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249『つ、ついに……カッパ坊主登場!』




……こ、……ここが京の都か……。





ここが、この国の君主……

“ミカド”がおられる場所なのか……。



彼はその円形に剃りあがった頭を「やれやれ」となでながら、ため息をついた……。

「ふぅ~、ここまで酷い……とは」



……これでは、たといミカドに会ったところで……



――彼が、そうフランシコ・ザビエルが見た光景は――荒涼とした風景……


そう『応仁の乱』以降の度重なる戦乱の末――

瓦礫と化した京の町の姿であった……。


ミカドの影響力で……

この国の民を我がキリスト教に変えようと思っていたが……。


そのミカドがいる、この首都が……焼け野原では


……これでは、ミカドの国での影響力も大したことは無いと、判断するしかない。


もし、それでも許可がでればそれにこしたことは無いと思っていたが……

もう、ミカドへの拝謁を申請してから、一週間経つが――全く音沙汰無しだ。


「ふぅ~、許可が出たところで、効果はあまり期待できないか――。

……これ以上、長居をしても無駄だな」ザビエルはもう一度、深くため息をついた。


その吐き出された息は、すぐ白くなった――

それにしても……


「さ、寒い……」


ザビエルはブルブルと震えていた……。

そしてそれは当然であった

この“真冬”――正月というのに、素足に草履、ボロボロの黒いカッパだけという恐ろしくみすぼらしい姿だったからである。

彼は敬虔な信者であり、《清貧・禁欲》を旨としていたから、そんな格好をしていた。

しかし、こんな格好で天皇に会おうと思っていたとは……そもそもに無理があった。

普通にみれば廃墟に佇む、痩せこけ色白の“物乞い”にしか見えない服装なのだから。


ザビエルはこの年の二年前――1549年にキリスト教徒宣教師としては初めて日本の地を踏んだ。

イグナチオ・デ・ロヨラと共にイエズス会を創設した1534年から足掛け十五年の歳月をかけ、ザビエルは、同会は、この東の果て《日本》にたどり着いたのであった。


――そしてそれは――

“あの者”が満十五歳になった事も意味していた。



次回、

そしてついに、信長とザビエルは出会うってしまうのか?


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