270『ザビエル MEET to ザ・ビースト』
お、お前は……
『……さ、サタン……!』
宣教師フランシスコ・ザビエルは驚愕の声をあげた……
――そう、目の前に立つ“その者”の姿を見てである。
……やはり、“化け物”がいたか……
イエズス会初代教会長であるイグナチオ・デ・ロヨラ様はあの時、仰っていた。
「ザビエルさん、サタンは……必ずしも黒き龍の姿でいるとはかぎりません。
新約聖書唯一の預言書『ヨハネの黙示録』の記述にあるとおり、様々な獣に姿を変えることができます……」
ロヨラは、遠く東の空を眺めなら、悲しそうな表情で続けた。
『そう、化け物のような姿に……』
化け物のような姿……と、ロヨラはそう仰っていた……
ということは、私の前に立っている……
そう、目の前に立っている者は……
そしてそう、こっちをまじまじと鋭い眼光で獣のように見ているこの者は……
間違いなく……化け物だ。
……そう、間違いなく、この者は化け物に違いない!
何故なら、そう、私はこんな恐ろしい姿の者を見たことがないからだ……
何故ならそう、こんな化け物のような酷い姿をした者を、私は今だかつて見たことがないからだ……
ヨーロッパはもとよりアフリカ、インド……
いや、この二年間いる日本でもこんな酷い化け物の様な……姿、格好をしている者を見たことがない……
……恐ろしい、彼の者こそ、サタンに間違いない!!
――さあ、いよいよ次回、正体判明です!




