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大学生

大学生になった。実は、それまでのあいだに、


ほんと、いろいろあったんだけど、いじめには関係ないから、省略(しょうりゃく)することにする。

だから、ボクとオレの間に、差がありすぎて、違和感(いわかん)のようなものを感じるかもしれない。


細い舗装(ほそう)されたくねくねした道をのぼると、そこに、大学のキャンパスが広がる。

活気(かっき)があって、ワクワクするような場所だ。

明るいみんなの笑顔(えがお)。ここちよい日差し。


勉強も遊びも楽しくてしかたない。


友達も大勢(おおぜい)できた。


グループになるとグループ同士の争いが起る。オレは、機転(きてん)をきかして、

それを回避(かいひ)することに成功した。

そのおかげで、グループのリーダー(てき)存在(そんざい)におさまった。


ますます友達はふえた。


目立つということがどういうことか、それがこのころのオレには、よくわかっていなかった。

無理も無い。暗い穴倉(あなぐら)の生活を続けてきたんだから。


目立つと楽しい。快感(かいかん)もある。だけどなにより危険(きけん)なんだ。


(ねら)われることも多くなる。

ものごと、ほどほどがちょうどいいと思う。


そして、友達もこれ以上は、ふえないってときに、

彼に出会うことになる。


もしこのときのオレに、私から忠告(ちゅうこく)できるのなら、

不自然に、自分と友達になろうとするやつにはきをつけろ。


こういってやりたい。


友達になるタイミング。これが不自然なやつは何か(うら)の考えをもっていると思う。


全部が全部そうではないかもしれないけど、油断(ゆだん)はしないほうがいい。


そして私の経験では、そういう人は、かなり危険(きけん)だということ。

普通の人が、想像(そうぞう)もつかないようなことをする。


だけれど、そのときのオレは、警戒(けいかい)心ゼロだった。なんというか

これいじょうないってくらい、油断(ゆだん)していたんだ。


目を覚ませ!オレ。


そのころ、オレには彼女がいた。彼女とその友達数人で、

よく一緒(いっしょ)に遊んだり、図書館で、勉強したりしていた。


彼は彼女に目をつけた。


彼女達と友達になることで、すんなりオレに、近づいてきた。

最初の印象(いんしょう)は、まわりに気配りのできるさわやかな青年といった感じだった。


どこにも非がない。ああこんな良い人もいるんだなぁ。


会話してても、楽しくて、彼がいるだけで、場の雰囲気(ふんいき)が和やかになる。


オレは、彼を信頼(しんらい)し、彼は、オレのいたグループにも

よく顔を出すまでになる。


しばらくして、オレは彼女と遊びたくて、グループから足が遠のきはじめた。


彼女やその友達と遊んでいて、二週間とかそれくらいが、たったころ

グループにもどると、まわりの空気がすこしちがっていた。


なんとなく歓迎(かんげい)されていない、そんな気がした。


そのときからかな。


なにかがまわりで、いやな方向にかわっていくたび、その中心に

かならず彼がいたのは。


仲間はずれにされる気分。


そして仲のよかった友達が、自分のまわりから去っていき、彼のもとに集まっていく。


耳を()ませば、その友達から、オレに対する嫌味(いやみ)のようなものが

聞こえてくる。


それは徐々(じょじょ)に、彼らの態度(たいど)にはっきりと現れ、


オレが彼女と一緒にいるところを、少し遠くから、何か、相談しているような感じで、

彼らが、こちらを見ていたりした。


そして今度は、彼がなにか楽しげに、ふたりきりで、彼女と話をしているところを

なんどか目にした。


そしてすぐ、つきあっていた彼女とうまくいかないことがでてきた。


彼は、オレと彼女の間にはいり、相談にのろうとする。

二人の問題だし、オレは、断りたいんだけど、彼女がそれを許さない。


彼女の相談相手は、オレよりも彼なのだ。


いつのまにか、彼と彼女は、それくらい親しくなっていた。


あせっていたというか、自分の気持ちなのにはっきりとわからない。

とにかく(いや)な気持ちだった。どうしてオレよりも彼を信頼するんだ。

そんな(くや)しい気持ちでいっぱいだった。


彼はなにかひっかかるところがある。

彼女にそういっても信じてもらえないのが

つらかった。


その彼女かその友達が、万一この小説を目にして、

そこに、三人の間におきたことが詳しく書いてあると、

迷惑がかかるかもしれないので、省略するしかないんだけど、


彼がおこなったのは、ほんのささいなことばかりだった。


あとからどんないいわけでもきくような。


ただ、その行動がオレと彼女の間の(みぞ)を急に大きくしていったのは

間違いないと思う。


その結果、オレと彼女は、喧嘩(けんか)ばかりする。

当然、彼女は不機嫌(ふきげん)になる。

それを彼がなだめる。オレは指をくわえてみていることしかできない。

そんなとき、彼女はオレと話をすると涙を流したり、パニックになったりするからだった。


どちらから言い出したのか覚えていないが、

別れはやってきた。

これ以上二人が一緒にいてもいい結果にならない。

だから別れようということだ。


彼はこういった。


彼氏彼女の関係なんだからもっと彼女を信用してやれなかったのか。


誰のせいだといいたいが、彼の得意げな顔に、怒りがこみ上げて

言葉にならなかった。


いままでは、二人を心配して相談に乗っているという感じだった彼。

オレとわかれてからすぐ、彼女は彼とつき合い始め、その雰囲気(ふんいき)一変(いっぺん)した。

彼は、彼女と楽しそうにしているところをわざわざオレに自慢(じまん)するようになったのだ。


決して、ききたくはないものを嫌というほど聞かされた。


その自慢の仕方もむかつくものだった。


オレが、彼女と話をしていると、横で聞こえるように冗談めかして

断片的(だんぺんてき)に自慢話を話す。そうされると、いやでも

想像力で前後をつなげてしまうんだ。


彼女に近づかなくても、うっすらと聞こえてくるように話す。


結果、オレは苦しむことになる。


これか?これが狙いなのか?悔しがらせ、オレを追い詰めたかっただけなのか?

それとも彼女とほんとにつきあいたかったのか?

