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第37話 導きを瞑り、決断せし光

 そこにはもう、か弱い少女はいない。

 足元に落ちていた折れた白いステッキを拾い両手で握り締めると、空の前に立ちはっきりと前を向いてゼオスを見つめる美癒は、自分の胸の内を語り始める。

「私、分かってた。あの日、私の前に空君が現れて、刺客から守ってくれた時から……私の平穏な日常が無くなるって」

 この世に魔法が存在する。それを知った時、美癒の心は確かに踊った。

 期待もしたしこれから始まる自分の日常、生活、人生が劇的な変化を遂げると思っていた。

 だが、自分を襲ってくる刺客達と出会う度に、魔法が存在する世界には必ずリスクが有るのだと気付かされていく。

「魔法はとっても素晴らしいものだから、魔法で世界は良くなれるって思ってた。でも、私の周りは何時も魔法を使った争いばかりで、次第に傷付く人が増え始めて、それでも魔法が有れば世界は良くなるって、信じ続けてた」

 魔法が有るからこそ生まれる争い。

 だからこそ甲斐斗も自分の為を思い記憶を消そうとした。出来れば魔法の溢れる優しい世界であってほしい、そう思い続けても、思いだけでは如何する事も出来ない事を徐々に思い知らされていく。

「なのに、今は……皆が魔法で傷付いてる」

 鈴はうつ伏せに倒れたまま動かず、桜は刀を握り締めたまま美癒を睨み、重傷を負った空は立っていられるのがやっとの状態。

 魔法で親しい友人が傷付く姿に美癒は目を逸らしたくなる、だが現実から目を背けていては何も変えられない。

「でもね、それは魔法が悪いからじゃない。魔法を悪用する人が悪いから、こんな事が起こるの」

 美癒の目は真っ直ぐゼオスを見つめており、その力強い視線にゼオスは薄っすらと笑みを浮かべると、徐に口を開き尋ねてみる。

「その通り、魔法とは人間の意思によってあらゆる結果を生む。だとすれば今、この状況を覆すには魔法が無くてはならないでしょう、どうします?」

 答えは決まっている。そしてゼオスはその答えを知っている。

 それを理解しても尚ゼオスが美癒に問いかけるのは、今一度美癒に『魔法』とは何なのかを分からせる為だった。

「私は今でも魔法を信じてる……だからこそ、今ッ───私が魔法で皆を助ける!」

 否定はしない、魔法とは力だ。

 この状況で皆を救えるのは魔法という名の力以外存在しない。

 美癒は願う、この世に魔法が存在し、自分が魔法を扱えるのなら、その魔法で自分の望みを叶えたいと。

 今まで過ごしていたありふれた素晴らしい世界を胸に刻み、美癒はひたすら思い続けた。

 魔法が使えるかどうか分からない、可能性の力が有るのかもわからない、このゼオスという青年の思い通りに動いて良いのか分からない、正しいのか、間違っているのか、今の美癒には分からない。

 ただ一つ分かる事が有る。皆を救い、皆を守るには、『魔法』の力以外存在しないという事。

 ならば今は信じ続けるしかない、思い続けるしかない、自分の可能性、魔法の可能性、その『力』を。

「レジスタル・リリースッ!!」

 この呪文を唱えた事で自分が魔法を使えるかどうかなど美癒は知らない。

 それでも咄嗟に出てきた言葉に美癒は己の可能性を信じ思い続ける。

 涙を流しながら唱えた美癒の呪文、その思いに答えるかのように美癒の足元には真っ白に輝く魔法陣が浮かび上がると、美癒の手に握られていた折れたステッキが光りを放つと、その眩い光りは美癒を包み込んだ。

