第1話 ぶっとんだ世界
--------第1話 ぶっ飛んだ世界-----------
『えー、次はーオナガワー、オナガワです』
鼻にかかったような車掌の声で私は目を覚ます。
トウキョウからセンダイまで新幹線で3時間。
さらにそこから私が引っ越すオナガワまで電車で1時間。
座りすぎてお尻が痛く待ってしまった。
私はぐーっと背伸びをし、上の棚からキャリーケースとパンパンに膨れ上がったスポーツバッグを下ろす。
その際に車窓から見えた光景は一面の海。
私がいた街では遠出でもしない限り見ることのできなかった海がそこに広がっていたのだ。
「…ここがオナガワ…。悪くない。」
期待に胸を膨らませ…るほどではなかったが、早く新しい家に行く必要があった。
電車からおり、駅員に切符を渡し…。
「ここの駅、駅員が手で受け取るんだ…。」
これもトウキョウではなかった光景。
ここの駅には切符を売る券売機はあるが改札機はないらしい。
なんとも無用心というか…なんというか。
それもここの平和さやのどかさを象徴しているのかもしれない。
そんなことを思いながら私は駅をあとにする。
ポケットからケータイ端末を取り出し、ここオナガワの地図を検索する。
さらにこれから私が住む家の住所を入力。
『案内を開始いたします。徒歩とのことでしたので交通規制に従って紫の線をたどってください。音声での案内も並行して行います。』
機械的な女性の音声が流れたあと、地図に紫の線がひかれた。
地図と実際の道を照らし合わせながら歩いていく。
坂を上ったり、えらく長い階段を上がったり。
かとおもったら下り坂になったり…。
「この街は平坦って言葉を知らないのか?」
軽く息を切らしながら、目的地近くまで歩いてきた。
「そろそろ近くだな…」
そうつぶやき顔を上げると、目の前には長い階段が…。
おそらく段数を見る限り先ほど上がったりしてきた階段の倍近くの段数だ…。
周りには木が生い茂っている。
「…勘弁してよ…。何段あるんだよ、これ。」
ため息を吐きつつも上がらなければまともに休める場所はないのだから、素直に1段づつ登っていく。
段数を数えようかとも思ったが余計に疲れそうなのでやめることにした。
登り、登り、登り、登り、登り、登り、登り、登り、登り。
ようやく上が見えてきた。
見えてきた場所には、朱い鳥居…。
私が住む場所はどうやら神社らしい。
母と父がなくなってすぐ親戚だと名乗る人から手紙がきて地名と住所は書いてあったが…。
まさか神社とは。
最後まで登りきり、鳥居をくぐるとそこでは…。
「おーい、そっちいったよー!」
「まってよー、待ってってばー!」
「みんなー、なんだか、知らない人が入口にいるよー!」
「ほんとだー、ご主人に報告してくるねー!」
「新しい人?それとも人形?」
「この大きさは人でショー!」
そこまで大きくない、決して大きくはない子供の菊人形たちが大勢、しゃべり、動き、遊んでいた。
どうも、アマギです。
まずは、この小説を見ていただきありがとうございます。
小説を投稿すること自体が私にとって初めての経験なので、すこし戦々恐々しています。
いつまで続くか、どこまでやるかは気分やいいアイデアが浮かんでき次第なところがありますので、もし続きを出しましたら読んでいただけると幸いです。