一週間ほどまともに眠れなかった。

頭がきりきりと締め付けられ、体をごろごろとさせながら、苦痛に耐える。

彼女とつきあいたくてつきあっているならまだいい。

彼女はオレを困らせるためだけに利用されてるだけだとしたらなんともいえない

嫌な気持ちになる。これを一日中繰り返し眠れないんだ。


しばらくして、彼女のことを頭の中から追い出せた。


彼と彼女のなかは二ヶ月ともたずに終わりを(むか)える。


さびしそうにしていた彼女に、オレは、近づいてしまった。

よせばいいのに。

けれど、楽しく話せて、少なくとも友達としては、元にもどれた感じがした。


翌日、彼は早速彼女と一緒に歩いていた。

よりがもどったと彼女は喜んでいた。

ほんとにうれしそうにする彼女、

オレは、よかったねといってあげた。

そんな言葉しかでてこなかったんだ。


そしてまた一週間とたたずに二人は、別れてしまったようだ。


それから彼女には、話しかけにはいけなかった。


つらいことがあったら、気持ちを切り換えることが必要だ。

そうおもったオレは、なにか打ち込めるものがないかと探していた。


そういえば、彼は車の運転がうまかった。それが少しコンプレックスに感じていたオレは、

車の運転(うんてん)技術(ぎじゅつ)で彼を()えてみようと思った。


最初は、こういう気持ちで始まった。


車を運転していて、コーナーで、どうすれば、スムーズに曲がれるか

いろいろ試していた、コーナーにどう進入すればいいかとか、

ハンドルの曲げ方、アクセルやブレーキの量といったことを少しずつ変えて

何度も試してみる。


何度も試しているとよい方法がみつかる。

そうすると前よりも少し、コーナーでの速度をあげることができる。

そうして、すこしずつ、速度が上がる。


この速度というのが問題だった。


車で速度をあげればあげるほど、速さの感覚(かんかく)がマヒしてくる。


車で走っていて、自転車にのりかえるときを思い浮かべるとわかりやすい。

いくら自転車をこいでも前に進まないと感じることは誰にでもあると思う。


速い速度になれると、遅い速度で走れないというか、いらいらするようになる。


すこしずつ、直線の速度もあがっていき、

法廷(ほうてい)速度をきっちりまもっていたオレが、

一ヶ月くらいで、無謀(むぼう)な速度をだすようになっていた。


警察に捕まったら(そく)免許取り消しである。いやそれ以上だろう。


というか車は走る凶器(きょうき)だということは知っていたんだ。

だから法廷速度をまもって、マナーよくはしっていたわけで。


もし人に迷惑がかかるようなことになっていたらと思うと

考えるだけで怖い。


いくら見通しがよくだれもとおらないような時間帯といっても、

対向車がくることもある。実際なんどか死ぬかという思いもした。


そしてそのとき気がついた。


トマラナイ。


この危険な思いをするたびに


またそれから無事生き残るたびに


ものすごい快感を感じるのだ。


これはヤバイとおもった。


他人をまきこんでからじゃおそい。

どうやってもとめないとだめだ。


でもとめられない。