 その計り知れない力の偉大さに世界は震える。

 そして数多ある世界の中でも極少数の者だけが、美癒の秘められた力を確かに感じ取っていた。


 ある世界に有る宮殿の王室の中で一人、王座に座り全身鎧に身を包んだ一つの存在。


 ある世界に有る美しくも巨大な基地の中、その一室で椅子に座り剣を地面に突き立てる一人の女性。


 ある世界の闇の中で、闇を抱き、闇に包まれ、闇へと染まる一つの存在。



 これが可能性の力、これが魔法の力、そして、そしてこれが───。



 光が美癒を包み込むと、美癒の身に纏っていた制服は美しい純白の魔装着へと変化していく。

 美癒は目を瞑り自分の全身に温かい力が漲ってくるのを感じると、閉じていた目蓋をゆっくりと開ける。

 その光景の一部始終を見ていた空とゼオスは瞬き一つせず美癒を見つめ続けていた。

 レジスタルが存在しなかったはずの美癒が今、純白の魔装着に身を包みそこに立っている。

「これが、美癒さん……?」

 空は自分の目の前に立つ美しい魔装着を着た美癒から目が離せず、目を見開き見つめ続けていると、同じ光景を見ていたゼオスは振り向き桜の方を向くと、ある命令を出した。

「桜さん、この人を殺しなさい」

 今の彼女なら期待に応えてくれるはず。

 応えられないのであれば所詮はその程度であり、価値ある存在では無かったという事。

 指示を与えられた桜は刀を構えると、その刃先を美癒に向け襲い掛かった。

 誰もが美癒の動きに注目した、襲い掛かる敵を前に美癒は何をするのかを知りたいが為に。



 純白の魔装着に身を包み変身を遂げた美癒の目の前には、刀を突き出した桜が迫ってきており、空はその桜の動きを見て声をあげた。

「美癒さんっ!!」

 避けなければ死ぬ。

 刀を突き出し目前にまで桜が迫っているにも関わらず、美癒は一向に避ける気配が無い。

 空は自分が助けたいものの、体の傷がそれを許さず身動きが取れない状況に心の底から焦りを感じた。


 如何する事も出来なかった。

 桜の刀は無慈悲にも美癒の胸を貫くと、その刃先が美癒の背中を破り空の目の前に現れる。

 終わった。

 空の頭の中は空っぽになり、真っ白に染まっていく。

 これが自分の限界で有り、魔法の限界。何もかも変えられる事はなく、残酷な結果だけを残す。

 絶望した空は全身の力が抜けてしまいその場に跪こうとした───その時だった。

「桜さん、私には分かるよ」

 美癒の優しくも力強い声が聞こえてくる。

 その声を聞いた途端、空の足には自然と力が加わると体勢を崩してもなお立ち上がっていた。

「桜さんの辛い思い、悲しい思い。全部私に伝わってくる……待ってて、今助けるから」

 胸を刀が貫いているにも関わらず、美癒は自分を突き刺した桜を前にして微笑んでみせる。

 そして美癒は自分を突き刺したまま動かない桜を優しく抱きしめると、桜は握り締め居ていた刀から手を放し成すがままに抱きしめられ続ける。

 美癒は桜のレジスタルをその身に受け、桜の思いを感じ取っていた。

 レジスタルとは魔法の源であり、その魔法を扱う者の心とも言える。美癒の胸を桜のレジスタルが貫いた時、その思いの全てを美癒は感じ取った。

 魔法が扱えない自分が美癒と鈴の秘密を知り、二人を助けをしたいという一心で魔法使いになった事。

 それから空を刺した事、鈴を斬った事、美癒に刃を突き刺した事、その全てを。

 悲しみに溢れ、絶望に満ちる桜の心。その心を唯一助けられる存在、それが天百合美癒だった。

 美癒が桜の心を知った瞬間、美癒の足元に浮かび上がる魔法陣が眩い光りを放つ。

 その温かい光りにその場にいた者達は包まれると、空は自分の体に付いていた傷が瞬く間に癒えていくのを感じる。

 それを感じた瞬間、鈴の方に空は視線を向けると、先程まで微動だにしていなかった鈴の指が微かに動くのが見えた。



 桜の顔に付いていた一枚の紅い仮面。

 その仮面が軽々と剥がれ落ちてしまうと、涙を流しながら美癒を見続ける桜の顔があった。

「美癒……っ!」

 美癒の名前を呟いた桜、自分が今何を起こし、取り返しのつかない事をしてしまったのかを理解していたからこそ震えている。

 だが、その不安の全てを掻き消すかのように美癒は落ち着いていると、桜の頭を撫でながら優しく囁いた。

「もう大丈夫だよ、皆無事だから」

 美癒は桜に安堵を与えるように微笑み続ける、美癒の胸を貫いていた刀は光りと化して消えてなくなり、美癒の胸には傷一つ付いてはいなかった。

 桜の絶望に満ちた心は美癒の光りにより癒されていくと、そのまま意識を失い美癒に凭れ掛かる。

 そんな桜を美癒は優しく受け止めると、気を失った桜を鈴の側へと優しく寝かせ始めた。

 その様子を見つめていたゼオスは全てを悟ったかのような澄ました表情で美癒を見つめていると、徐に口を開き語り始める。

「力を揮わず私の魔法を解くなんて……素晴らしい。これが君の魔法の力なんだね、それこそが私とあの方が求めていたものだよ」

 その言葉を聞いた美癒は、純粋に疑問に思った事をゼオスにぶつける。

「ゼオスさん、貴方の目的はなんですか? 皆を傷つける事なんですか……?」

 ゼオスが何を目的としてこのような事をしているのか美癒には分からない。

 自分を狙っていたにも関わらず、まるで美癒を試すかのように振舞い続ける。

 その問いにゼオスは快く答える、それが自分の為でありあの方の為であり───世界の為なのだから。

「覚醒とは言わないが、君は大いなる一歩を踏み出した。私の目的はただ一つ、この世の全てを覆し、思うがままに出来る程の力を持つ者。『無限の可能性』を秘めた人間を探し出す事さ」

