218『【諸説争乱】本能寺の変』〈3〉
【黒幕複合・共謀】説(共謀者が具体的な説)
○光秀・秀吉共謀説
光秀が、秀吉にそそのかされ本能寺襲撃。
そのあと秀吉に裏切られた、等。
○光秀・家康共謀説
光秀が、家康にそそのかされ本能寺襲撃。
そのあと家康に裏切られた、等。
○光秀・秀吉・家康共謀説
・土岐明智家滅亡阻止説等、源氏復興の為。
・とりあえず目の上のタンコブ信長を廃してから、後の天下の事は考えよう、等。
○足利義昭・朝廷黒幕説
信長以前の旧体制を復興したい。
○毛利輝元・足利義昭・朝廷黒幕説
同上。
○近衛前久・徳川家康黒幕説
天皇をないがしろにするように見える信長より、天皇を大切にしそうな家康を天下人にと、前久は考えた、等。
○堺商人・徳川家康黒幕説
実際、本能寺の変の第一報を家康に伝えたのは、堺商人で豪商の茶屋四郎次郎だったことから、等。
「家康様が天下人になったら、ご贔屓にお願いしますよ」
by茶屋
○上杉景勝・羽柴秀吉黒幕説
毛利を倒したら次は自分と考えていた――
信長家臣の秀吉と、
信長の敵の景勝が共謀して計画実行。
後の豊臣政権の五大老に、景勝が選ばれているのが根拠の一つか?
○徳川家康・イギリス・オランダ黒幕説
信長が、旧教系ヨーロッパ諸国(スペイン・ポルトガル等)と関係が深かったので、新教系
ヨーロッパ諸国がそれに対抗して家康を祭り上げるため、等。
これは幕末の、幕府はフランス、討幕派はイギリスが後押ししたように――
日本史をグローバルな視点で、つまり列強の勢力争いの一環として見ている点で、興味深い。
○足利義昭・羽柴秀吉・毛利輝元黒幕説
とりあえず目の上のタンコブ信長を消し去ってから、後の事は考えよう連合。
○信長不死説
……これも初めて聞くが、
宇月原晴明先生の小説
『信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』のように、信長に宿った《霊魂》は不滅の存在で――
例えば過去にはアンドロギュヌスになったり、キリストになったり、仏陀になったり、そして信長になったりと……
時代時代に《偉人》としてこの不滅の霊魂を宿した者が現れるという、『偉人霊魂輪廻』説の一つのことかな?
・「信長は本能寺で死ななかった!」という、『信長本能寺脱出』説とかの、『信長生存』説のことか?
○家康暗殺説
これは今、一番注目されている最有力説の一つ!
本能寺に徳川家康をおびき寄せ、織田信長の指示により明智光秀が家康を討つ!
という《信長の計画》を、光秀が家康に密告して――
光秀と家康が共謀して信長の計画を利用して、信長を本能寺で討った。
……という初めて聞く人には……トンデモ説な感じですが、実は現在一番注目されている説でもあります。
何故なら『本能寺の変』に参加した光秀軍の兵士の供述書に、「家康を討つとばっかり思っていた」とあるからだ。
――ということで次回、
この一番現在、本能寺の《真相》に近いといわれる――
信長による『家康暗殺計画』失敗説を、検証します!




