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「お前に可愛いとか言われたくないし親戚だとも思いたくない」
「何だよ。子供の頃からアークと一緒に育った仲だろう~?今更上流階級の証をチラつかせるなよ~」
アーク?
「別に国の位なんか関係ない…ただ、お前が兄上と親しいから仕方なく俺は会話してるだけだ」
アークってカインのお兄さん?
「そうだよなぁ。お兄ちゃん大好きっ子のカインだもんなぁ……仕方なく……っておい!」
え?
ノリツッコミ?
何だろう美形のノリツッコミって変に迫力が……と言うか
やっぱりお兄ちゃん大好きっ子なんだ
「ふふ…」
思わずその変なノリツッコミとカインのお兄さん好きが本物なのに笑ってしまうと今まで聞こえてた規則正しい鎧の音が一斉に止んだ
「え…?」
それに少し反応するのが遅くて私は止まるのが周りより遅くなってしまい誰よりも先頭を歩いてて後ろを振り返る
鎧の人達は何で止まったのかと考える必要は無かった
カインとリュクエが止まってたからだ
国の王子が止まれば動きを静止するなんて良く教育されてるって…
あれ?
何で止まった?
まだ無駄にただっ広い廊下の中間くらいだよ?
部屋的な場所は見えないけど
「コイ…今笑ったのか?」
「へ?」
カインの声が響く
周りが静かだとこうも響くのか…コンサート会場とかもそうだけどさ
笑ったのかって……何?質問の意味がわからないし…なんかカインの顔が怒ってらっしゃるような。
気のせいだと思いたいけどツカツカ歩いてくる速さで不機嫌なのは確定だ
「今、笑っただろ?」
「何よ……無言じゃないゃといけなかったの?」
やはり王族と平民の差別か?
私はハッキリ言ってカイン達を守る様に歩いてる鎧の人達より地位は低い。
そもそもこの世界で私の地位は無いと思うけど。
「そうじゃない……リュクエの言葉で笑っただろ?」
「は?」
確かにノリツッコミに笑ったけど……それが?
それって失礼だったのか?
ごめんなさい、ちっともカインの言ってる意味が解らなくて思わずその笑ってしまった原因のリュクエさんを見てしまうと向こは明らかにカインとは正反対にで腰に手を当てて静かに笑ってる……と言うか笑いを堪えてる
どうやら説明はしてくれないらしいと判断して仕方なくて不機嫌な方に顔を向けるとさっきより不機嫌度がアップしてた
「初対面でリュクエの言葉に笑うって…お前、ああいう王子が良いのか?」
「はぁ?」
「シンデレラの王子が今は一番なんじゃなかったのか?アイツはリュクエと違ってこんなに軽薄な王子じゃないぞ? 」
ちょっと待って?
なんか言葉のワードに凄く疑問に思う事が隠れてる様な……
それに王子って?