246『イエス、愛、LOVE』
西洋列強の侵略から日本を守るための時間稼ぎ、という信長の話を聞き――
(私の“第二”の故郷――この日本まで侵略されてしまったら……)
黒人家臣彌介はアフリカでヨーロッパ侵略軍と戦い、そして仲間を、彼女を虐殺され、そして同胞は奴隷としてアメリカ大陸に送られた――
「……」そのことを思い出しブルーになる――彌介。
……私は知っている。
ずっとヴァリニャーノ様と一緒だったから知っている。
キリスト教の教えは素晴らしい……
でも、明らかにヨーロッパの侵略のために教会は協力していた。(事実当時のイエズス会はスペインに庇護され、その侵略活動に協力していた。)
……それを信長様は理解しておられるし、警戒もなされている。
……なのに、
……どうして……
「信長様は何故、危険も多いキリスト教布教をお許しになっているのですか?」
「イエスが……」
「イエスが……?」彌介、信長がいきなりそのお方の名前をいうので驚く――
信長は続けて言う――
「イエスが好きなのである」
信長は、そう言うと少し顔を赤らめた感じで、
「まぁ、今風に言えば、“イエス愛”とでも――」
信長のその言葉に、彌介はすぐ「なるほど」と納得した。
『聖書』をすで読んでいる信長が、イエスの行いに感動するのは――自分もキリスト教徒の彌介にはよく解る。
(キリスト教徒ではない拙者てすら、イエスの行為に感動をおぼえるのだから。)
でも、それなら――
「イエス様が好きなら、何故ご自身が――」
「イエスを好きなのに、なぜ余が信者にならぬのか?――であろう」
「はい、イエス様の教えがキリスト教なのですから」
「はは、まぁ~疑問に思うのも無理ないであるか――」
信長は昔を懐かしがる様に、笑みを浮かべ――
そして衝撃の言葉を言った――
「実は、余は――……」
次回、
――天下人織田信長、衝撃のカミングアウト!!




