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ヤバイ…なんか悪い事言っちゃったかな?
3人の…6つの目が私を凝視してるよ?
バカな事言っちゃった?
王族と一般の兵士の区分的な事に首を突っ込んではいけなかったかも…日本の政治みたいにやっぱり身分は大切なのかな。
でも国が大変な時に身分とか言ってる場合じゃないとやっぱり思う
でもとりあえず自分が可愛いし身の安全を考えて謝っておくのが身の為だ
「えっと…ごめ…」
「リュクエ、今居る兵士で馬に乗れる人が居たら乗って連れて行きなさい。それから戦地まで馬を連れて行ける人も呼び掛けて」
「はい」
謝る言葉に声が重なる
さっきの穏やかな雰囲気から一変して王妃様はリュクエさんに命令すると直ぐにリュクエさんは居なくなっちゃった
去り際私の顔を見てリュクエさんはウインクをしたけど…何?
「昔からかの国の民は馬に慣れ親しんで暮らして来た…もしかしたら王族よりも騎乗が上手い民も居るかも知れない…そんな事気付かなかったわ」
「あの……」
「有り難う…このまま戦況が一気に此方に傾くかも知れない…既にこちらに運が向いてるのもそうだけど……コイさん?」
「はいっ!」
「予言の姫とか聖女とか言う言葉は嫌かも知れないけど… 戦争の女神かも知れないわ……カインが許してくれるならこのまま作戦参謀として残って欲しいくらいよ」
作戦参謀?
何その格好良いネーミング。
「許すわけねーだろ、俺はそんな役職に就かせるつもりでコイを連れて来たんじゃないんです」
「そんなの解ってるわよ~でも知恵を物つ者は国を救うわ、まぁカインのお嫁さんになってくれたら役職なんていくらでも付けられるけどね」
「母上!変な重荷をコイツに掛けないで下さい…嫌われたら困ります」
「………」
私としては作戦参謀なんて格好良いネーミングは興味あるし、カインのお姫様の方がプレッシャーなんだけどな…。
でも王妃様に少し顔を紅くしてるカインは何だか私が照れる位なんと言うか…可愛い
嫌われたら困るなんて…そんな事も無いのに。
「あらあら本当に嬉しいわ…でもそんなに気にしなくても大丈夫だと思うわよ?」
王妃がの言葉は可愛い息子に向けての言葉だったけど目線は私を向いてた…きっと私の顔が紅いのに気付いてたんだろう
それでも囃し立て無いのはカインの為
王妃様は私の気持ちには気づいてるんだな
「あの王妃様、此所に寄ったのは正式な面会の…なんと言うか紙が欲しくて…」
この空気に堪えられなくなって自分から本題を切り出したが言葉が見つからない私にカインが王妃様に説明してくれる
「状を書くのは出来るけどあのお城は今、どの国とも提携国では無いのよねぇ」