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82『正義の味方』

○第六天信仰


なぜ前の話で仏教世界の話をしたかというと――


当然現代においては、各宗教には各宗教の素晴らしい教えや考えがあるので、自らに平穏をもたらし他人に危害加えないのなら、仏教でもキリスト教でもそれ以外でも、信じたいものを信じればいいのてす。『信教の自由』ですので。


しかし、戦国時代は、日本の主な宗教が仏教しかない、つまり仏教国での出来事なのです。(神道も神仏習合の時代なので)

なので民衆は仏教しか救いを求めるものがないのに、

仏教国日本が延々と戦乱にまみれ、しかも仏教武装勢力もその戦乱の大きな要因であった時代なの話なのです!


そのような乱世が続く中で、『第六天信仰』というのが広まっていきます。

第六天信仰とは、本来の名前である他化自在天への信仰になる訳ですが――

伝統仏教の無欲で修行して浄土へいこうという、

抑圧だらけの人生はもう嫌だ。

人間らしく欲望に正直に生きたいという、

そう死んだら浄土じゃなく、今生きる現世で救われたいという――

ある意味反仏教・反悟り・反浄土の感情が生み出した信仰なのです。

そうです、第六天の住人である魔王、いや他化自在天は――

全て快楽を自由自在にできる神様なので、そのご利益にあやかりたいという信仰です。


……なぜこのような信仰が戦国期に広がったかというと、当時の人々、とくに庶民には仏教疲れ仏教離れが起きていたからです。

それは何故かというと、ずっと続く乱世に救いを求めようとしても、その受け皿になるはずの仏教界自体が戦乱の要因ともなっていたからです。


こんな世界では、悟りを開き、極楽浄土へいきたくても、まず心の修行というか、そもそも落ち着いて物事を考えることもできませんよね。


戦国期にキリスト教が急速に広がったのも、仏教界への諦めから、キリスト教が、救いを求める民衆への受け皿になっていったからでした。


今、「そうか、だから信長も」と感じてくれた読者のあなた!

本当にありがとうございます。


そうなのです、信長もまた民衆の救いの受け皿になるために、

自らがご神体であり総ての神々の神殿である総見寺を建立したのです!

そしてご神体、つまり神は!崇められてこそ神なので――

安土城天主により自己神格化を完成させたのです!


そうフロイスが、信長が神に成ったとイエズス会に報告した神とは、もちろんキリスト教の神てはなく……


六階立ての安土城天主を六欲天タワーとみれば、

その最上階である天主第六階は、六欲天タワー最上階である第六天となり、その六欲天の住人たる織田信長は、

全ての富・全ての欲つまり快楽の象徴である黄金の部屋で、その神々しいまでの黄金の光につつまれしその姿は――

まさに第六天魔王、

いや民衆の現実世界での苦しみを戦争根絶と平和な世の到来で、

今生きる喜び、そう戦乱では得ることがどうしてもできなかった快楽を与える、――他化自在天なのである。


そうだからこそ、織田信長は、この乱世において――

この時代の一番の弱者である民衆の味方であり、

つまりは正義の味方なのであった。



――次回予告

そして魔王は、ついに天皇をも超える。

そのために発動する信長による驚愕の計画とはいったい……


次回『天皇補完計画』



乞う、ご期待!

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