13
「だって手短に聞こうと思って」
「弱いと言うか兵士の数が少ないのが1番かもな。前線に居る兄上達が1番苦戦してると思う」
「そんなに兵士の数少ないの?」
ここまで来る時の兵士の人達は凄く沢山居たけど、その人達は実戦部隊とかじゃないって事かな?
「元々はそんなに数は変わらなかったけど隣国でも戦争に巻き込まれて兵士の数が半減してるんだ」
そうか……1ヶ所じゃなくて他でも戦ってるって事か……
「だから今は騎士志願者を募ってたりするんだ」
答えてくれたのはカインじゃなくてリュクエさん
思わず王妃様の顔を見て頭を下げて謝った
「ごめんなさい、話の途中に…」
しっかり聞こえてたなんて…恥ずかしい!
どこから聞こえてたの?『国の弱さ』を指摘した所だったらどうしよう
「リュクエ、2人で仲良く話してるのに…邪魔しちゃいけないわ…でもその通り、志願者も沢山要るのだけどいきなり前線に行かせるのも…時間は掛かるし…成り立ての兵士には苛酷よね」
王妃様は窓の外を見て溜め息を吐く
「戦争してる場所って遠いんですか?」
もう恥ずかしい質問だし『だから?何?』みたいに思われると思うけど良く言うじゃないか
『聞くのは一瞬の恥、聞かぬのは一生の恥』とかなんとか。
「どちらも3日くらいかな、俺みたいに早馬を使えば半日…でも馬は伝令の為だけだから」
「もしかして皆歩いて行ってるの?3日も?」
リュクエさんの言葉に思わず大きな声が出ちゃう
かつてシーク達と買い物に行った時の過酷さを思い出す。
勿論、私の体力の無さが一番だったけど…3日も歩いて直ぐに戦争なんて体力があっても辛いわ
「あぁ、そうだな。」
「馬は?馬に乗って行けば良いじゃない、それとも馬は少ないの?」
イルーナ君達も日常に乗ってたらしいし街でも馬は結構飼ってる人が居たのに
「少なくは無いが…馬に乗るのは王族くらい」
「国が大変な時に王族とか平民とか言ってる場合じゃないでしょ?馬は日常に乗れる人が多いのは知ってるわ。それなら現地までの体力の温存にもなるし時間の削減にもなる」
「…………」
「リュクエさん、早馬は伝令の為にって言ってたけど戦いの時は?馬に乗ってないの?」
「極一部は…王族は乗ってるが」
「極一部じゃなくて新人でも馬に慣れてる人は乗った方が戦力になると思うなぁ…それに馬に乗ってるのが王族って身バレするのも錯乱した方が良いと思う。言い方悪いけどどんなに一般の兵士が殺られても戦争は終わらない…その軍を率いてる大将的な…ここで言う王族が殺られたら敗北、犠牲者を減らす為にも馬に乗って戦える人は乗った方が良いと思うんだけど…えっとその方がお兄さんの身の安全面も上がるかと…」