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「そうですか…時間的に眠らせてて正解かも知れませんね」
「あのさ、俺暫くあの女の城の傍を用事があって通ってたんだけど…兵士の数がスゲー増えてる」
「それは岡本さんも言ってましたよね?来る時に」
「いや…そうなんたけど、兵士の団が王の兵士が増えてる…その変わり継母?の兵は少なくなってる」
「それはどうして?」
「既に退位してる王と政権を握ってる王妃の兵は騎士服等が違う。見れば違いが解るから…ましてや仲の悪い王と王妃なんだろ?同じ風に団を動かして無いから」
カインとイルーナ君が話し始めて思わず隣のカインの横顔を見つめる
カインの用事ってのも気になるけど、そんな所に目を配ってたのを少し関心してしまう
見ただけでって…やっぱりカインって王子なんだなぁ…お城の内部事情とかも詳しいんだろうな
「そうねぇ…そんな2人が騎士団でもペアルックってしたくないもんねぇ…」
「ペアルック?」
「同じ服を模倣する様に着用する事よ」
相変わらず横文字に疎いカインと現代っ子のサーシャちゃん
もはや向こうでもペアルックなんて死語だけどね
でもカインの話が本当だとするとやっぱり継母って白雪姫に本当は悪意なんて無いんじゃないのかな?
オオカミ少年みたいに白雪姫を逃がそうとしてたし
もしかしたら…あぁ!でも…危険だと思うんだけど何か手がかりになるかも知れないし
「私…継母に会ってみたいんだけど」
「は?」
「コイお姉さん…何を…」
「どうしたの?やっぱりまだ混乱してるんじゃ…」
私の発言に皆が心配してくれる
カインは驚きながら私の額に手を当ててる…熱を計ってるのだろうか?
シークは横で手を握ってブツブツ言ってるけど…多分心配してくれてるんだよね?
変な呪いじゃないよね?
わかるよ?
皆の言いたい事は…
だってもしかしたら私に毒リンゴを食べさせたのは継母かも知れないのに、その人物に会いに行きたいなんて『殺してください』って言ってる様なものだ
「私の世界の話しでは継母は凄く悪い魔女だった…でも、こっちに来てその印象が少し変わったような気がするの」
「コイお姉さん、毒リンゴの件忘れたんですか?」
「忘れてないよ?だけど…このままじゃ私も岡本さんも決められないんじゃないかなって…皆の魔法もそうだけど岡本さんも私も3回こっちに来れる…それも不透明だから…考えられる事はやらないと後悔すると言うか…」
何にも解決出来ないまま私はもう此方に来れなくなるかもって実感すると時間が勿体無い