兵力が強かったらしい…だけどかなり前から隣国との提携も切って歴史的に言うと鎖国してる様な感じらしい。
かなり前って白雪姫が幾つくらいの時だろう…。
王妃様は『あの国の兵力が力になってくれたらノクターン国も優勢になるかも知れなかったけどね』と言われ胸が痛くなる
カインと白雪姫が結ばれればそうなってノクターン国は安泰になる…正に国を救う予言の姫
「おい…」
「え?」
「何ボーッとしてるんだよ、行くぞ?それともやっぱり泊まっていきたくなったか?」
「違うわよっ!時間が無いのに泊まれるわけないでしょ!」
あれから王妃様は難度も折角来たのだから泊まっていきたくなったかいって欲しいとお願いしてくれたんだけど…なんせ時間が無い。
だからと言って安易に『また今度』とも言えなくて食料や必要な物を貰いまたカインと馬に乗る準備をしてる
「時間があったら泊まっても平気って事だな?」
「あのねぇ…」
「母上はかなりお前を気に入ったみたいだな…今度は王に会わせたいって言ってたぞ」
王っ…勘弁してよ!
「でもやっぱり予言の姫じゃない私なんか…」
思わず気にしてる事を口にすると目の前が暗くなる
誰かは匂いで直ぐに分かる。
カインに抱き締められてるからだ
「やっぱり母上の言葉気にしてたな?」
「だって…」
「母上はお前に言って無いけどこうも言ってた『カインの好きになった相手なら運命の相手だろうと予言の姫とかどうでも良いんだけど、本当に彼女の知恵は戦況を変えると思うわよ…案外本当に女神様かもね』って」
そんな事を言いながら更にギュッと抱き締められる
此処が馬小屋で良かったね…もし沢山の兵士達が居たら突き飛ばしてたけど…何だか嬉しくてカインの背中に腕を回す
女神とか嫌だけどカインのお母さんに気に入られたのは本当に嬉しいから
「女神なんかじゃない…」
『ただカインの事が好きなだけ』と心の中で思う
「……なぁ、やっぱり泊まってから行かね?」
「……っ…変態!」
耳元で謂われた言葉に思わず突き飛ばした
だって…だってさっきと違って言葉が艶っぽく聞こえたんだもん!
「別に同じ部屋とは言わねーよ、全く甘える癖に強暴だな」
「当たり前でしょ!強暴ってアンタが…」
「でも甘えてる時のお前が見れるのは嬉しい」
「………」
「そう言う事は俺だけにしろよ?」
そう言うと額にキスをされてカインはさっさと私を馬に乗せて自分も乗る