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81『解説:第六天魔王』

○第六天魔王を理解すると、織田信長の思想がよく解る!


なので拙者の解釈でがんばって、できるだけシンプルにまとめて見ます。(あくまで参考・イメージとして読んでくださいな)


――第六天魔王がなぜ仏教界最大の敵と呼ばれるか?


その理由は、仏教が“悟り”の宗教だからだ。

悟りとは、簡単にいうと、総ての欲望から解放された無の極致、静寂なる世界である。

総ての悩みから解放され、そう死の恐怖すらない。


仏教の世界は、『六道輪廻』の世界観でできている。

六道は垂直つまりタワー構造になっていて、下から――

地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、そして我らが住む人間道、その上に天道がある。


簡単にいうと、生前の行いから、閻魔大王が、その者がどの世界に生まれ変わるか決めるのである。

それを寿命か尽きる度に毎回繰り返すので、輪廻という。

そしてこの永遠のループから離脱(解脱)し、極楽または浄土と言われる無の極致の状態になるのが、仏教の最終目的である。


天道に住む者はみな天人であるが、

天道もまた、三界という――下から欲界、色界、無色界というタワー構造になっていて、

つまりは、タワーを上にいくほどより上位の神仏に近づき寿命も長くなる。


そのうちタワー上階の色界、無色界は簡単にいうと最上位の仏や神の領域。

当然そこに到達する者はほとんどいない世界である。


三界タワー最下階の欲界もまた、

六欲天と呼ばれるタワー構造になっていて、

下から第一天、第二天と続き……第六天まである。


つまり、六欲天の第六天とは欲界、シンプルにいえば普通の人間?が到達できる最高峰ともいえる。

イメージとしては、六欲天タワーを最上階の第六天まで上り、空を見上げれば、その頭上に神仏の領域である色界か見えるという感じ。


……といっても、下から二番目に位置する第二天ですら、

あの有名な帝釈天様のおられる世界なのですが。


つまり欲界といえども、最上界までたどり着けば、寿命は一万六千歳。しかも、その1日が、人間界の千六百年に相当するという超長寿世界なのである。

しかも、他人の快楽をも全て自分の快楽とできる特殊能力?が身に付くので、簡単にいうと、この世の快楽を自由自在、そうこの世の望む快楽の全てを手に入れることができる世界なのである。


だからこそ、第六天魔王は、仏教界最大の敵なのです!

というと、「はぁ…?」となりますよね。

……拙者もです。

だって、一万六千歳も快楽自由自在で生きれば、人生それで大満足ですよね!


でも仏教的にはそれでは駄目なんです!

なんといっても悟りの宗教なのですから。

がんばって修行して皆が無の極致を目指す宗教なので、

とくに第六天までたどり着けるほどの者は、もっと修行すれば、色界・無色界というさらに上位の神の領域にいける者たちなのです。

またそれほどの修行者なら、輪廻から解脱し悟りを開くことも不可能ではない状態の者なのである。


まずはそんな状態まで行ければ修行大成功というところを、

第六天魔王がこの世界は快楽自由自在だからもう修行やめてこの世界にとどまりなさいと、誘惑するのです。


つまり仏教界としてはより上位の神仏の領域にいけるはずの超優秀人材を、第六天魔王がスカウトしてしまって、欲界に留まることになってしまい、つまり悟りが失敗することになるので――

仏教界最大の敵なのである。


ただ仏教界からみれば、正に修行を邪魔する悪魔の王なのてすが、

実はこの第六天の住人は――

快楽を司る天人『他化自在天たけじざいてん』と呼ぶのが本来の名前なのであった。


「なるほど、そういうことか!」

と、感じて頂いた読者様が一人でもいてくれましたら、

がんばって第六天魔王を長々説明してきた甲斐があるというものです。


――そう、織田信長は、確かに仏教武装勢力に対しては悪魔の王であった。


しかし、民衆にとっては違ったのである。


そう、第六天魔王の本来の名前――

乱世で苦しむ人々を快楽へと導く――

そう、織田信長は《他化自在天》なのであったのです!

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