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212『明智光秀VS. 羽柴秀吉』天下を分けた、信長の生死

○天下を分けた、信長の遺骸


《信長の遺骸》、その存在の有無は、通説においても、

本作の提唱する『信長による福音書計画』説においても――

最重要事項である。


まず通説において、何故『信長の遺骸』が最重要事項なのかというと――


信長の遺骸の存在の“有無”が、天下の行方を決めたとも言われているからだ。


そしてその事は、本能寺の変の後の天下分け目の《天王山》、つまり『山崎の戦い』でぶつかり合った、一番の当事者である明智光秀と、羽柴秀吉が一番理解していた。


光秀軍は、当然信長を討ち取った確かな証拠が欲しい。

時は戦国時代である。いつ自らの家が滅ぼされるかもしれない時代なのだ。主君への忠義も大事だが、家が滅びたら元も子もない。

だから、この時代は、“勝ち馬”に乗るというのが自家を存続させるための処世術なのである。

つまり信長の遺骸が見つかれば、当然それを証拠に信長の死を緒将に理解・納得させることによって、信長の配下であった武将でも光秀に臣従を誓うということは十分ありえる話であった。

だから、変当日だけでなく数日掛けて信長の遺骸を光秀軍は探索していたのである。


――では、羽柴秀吉の場合はどうか?


六月三日から四日にかけての間に《本能寺の変》の事実を知った、信長配下の中国方面軍大将・羽柴秀吉は――

交戦中の毛利軍と直ちに和睦すると、全軍を『謀反人光秀』討伐の為に、一路近畿を目指し、日本史上最大の強行軍といわれる《中国大返し》を成し遂げた。


その行軍中、羽柴秀吉が恐れていたことは……

秀吉が、近畿に到着する前に、

信長を討った光秀軍が強大になることであった。

何故なら、主君亡き後、にわかにはどうして良いか解らない混乱した緒将が――

なし崩し的に光秀を次の《天下人》としてしまう可能性が大いにあったからである。

それは当然、用意周到で名高い光秀は朝廷を押さえて、征夷大将軍等の要職につく可能性も多いにあるからであった。

(実際、将軍を拝命したという説すらある)。


――その光秀軍の強大化を防ぐために秀吉が行ったら謀略が、

『信長生存説』の流布である。


当然信長配下の緒将としては、信長が生存していれば、そこに馳せ参じる訳であり――

それは、当然反逆者光秀の軍への参入を拒絶することとなるからだ。


つまり、秀吉側としては、『信長が生存している』と、緒将に思わせることができればできるほど、光秀軍の強大化を防ぐことができ、当然それは敵対行動を起こした羽柴軍への有利へとなっていくのである。



――ということで、いかに『主君信長は、生きている』と緒将に宣伝するために、秀吉が尽力したのか?は、次回述べるが――

一つ言えることは、本能寺で確かに一度亡くなった信長が、秀吉軍の流した噂の中では、“生存している”、

つまり一度亡くなった信長が、“復活している”みたいなのがおもしろい。


次回、ついに本作【上巻】完結か?


次回『――そして伝説へ』


乞う、ご期待!

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