56『悪魔的な、信長』
フロイスが、絶対、絶対に許せないことーー
宣教師ルイス・フロイスが、『悪魔的行為』と感じた信長の行いはーー大きくいうと、
ーー三つある!
その一、
せっかく信長は仏教勢力を退治しているのに、
何故か相手を武装解除させたあとは、完全に滅ぼしもせず、禁教にすらせずに、仏教の布教を認めていること。
ーーこれは、キリスト教宣教師のフロイスからみたら、まさしく悪魔的行為ですよね!
キリストの教えという正しい教え、
その布教を邪魔する“邪教”ーー
仏教を滅ぼす絶好の機会なのに、それができる信長なのに、何故か逆に……
邪教の布教自体は認めるとは、なんというけしからんことだ。
と、このようにフロイスのキリスト教視点から見るとなります。
ーーただ、当然現代の日本人視点だと、武装解除され、もう政権に反乱しないと恭順した宗教団体の布教を、認めるというのは理解できますよね。
現代法でいう、『政教分離』・『信教の自由』ですから。
……さぁ、では、
フロイスが、絶対に許せない信長の悪魔的行為ーー
その二つめはーー
フロイスが、こんなに頑張って布教したにも拘らずーー
信長が、キリスト教徒にならなかったこと。
当時キリスト教文化・西洋文明は、日本において最先端の文化ですから、キリシタン大名もどんどん増えているのに……
先生であるフロイス自身の教え方が悪かったのか、はたまた生徒である信長の頭が悪かったのか……
もちろんフロイスは後者だと思っているが、
「これでは信長が天下をとっても、キリスト教的には意味がないじゃないか!」という感じです。
もちろん信長の『信教自由』は、キリスト教にも当然当てはまりーー
事実、信長政権の首都安土にも、日本の首都京都にもキリスト教会の建設許可した。
そればかりか、建設費用も援助している。
いわゆる『南蛮寺』です。
しかし、信長がキリスト教布教を認めたのは、強大な仏教勢力への牽制の意味もあるわけでーー
自らがキリスト教徒になれば、
仏教勢力がーー
やはり信長は外国の手先、邪教の徒、
仏敵信長をやはり倒さねば!
と、せっかく信長が粉骨砕身頑張って、収まりつつある宗教戦争に、また火を注いでしまうかもしれません。
ーーだから当然、
自身がキリスト教徒になるつもりが更々ない信長は、キリスト教を国教にする気も、まったくなかったのでした。
さぁ、さぁ、ではーー
フロイスが、絶対、絶対に許せない、
信長の悪魔的行為ーー
その三つめはーー
そうその中でも最も一番許せないーー
三つの中でも最大の『悪魔的行為』は、……
ーー当然、次のページで発表です!