 それが真実に他ならない。

『無限の可能性』を秘めた存在を探し出す事、それがゼオスの目的だった。

 手段は問わない、方法も問わない、数多ある世界の中で唯一の存在を探し出す。

 そしてゼオスは遂に見つけた。以前見つけた候補者の誰よりもとびきりの可能性を秘めた存在を。

「覚えておくといいよ、天百合美優。君は何れ、必ず……全世界、全人類の命運を懸けた『選択』を迫られる時が来る。何故なら君には力があるからだ。法則、常識、運命、そのどれにも縛られず思うが侭に成す事が出来る『無限の可能性』を秘めている。魔法と同じさ、君は不可能を可能に変える事が出来る唯一の存在なのだから」

 不思議と、今だけゼオスに抱いていた嫌悪感が無くなっている事を美癒は感じていた。

 大切な人を傷つけ、騙し、欺いた。許される事ではなく、強い恨みを抱いてもおかしくない。

 ただ、今だけはゼオスという人間の本心を感じ取った美癒は、その『誤った』一本道を進み続ける純粋なゼオスの意思を感じ取っていた。

「先程も言いましたが、君の為なら私は敵にでも悪にでも成ります。その力を昇華させなさい、貴方が望む理想の世界を作り、『相反する存在』から守りたいのならね───」

 ゼオスの口から出た『相反する存在』という言葉が、自分達の事だけを言っている訳ではないように美癒には聞こえた。

 より凶悪でより凶暴な存在がいる。

 この世の全ての『闇』であり『邪』であり『悪』な存在、その時ふと美癒は自分に纏わりつくある視線を感じた。



 余計。

 不要。

 邪魔。

 目的が死して消す以外の理不要その他全て必要皆無、恐れ無きが同等の感情抱く程危険で有り目障り。

 何時も何時までも永遠と抱き続けた感情目的恨み妬み憎しみ。

 除外させる為の一ばら撒き昇華させ化し僅かな時に事起き不快極まり無き可能性。

 何れ思い成就到達する時、全が混沌と化し無と成り、有と成り、全世を染める。

 目的皆無如何否理。それこそが奥底で眠りながらも心の内に秘めた野望。

 じじ、ジジジジジジジジジジ邪邪邪邪邪邪邪邪邪邪邪邪邪邪邪邪邪邪邪邪邪邪。



 ───「っ!……今の、何……?」

 確かに感じた不の力。美癒は辺りを見渡してみるものの、既に何の気配も感じなくなっていた。

 理想の世界を作りたい、守りたいのなら。そうゼオスが告げた直後、全身をバラバラに刻まれたドルズィの肉片が集い始めると、再び元のドルズィの姿と成りはじめる。

 もはや再生の次元を超えており、肉片一つ一つが繋ぎ合わさり一人の人間の姿になると、ドルズィは両手に握り締めた鉈を構え美癒を睨みつけた。

「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す───」

 一瞬で全身を切り裂かれ、細切れにされた瞬間がドルズィに脳裏に蘇り続ける。

 この感情を晴らす為には己もまた同等の事を成すしかない。

 目の前には美癒、両手には鉈、甚振り、陵辱し、苦痛に満ちた表情を見たい。

 ドルズィはただ一つの言葉を繰り返し続けながら鉈を振り上げると、武器を持たない美癒に向けて鉈を振り下ろした。

「死゛ねぇええええええええええええええええええええええええええええええええええええええッ!!!」

 今を振り返り、何故自分がこのような結果に成り果てたのかをドルズィは考えた。

 失い続けた日常の中、力により満たされる日々を過ごしていた時、美癒と出会う事により再び全てを失ってしまう。

 そんな時、力を貸してくれた一人の男。その男は善意で助けてくれた訳ではない、全ては己の目的を果たす為だけ、それを承知の上でドルズィは受け入れた。

 しかし、今となってはそんな事どうでもいい。

 この希望と可能性に満ち溢れる小娘を亡き者にしたい、全てを否定し全てを踏み躙りたい、今のドルズィにはそれしか頭には無く。

 それは、一つの『存在』と同じ思念だった。



 ───『レジェンド・ゼロ』

 美癒の目の前には黒い光の柱が現れ、黒く輝く裁きの光は瞬く間にドルズィを飲み込んだ。

 全てを無をにする最強の力、光が消えた時にはドルズィの姿は無く、目の前に広がっていた地面もまた消滅している。

 あやふやな可能性の力と相反する絶対的最強の力を持つ男が今、ゼオスの前に現れた。

「俺のいない間に……好き勝手やってくれたじゃねえか……」

