227『――ついに、エヴァンゲリオン発進!』
諏訪法華寺での信長による『光秀殴打事件』――
本作【第一部】でも注目した『稲葉家譜』に載る、光秀が謀叛を決意したとも言われるこの事件は――
……なんと、信長が信忠へ『天下の儀御与奪』と述べた、その当日直後の出来事なのである。
――そう、そうなのだ!
この日は、宴席の場で光秀が信長の折檻によって謀叛の決意をした日ではなく、
この日は、信長が『エヴァンゲリオン』発動を決意した日なのであり――
それを受けて光秀が計画通り信長と共に『殴打事件』を宴席の場で演出して、この計画のスタートをきった起点日となった日なのであった!
そして、何故この日、『エヴァンゲリオン』計画へ信長がゴーサインを出したかと言えば――
武田氏消滅により、信長の天下の中枢部であり天皇のいる近畿を、信長の死後いきなり脅かす《敵対勢力》の存在か皆無となったからなのである。
逆にいうと――
この信長死後の《天下争奪戦》を、信長の“認めた者”たちだけに限定するために――
『信長による福音書』計画は、武田氏を滅ぼしたことによって発動することになっていたのである。
そしてそして、信長に“認められた者”とは、言葉を替えて言えば――
自らを神と名乗った織田信長、その神と成った者に使えし家臣・同盟者たち――
そう、信長に認められし者たちとは――
信長という神に使えし《使徒》たちのことなのである。
――そう、そうなのだ。
織田信長の『福音書計画』とは、その計画の第一目的とは――
信長の死後の《天下争奪戦》を、信長の使徒たちに競わせて――
その勝利者に、《天下人》の座を譲るためのものであった。
――そう、そうなのだ。
織田信長は、神との新たなる契約により《恒久平和》な時代を実現のために、本能寺でその命を《生け贄》として神に捧げる儀式を行った。
それととともに、
信長が死することで、信長の使徒たちに、天下人信長の後継者争いをさせることによって――
《天にもっとも愛されし者》=《天下争奪戦の勝利者》
つまり、信長の後継者である次の《天下人》を決めるために、『本能寺の変』を計画し、実行したということである!
――こうして、武田氏消滅により、
『信長による福音書』は、始まりを告げたのであった。
――次回、『信長と十二使徒』
乞う、ご期待!




