12
私の言葉に無言で頬笑み大きなソファが沢山有る部屋に連れて行かれる。
本当に連れて行かれるって感じ左手はカイン、右手は王妃様…後ろでは含み笑いをしたリュクエさんに挟まれてただ歩く
まるで囚人みたい
「座って頂戴?何度かカインがこっちに帰って来てね。好きな相手が出来たって報告してくれてたの」
あぁ…何度も忙しそうにしてたのは自分の家に帰ってたのか。
好きな相手を報告って現代の高校生ではかなり仲良しな家族じゃないとしないな
でも国の王子だもんね、それに私……厄介な相手だし
「だから予言の事とかは気にしないでね?私はね、カインが人を好きになる事に嬉しくて…そんな後付けはどうでも良いのよ」
王妃様は私の手を取って満面の笑みだけど少し目が潤んでる?
美人でハッキリ言ってカインのお姉さんと言われても分からないくらい若い王妃様にウルウルされたら…男なら落ちるな。
「なぁ?泣いて喜んだだろ?」
リュクエさんはいつ運ばれたか解らない紅茶を飲みながら長い足を組んでる
「母上、人って大袈裟な……」
「大袈裟なんかじゃないわ!そうでしょ?小さい時から乳母や侍女にも人見知りで……アークにベッタリで…」
「王妃、カインは女性が苦手だったのですよ」
「そうだけど…本当に嫌だけどこのまま好きでも無い予言の姫と結婚しなきゃいけないって時に好きな相手が出来たなんて嬉しくて…私はね?恋愛推奨派なの!アークは仕方ないとしてもカインには好きな人と結ばれて欲しくて…街に出掛けるって言う度に『誰か好きな女の子とか連れて帰って来ないかなぁ』って思ってたの勿論身分なんてどうでも良いわ」
「国としては予言の姫や救世主様が有り難いですけどね」
リュクエさんの言葉にドキッとすると続けて
「ですが、戦況が安定してるし、政略結婚はアークは問題なさそうですしねぇ」
「本当ならアークにも好きな人と結婚して欲しいわ…我が国がもっと強い後ろ楯を必要としないくらい強い戦力が有れば…」
「ねぇ…カイン」
話が王妃様とリュクエさん2人に移ったのを確認して隣のカインの服の袖を引っ張り耳打ちする
「ん?」
「そんなに国の戦力弱いの?」
「お前…随分と直球だな」
だって、ダラダラ話してる暇なさそうだし継母の城にも行かないと行けないから本当は早く此処を出ないと行けない
と言うのも有るが歓迎されるのもちょっと忍びないから早く城から出たいのが本音
でも聞いちゃった以上何も出来ないけど知りたいじゃん