 右手に黒い大剣を握り締め堂々と立ちはだかる甲斐斗の登場に、ゼオスは以前から抱いてた疑問をぶつけてみる。

「そうそう、一つ尋ねてみてもいいでしょうか。君、『何』なんでしょうか?」

 この男が何者なのかが分からないだけではない。

 明らかに常軌を逸した力を持っているが詳細は不明、今までに見た事の無い魔法を扱う男をゼオスは警戒していた。

 すると甲斐斗はゼオスの言葉を聞いた途端にニヤリと笑みを浮かべると、高らかに剣を振り上げた。

「俺は甲斐斗、最強の男だ」

 振り下ろされた剣から放たれる斬撃、始めて見ただけでも分かるその危険性を察知すると、ゼオスは瞬時に斬撃を交わし右手を広げると、一枚のカードを召喚した。

「君に力は感じるが可能性を感じない、無意味で無価値な戦いをする程私も暇じゃないんだ」

 ゼオスの手元に合った一枚のカードは等身大程に大きくなると、ゼオスは自らそのカードの中に足を踏み入れる。

「また会おう。その時は美癒、君がより素晴らしい存在になっている事を期待しているよ。何せ君はまだ『覚醒』を遂げた訳ではないのだからね」

 それだけ言い残しゼオスはカードの中へと姿を暗ましてしまう。



 甲斐斗が剣を振るいカードを真っ二つに切り落とした時には既に別の世界へとゼオスは渡ってしまい逃してしまう。

 だがそれを見ていた甲斐斗に焦る様子は無く、頭上を見上げ声を荒げる。

「おい龍馬、奴の居場所が分かったかッ!?」

 甲斐斗の声が空と美癒に聞こえてきた途端、甲斐斗の側には何時のまにか龍馬が立っており、手元にある小型の装置を見つめていた。

「バッチリですよ、これで彼等の居場所を特定できました。今軍隊に向かうように指示を出します、私の指示通りに動いて頂きありがとうございます。後は私達にお任せください」

 龍馬は小型の装置に何やら入力していく、それを見ていた空は突如現れた龍馬に向かって口を開く。

「どうして貴方が甲斐斗さんと共に行動しているんですか……? 甲斐斗さんも、どうして彼と……?」

 すると、全ての情報を入力し終えた龍馬は空の疑問に答えるように喋り始めた。

「以前、全世界の各地で魔法使いによる事件が多発しているとお伝えしましたよね。その首謀者はカードを扱う魔法使いだという事しか分からず、有力な情報が掴めていませんでした。少しでも良いので手掛かりが欲しいと思っていましたので、彼と情報交換を行ったのですよ」

 龍馬の視線の先には甲斐斗が立っており、その視線に気付いた甲斐斗は剣の構えを解き面倒くさそうに頭を掻きながら説明を始める。 

「その時にはじめて俺も世界各地で起きている異常事態を知った訳だが、龍馬から見せてもらった刻印がノートが受けた刻印と似ていたからな。美癒に刺客を送り込んでいる奴が首謀者だと思った訳だ、事実そうだったしな。このタイミングで首謀者がこの世界に現れるのは予想外だったが、お陰で奴等の居場所を付き止める事が出来た」

 そう言うと甲斐斗は龍馬に視線を向け、再び口を開く。

「んじゃ、後はお前等で何とかしろよ」

「ええ、畏まりました。ご協力感謝します」

 そう言って互いに目を合わせ意思の疎通を図る二人。

 龍馬は報告の為、元いた世界『アルトニアエデン』に帰る為に魔法を詠唱すると、足元に輝く魔法陣が形成されていく。

 その陣の上に立っていた龍馬は徐に美癒達に視線を向けると、戸惑った様子で見てくる美癒と空にある言葉を残した。

「美癒さん、空君。忠告しておきます、貴方達にはこれからも過酷な試練が続きます。心身共に傷を負い、疲れ果てる時が来るかもしれない。それでも……貴方達なら這い上がり、立ち上がってみせると私は信じています。だから貴方達二人も何があっても自分自身を信じなさい。……それでは、またお会いしましょう」

 それだけ言うと龍馬は転移魔法を発動し、足元に浮かび上がる魔法陣の光りに包まれていく。

 そのまま姿を消した龍馬は別の世界へと転移すると、それを見ていた甲斐斗は手元から剣を消し美癒の元へと歩み寄る。

「色々あったみたいだが、とりあえず全員無事だな……帰るぞ」

 話したい事は山ほどあるが、今は意識を失っている桜と鈴を家まで連れて帰る事が優先だった。

 甲斐斗の言葉に二人は頷くと、五人揃って唯の待つ家へと帰り始めるのであった。

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