248『アフリカ黒人+キリスト教徒×信長家臣=超人彌介』
――織田信長は、ついに衝撃の事実を発表する!
「余に洗礼を授けた宣教師の名は――ザビエルである。
……確かフランシコ・ザビエルとかいいおったであるな」
「ザ、ザビエル!?
あのロヨラ様とともにイエズス会を創設した、
《伝説の聖人》ザビエル師ですか!!」
もちろん黒人青年の彌介はザビエルに会った事は無い。
しかしイエズス会に所属されていて、その名を聞かぬ者はいないというほどの有名人であった。肖像画の顔もすごく覚えやすいし(笑)
そして彌介は、『イエズス会日本年報』等によると、アフリカで奴隷にされたのだが、その優秀さを買われ宣教師のお付き奴隷としてキリスト教布教の手伝いをインドでもこの日本でも史実している。
つまり彌介はキリスト教信者でありまた、布教活動を手伝えるほどにイエズス会教義も熟知している人物なのである。
また『信長公記』には「切支丹国より、黒坊主参り候」とあり、「日本語も少しく話せ」、年齢は26歳~27歳ほどで、「十人力の剛力」、「牛のような黒い体」と描写されている。
つまり国内外の文献の記述からは、黒人青年の彌介は、スペイン語(ポルトガル語)、日本語も話せるバイリンガルで、しかも筋肉隆々の力持ちという、なんか文武両道な《超人》みたいな存在ですね。
実際、信長もかなりの気に入りようだったらしく、側に使える直臣にしただけでは飽きたらず、その内なんと「城持ち大名」にしようとしてた!?という逸話もあるくらいです!(『イエズス会日本年報』)
ちなみに“黒坊主”と呼ばれるくらいなので、この黒人青年の髪型はスキンヘッドか、かなりの丸刈りの短髪だったと推察できます。
「確か、この日本に最初にキリスト教を布教なされたのがザビエル師とは聞いていましたが。
――もう何年か前に亡くなられているはずですが……」
彌介は少し思案してから言った。
「正か――生前に――」
「――である」
そう頷くと、信長は空を見上げた。
――そして、大空に羽ばたく鳥をみながら、ふっと笑った。
「ある意味では余と同門であるお主に――
少し見てほしいものがあるのである」
――その時遠くで、
キョッキョッキョッ……
と、ホトトギスの鳴き声が聞こえた……。
次回、皆様お待たせしてすいません!
今度こそ『カッパ坊主』――
ついに本人登場です!!




