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腰を引かれて近付くカインから離れて残ってたサンドイッチを素早く食べる
もう…こんなに美味しいのに味わって食べたいよ。
でもこの旅と言うか予定は早く終らさないと岡本さんは分からないけど。白雪姫は確実に3日で目が覚めてしまう。
その時に少しでも何か手掛りを持って帰らなきゃ…カインとこんな事してる場合じゃないんだよっ!自分!
『こんな事』を思い出して思わず顔が紅くなる
既にさっさと食べ終わったカインは馬に水を飲ませてる
その姿が木々からの木漏れ日で余計眩しく見える
普段から美形は眩しい存在だけどそんなオプションまでつけられると…
サラサラな髪は太陽に照らされて余計にキラキラしてるし、一体何のトリートメント使ってらっしゃるのかしら?なんて聞きたくなる
「何だよ?」
「別に…そっちこそ何よ?」
自分が見てた事を棚に上げて質問を質問で返すという卑怯な手を使ったがバチは直ぐに当たった
「好きな相手を見たいのは当たり前だろ?」
「………」
『お前馬鹿か?』って顔に書いてるみたいに私を見るカインに返す言葉は見つからない…
恋愛経験ならきっとお互い初心者なのに、この大胆な言動や素直さは何の違いだ?
そうかっ若さか!?
若さの差なのか!!
「おい、そろそろ行くぞ?そんなに眩しいのか?森を出たらもっと光が当たるぞ」
眩しい…眩しいです!
若さと言う時間が…
そんな私を無視するかの様にカインは馬に乗せようとする
「ちょっと待って!」
「だから後ろは…」
「違う、マント!マントが有ったよね?確かシークが…あったコレコレ」
馬に着けてる荷物から私はまるで魔女みたいなマントを見つけたし頭から被る
すると視界が少し落ち着いた
「あぁ、日射し避けか」
「…うん…まぁね」
後ろに乗るのを拒否ると思ってたらしくそうじゃないと解れば何の疑問も持たず再び私をメルヘン乗りをさせて馬を走らせた
日射し避けなんてそんな事で渡すわけが無いじゃない
これ渡したのはシークだよ?
頭からスッポリ被れるそのマントは私の姿を包み隠してくれる
『コイお姉さん、これ持っていきなよ。アイツの国に行って下手に目立たない為にも』
まるで私のカインの姫だと思われちゃう事を心配して持たせてくれたのかと思う行動に素直にお礼を言うと
『それもあるけど…アイツが悪い王子だったら民衆から石投げられるかもしれないじゃん?なるべくアイツの姫だと思われない様にした方が良い…ま、俺の為にも国に入る前には被ってよ、アイツにはなんか理由つけてさ』
石…。
やっぱり覚悟しなきゃいけないのかな?