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憧れはシンデレラの王子様なのに私は白雪姫?  作者: 本庄梓
継母の隠れた想い
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「国の為に結婚してくれ」


「はい、父上」


そんな事、小さな国の姫として産まれた時点で解りきってた事


それに父上の言う事は小さな時から絶対だったから


どんなに嫌だと言っても行われた行為

泣いても意味が無いと悟った私は人形の様に毎晩汚された


父上は私を愛してるからと言うがそれが正常の親の愛じゃないのは年頃になる頃には解る事


鏡を見る度に思った


汚ない体…穢れた体…


こんな私はきっと誰を好きになっても受け入れて貰えないだろう…


そんな私の結婚相手はかなり年の離れた国の王で先の王妃は既に亡くなってると言う


所謂、後妻だ


それに小さな姫も居ると言う



年の離れた王…しかも後妻で子供まで既に居る


穢れた私の結婚相手には相応しいと思わず誰も居ない部屋で笑ってしまった


最近は父上に呼ばれる事は少なくなったが今度はその王に求められるのだろうか


「穢らわしい…男なんて……それから私も」





簡素な式を上げた時、私は自分の夫となる王より小さな姫に目を奪われた


なんて愛らしい姫


私の様な穢らわしい存在が見るのも許されない様な吸い込まれる様な瞳


王はその姫を自慢気に私に紹介した


「姫の名前は白雪姫だ」



私は白雪姫が可愛かった


私には無い無垢な表情、それに穢れの無い美しい身体


王も純粋に姫を愛してると思って羨ましく思いながら私は王に抱かれた


王の事はなんの感情も持てなかった

ただ、1人娘を可愛がってると言う所だけは気に入ってた所だったと思う


私は汚くていい

これが私の運命なのだから





それから数年後




城で働く者達の噂を聞いて言葉を失った


王が夜な夜な姫の部屋に出入りしてるらしいと…。


思わず自分の身体を両手で抱き締めた


そう言えば王は最近私を抱かなくなった…でもそれは私には嬉しい事だった


人形の様に行為が終わるのを待つ作業はとても苦痛で時間が勿体なかった


それならば最近手に入れた魔法の書を読む方が時間が有意義に使えたから



なのに……


嘘であって欲しい……ただの噂であればよい



ある日の夜、王の後をついて行くと姫の部屋に入って行った


恐る恐る扉を少し開けて中を覗くと姫の身体を撫でる様に触っていた

まだ触れてるだけの様に見えたが零れる灯りから見えた王の顔は私の父上と同じ顔をしてた


これは駄目だ……

このままでは大切な白雪姫が本当に穢れてしまうのは時間の問題だ


私はその日からある部屋に籠る様になった


皮肉にも見るのも嫌いな鏡を見つめる事になる



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