それはまるで覚せい剤などの末期(まっき)の状態と同じなのかもしれない。


やめたいのにどうしてもやめられないのだ。


そして、ただ速度をあげることでは、

快感が得られなくなってきたオレは、わざと、危険なシチュエーションを

楽しむようになった。もう、あまりの快感に心が(こわ)れていたんだろう。


車の後輪(こうりん)をすべらしたり、前輪もすべっていた気もするが。


ちいさなくぼみに乗り上げて、車でおおきくジャンプしたり。


車のタイヤが悲鳴(ひめい)をあげて、着地(ちゃくち)瞬間(しゅんかん)

ハンドルがきかなくなる。


ぞくぞくした。


わざと対向車がくるときに、追い越しをかけたこともある。

対向車線を大型のダンプが前からやってくる。

前の車に、追い越しをかける。追い越しをかけられている車がもし

速度をゆるめなければ、ダンプにつっこむかもしれないという状況(じょうきょう)


こんなのは、もはや殺人と変わらない。


今の私なら、オレにこういってしまう。


そんなに死にたいなら一人で死ねよ。他人を()き込むな。


でもね。私は知っている。このとめられないって感情(かんじょう)も。


それでも、そういってしまうだろう。


それだけ他人に迷惑(めいわく)をかけるなという思いが強いのかもしれない。


偶然(ぐうぜん)オレは生き()びた。追い()しがおわったとき、ダンプはすでに

自分の後方(こうほう)にいたから、(びょう)以下の差で大事故になっていただろう。

駐車場(ちゅうしゃじょう)について、車をとめたとき、足がガクガクしたのを覚えている。

歯もかみあわないほどガタガタいっていた。


こんなとんでもないことをここにかいた理由は、

決してみんなにまねしてほしくなかったから。


いじめられたり、つらいことがあったりすると、

気持ちの切り替えが必要にはなると思う。

そのとき絶対にえらんではいけないものがある。


それはマヒするようなもの。


酒、薬や車、ほかにも命を危険にさらすものは

いくらでもあると思う。決してこれには手をだしてはいけない。


軽い気持ちで、始めたら、他人も自分も死に追いやるかもしれない。

自分ではなかなかとめられないことも知っておくほうがいいと思う。

なにか起ってからでは遅いから。


勉強やスポーツ、映画や本、ゲームなんてものもある。

無難(ぶなん)なものを選ぶといいと思う。

たくさん汗をかいたり、自信をとりもどせたり、涙をいっぱいながせれば、きっと立ち直れるから。


オレも小中高とそれを選択してきたわけで、


大学生になってはじめて選択できるものがふえたってのが

そもそもわなだった。車、酒、タバコ、パチンコ。

こういうものには気をつけないとダメだ。


そして彼女と別れてから、一年くらいがすぎたころ。

彼女の友達から、こんな話を聞いた。

あのときのことは、オレとのなかをきちんと続けていくために、彼女から、

彼に相談したということ。彼は周囲に誤解されることを恐れず、演技(えんぎ)して

いたらしい。

そう聞いても、いまさら彼女のもとにもどろうとは思えなかった。


というか最後のほうに自慢(じまん)する必要はあったのか?

