245『信長、時間との戦い』
信長はとかく“早急に改革を目指し過ぎた”→だから多くの者に“裏切られた”と言われるが――その理由は――
《時間との戦い》
であったからである。
しかも事実、この時期なんとスペイン帝国は極東の留宋まで侵略の手を伸ばし、国王の名を取って“フィリピン”と名付けているのである。
この激変する世界情勢に対応するためには、当然優秀な者を天下人信長の後継者にしなければ、とうていキリスト教国の攻勢に対応することはできない。
そのため世襲制による天下人権力の織田家による固定化をあえて拒否し、迫り来る列強に適切に対応できる、真に後継者に相応しい者に天下の運営を任せるために――
嫡男である信忠を計画の生け贄として廃し、
残された使徒たちに限定バトルをさせ、その勝者に天下を治めさせるという時間的余裕も必要だったからである。
つまり、天下人織田信長による『福音書計画』とは――
いずれ訪れる西洋列強の侵攻の前に、国内の統一への道標を早急に立ち上げる為に朝倉・武田などの有力大名を撃破し、なおかつ――
自らの意志を確実に引き継げる後継者に政権を交代し、天下統一を成し遂げる!
そう、迫り来る列強との対決の前に日本の防衛力の増強を成し遂げる!
それこそが、信長がこの日本の未来の為に考えだした計画だったのである。
――そう、ここまで信長の行動を例えていうなら、
幕末から明治にかけてのヨーロッパによる侵略に対する防衛政策『富国強兵』政策を――
そしてそのための幕府から新政府への政権交代を、
この戦国時代にたった一人、そう彼唯一人だけが考え、そしてその一身をかけて実行していたのであった。
――そう、すべては――
日本を、日本国民を守るために――
次回、天下人信長が、衝撃告白!




