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6『信者×信長』



……あえて死を決意する。




ーーと聞くと、歴史上で一番有名なのは、

十字架にかけられて死んだイエス・キリストである。

ちなみに“キリスト”とは救世主という意味の尊称であり、苗字ではない。


ーーしかし、時代も地域も違うイエスと信長には接点などある訳がない。

そう感じるのが読者の当たり前の反応であろう。



しかししかし、実はあったのであるーー

信長とイエスには接点が!

それも信長を語る上で必要不可欠な接点が、二人にはあるのである!



ーー実は信長は、キリスト教修道会のひとつ、イエズス会の宣教師と何回も会っている。


有名なフロイスの『日本史』で有名なルイス・フロイスをはじめ、多くの宣教師たちとなんとーー

記録で分かるだけでもーー計三十一回以上会っているのだ。


もちろんただ無目的で、信長は会っているのではなくーー

西洋の技術や世界情勢など色々な話を、宣教師たちから聞いているのだ。

なんとフロイスの『日本史』にはーー

「世界が丸いのは理にかなっている」

と信長が述べたという記録が残っているくらいである。



そして当然、宣教師側も目的があって信長に会っているわけでーー

それはとかく反キリスト教が起きやすい、『仏教国』であるこの日本で庇護を求めること、布教の自由を認めてくれること、そしてうまくいけばーー

日本最大の権力者である信長に、“キリスト教徒”になってもらいたいということであった。


実際すでに、大友宗麟や高山右近といった大名がキリスト教徒になっていることからもーー

“信長も信者に”、という期待はイエズス会側は大きかったであろう。


当然、信長にも宣教師たちはキリスト教の教えを伝えたであろう。

フロイスの『日本史』には信長がーー


「余は伴天連(宣教師)らの教えと余の心は、なんら異ならぬことを白山権現の名において汝らに誓う」



と書いてあるくらいである。(キリスト教が“一神教”なのを知っている読者は、この信長の誓いが可笑しく感じますよね!

キリスト教の教義が正しいことの誓いを、敵対している仏教の権現様の名においてたてているのだから)


ーーそれにしても信長がここまで言うということは、まずキリスト教の教義について相応のレクチャーが宣教師よりされてなければ、ありえない話である。


ーーということはである、当然信長は、キリスト教の教祖であるイエスのことを知っていた、しかも誓いをたてるくらいかなり詳しく知っていたということである!


しかもである、この頃には世界史上初のーー

《日本語訳聖書》が、なんとフロイス指導のもと編集されていたのだ!(講談社『聖書』序論)




ーーつまり信長は、聖書を読んだことがある!




ということも十分ありえる話なのである。




ーーそう、信長とイエスはーー

宣教師や日本語訳聖書を通じて、確かに繋がったのであった。




……しかし、読者諸兄は疑問に思うーー

イエスを信長が知っていたことを否定しないとしても、

なにもイエスの真似をして命を捨てる必要はないのじゃないの?とーー




ーーしかし、実はその必要があったのだ。

信長には実は、イエスの真似をしなければならない必要が、理由があったのである!





さてその理由とはーー





ーー当然、次以降の話で!


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