そう思いかけてすぐに思考を停止させた。もう思い出さないほうがいい。

きっとそのほうが自分のためなんだ。


車の運転で、また目立つようになった。

もといたグループの仲間とも話すようになっていた。


彼と話すことはなかったけどね。

彼はたまにグループに顔を出す程度だった。


そんななか、試験明けのうちあげということで、

飲み会をやることになった。


救いようも無いダメなオレは、またまた油断(ゆだん)していた。


あんなに苦しい思いをしたっていうのに。

人ってつらいことを忘れるとすぐに危機感(ききかん)が無くなる

ものなんだろうか。

それともそれは忘れっぽくて、(おろ)かなオレだけなのだろうか。


彼がその場にはいないこと、これがオレを安心させたのかもしれない。


酒がはいってくると、余計(よけい)油断した。

目のまえに、グループの友達がわるふざけで

つくった、数種類のお酒が、まぜられたものがある。それを少し飲んで

しまった。こういう場所ではよくあることだけど、

これってきくんだよね。

よいがまわる。


それからしばらくして、酔いもさめはじめたころ、

その友達がこういいだした。


レポートを学校に忘れてきた。

車でつれていってくれないか?ということだった。


油断していたオレは、あっさり、引き受けてしまった。


つかまったら飲酒運転である。ここはことわるべきだろう。

でも、ほんとに近い場所だし、オレはしっかりしているし、大丈夫だと判断してしまった。

この判断がなによりいけない。


そして飲み屋から外に出ると、すっかり、真っ暗になっていた。

二人で車に乗り込み、オレが、車を走らせる。


すぐに大学の入り口についた。

ここからは、くねくねとした細い道を車でのぼることになる。

そのとき、横に乗っていた友達がこういいだした。


運転をかわらないか?

車の運転がうまくなったからオレに見せたいということらしい。


友達の目を見ると、大丈夫そうだった。そう感じたオレは、

いいよ。かわろうと言ってしまった。


友達は、助手席から、外に()りて、運転席に回る。

オレはめんどくさいので、そのまま車のなかで、運転席から助手席へと

移動した。

かれがドアを閉めて、シートベルトをして、

オレが助手席に(こし)をかけて、ゆっくりとフロントガラスからみえる

景色(けしき)に目をやった瞬間(しゅんかん)


