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252『エデンの東』

「東へですか……」

黒き龍が東へ向かった。何の暗示か、当然私には解らない。

ザビエルはそう思いながらも、丸く刈り上げた頭頂部はヒリヒリと感じていた。


「はい東へです。……ところでザビエルさんにはお願いがあります」


「はっ、なんなりとお申し付け下さい」


「プロテスタントに対抗する為に、このヨーロッパ以外の地にも我がイエズス会が布教してもらおうと……」


「はい、それは前にも……」


「それと共に、黒き龍を探してほしいのです」


「えっ、黒き龍を……?」


「黒き龍は、災厄の標だと私は感じています。

当然、早期に手を打っておかないと――」

そこまで言うとロヨラは自らの足を見て、

「この戦場で傷付いた足で無ければ……

―――私自ら行きたいところですが……」


「もちろんロヨラ様の命であれば、なんなりと――」

そこで、ヒリヒリする丸刈りの頭頂部をさすりながら、

「しかし、私には見えますでしょうか?

……その黒き龍が……」

キリスト教の地をどんどん離れ、そう“エデンの東”の果てに向かっていく黒き龍を、私は認識することなどできますでしょうか?


「それは大丈夫です――」


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