オレの記憶(きおく)は、そこで途切(とぎ)れてしまった。


それから、どれくらいたったのかわからない。


次に、目を覚ますとそこは、病院らしく、

目の前には、警察官(けいさつかん)らしい人がいた。


その人は、オレの目の前に、検査薬(けんさやく)のようなものをみせて、

赤くなっているな?酒を飲んでいたんだよ。といった。


瞬間(しゅんかん)、オレは理解した。


事故だ。


飲酒運転(いんしゅうんてん)で事故。とりかえしがつかない。

そして、こういうときの記憶(きおく)ってのはあてにならないもので、

オレのポケットから、ちぎれた、車のキーホルダーがでてきたという

ことをきいて、余計(よけい)混乱していたためだろう。


運転していたのは、自分か?と問われて、ハイと答えてしまった。


記憶(きおく)がまったくない。実は、運転を交代したということも

このときは覚えてなかった。


そんな状況だから、

自分のポケットから、キーホルダーがでてくれば、自分が運転していたと

思い込んでしまう。

なによりこういうとき、オレはまっさきに、(あや)ってしまう性格なのかもしれない。


オレは飲酒運転で事故を起こしたことになる。


そのとき横に乗っていたはずの友達があらわれた。


足を怪我したらしい。水泳の選手だったから、

その選手生命にかかわるかもしれないということだった。


なんて声をかけてよいかわからない。


オレはとんでもないことを引き起こしてしまった。

この先この友達になんて謝罪(しゃざい)をつくせばいいのだろう。


もうそれからは、後悔(こうかい)の気持ちでいっぱいで、

反省(はんせい)をこれでもかというくらい何度も何度も繰り返した。


一生かけても脚を怪我させてしまった友達のめんどうをみなければいけない

そう考えていた。


そして、(さけ)を飲んで車にのったりしなければ、こんなことにはならなかったはず。

これは、今でも強く思うことだ。


病院での生活は、二週間ほど。


その間に、親が心配してかけつけてくれた。

ひどく寝てない様子で、つかれきった顔だった。


大学にも迷惑(めいわく)をかけていて、クラッシュした車の廃車(はいしゃ)処理(しょり)だとか、


心配した友達がかけつけてくれたりだとか、いろいろあった。


その友達から事故のことを聞いて、どういう事故だったかすこしずつ理解した。

どうも、オレの車は、大学の細い道をあがったところで、(かべ)にぶつかったらしい。

コーナーの内側の壁にあるごみ置き場のカドのところに正面からつきささるように

ぶつかったということ。


車は、フロントがごみ置き場のカドの部分で、真っ二つになり、フロントガラスには、

助手席(じょしゅせき)(がわ)運転席(うんてんせき)(がわ)が頭の形に割れた後が残っていて、そこにべったりと

血がついていた。


運転席のハンドルは、事故の衝撃(しょうげき)で、ベコリと変形(へんけい)していたそうだ。


事故があった夜、横に乗っていた友達が、車のそとにオレを引きずり出し

たすけを求めているところに、これまた友達の学生がとおりかかり、

救急車(きゅうきゅうしゃ)をよんでくれたということだった。


いつ炎上(えんじょう)するかわからないそんな状態だったそうだ。

オレの体には、たしかにそのとき車から引きずり出したときについたと

思える傷跡(きずあと)がのこっていた。


何日かして、横に乗っていたほうの友達のお見舞(みま)いに、彼が現れた。


彼は、友達となにか話をして、わりとすぐに帰っていった。

このときまだオレは、ただただ反省(はんせい)していただけだった。


病院にいると、いろいろ検査を受けたりするけど、基本的にすることがない。

時間がたつと、自分の怪我(けが)はどうなのかしりたくなってきた。

顔中、包帯(ほうたい)だらけなので、わからない。

お医者さんの言うことには、眉毛(まゆげ)の上から(ほお)のあたりまで

何針(なんはり)()っているらしい。

眉毛(まゆげ)は、もうはえてこないかもしれないといわれた。


自業自得(じごうじとく)だと感じる。


自分の顔がどうなっているのか。はやく見てみたいとおもったが、あせってもしかたない。


そうしているうちに事故のことを考えるようになった。


まず、車の事故をおこしたときの動きを頭の中で再現(さいげん)してみた。

すると少し奇妙(きみょう)なかんじがした。


話だと、その場所は、細長い道、車が二台ならぶのがせいいっぱいであるような道だ。

コーナーの内側の壁のくぼみに、真正面からぶつかったとなると、そうとうハンドルの角度を曲げないと

いけない。というよりも、一度、道の外側に車を向かわせて、そこから

急にハンドルを内側にむけて切り込むくらいじゃないだろうか。

それも、道はまがりくねっていて、速度が出せないはず。

せいぜい50キロ。その速度でぶつかって車のフロントがまっぷたつにわれるだろうか。


ぶつかると思った瞬間、アクセルとブレーキを()間違(まちが)えでもしたのだろうか。


それかあるいは、車の後輪(こうりん)でも(すべ)らせて、車体をもどしきれずに

壁のくぼみにぶつかったのかもしれない。


タイヤ(こん)があるかどうかでそれは判断できそうだ。


けれど、そんなことを誰かに見てきてほしいとお願いするよりもさきに、

考えると違和感のあることがいくつか、あった。


最初に違和感(いわかん)を感じたのは、ハンドル。


ハンドルは低い位置にある。ハンドルがこわれるくらいの衝撃(しょうげき)なら

オレの体にもその怪我(けが)があってもいいはずだ。

けれど、オレの怪我といったら、顔を()ったのと背中の引きずったあとだけ。


そして彼の足は怪我(けが)をしている。


このとき、失っていた記憶(きおく)が、少しだけ見えた気がした。


オレは、運転をかわらなかったか?


思い出せない。もやのなかにある記憶のかけら。

もしかしたら、事故の日じゃなくて、別の日の記憶なのかもしれない。

運転をかわることくらい他にもあったから。


ほかにも、もうひとつ違和感があった。


友達は、オレを引きずり出したということだけど、

そのとき友達は、意識(いしき)があったはず。


意識があれば、自分が運転していたかどうかなんてわかるはずだ。

けれど、警察(けいさつ)の人は、オレにこうたずねた。

運転していたのは自分か?と。


なにかひっかかる。


友達は警察の人に、どう答えたんだろう?


友達に聞いてみたが、彼は、無我(むが)夢中(むちゅう)で、

オレをひっぱったことしか覚えてないという。


でも、人に助けを求めたんだよな。そのとき彼はわりとしっかりしていた

んじゃないだろうか。


そして、さらにもうひとつ。


つじつまがあわないことがある。

ひきちぎられたキーホルダー。これがなぜオレのポケットに入っていたのか。

事故の瞬間(しゅんかん)。意識が無くなったオレにどうすれば、キーホルダーを

ひきちぎることができたのか?

仮にたまたま事故の衝撃(しょうげき)でちぎれたとしても

ポケットのなかにはいるのは、納得(なっとく)がいかない。


これらから考えると、どうしてもこの答えにたどり着く。


運転していたのは、オレじゃない。

そして、友達は、助手席のオレを引きずり出した。


オレではない誰かが、車からキーホルダーをひきちぎり、オレのポケットに入れた。

となれば、それは友達が、おこなったことだろう。

ならば、彼には、はっきりとした意識(いしき)があったはずだ。

どちらが運転席にのっていたかについて。


友達は、自分が運転していたことをかくしている。


というよりも意図的(いとてき)にかくすための工作をおこなっている。


そう思ったオレは、父と母が病院に、来ていたとき、

警察に、捜査(そうさ)をお(ねが)いしてほしいと。頼んだ。


それは慎重(しんちょう)に、捜査(そうさ)していることを

できれば、誰にもばれないようにと。


さいわいなことに、事故をおこしたオレの車はまだ、廃車処理をまっていたところだった。

これが、廃車がおわっていたなら、永遠にオレが、運転していたことになっていたかもしれない。


それから数日して、あの彼がまた、病室にやってきていた。

またなにか友達と話をしていた。


そのあとかな。横に乗って怪我をした友達の親が、お見舞(みま)いに来ていた。

そして、オレとオレの親、友達とその親がいるところで、ちょっとした話し合いが

あった。


それはむこうからの提案(ていあん)で、


今回の事故を示談(じだん)にしてあげるということだった。


つまり、内容はこうだ、二人は怪我をしているし、車ももうもどらない。

とりあえず、お酒を飲んで運転したことについては、お互いさまなので、

今回の事故の損害(そんがい)については、お互いに相手に請求(せいきゅう)しないということだ。


そのときはまだ、オレが事故をおこしたことになっているわけだから、

当然この提案(ていあん)は、こちらにとって非常にありがたいものだ。


(ことわ)る理由はない。いかに疑問(ぎもん)があっても、その疑問はくちにしてはならない。


結果、自分の入院費や車の廃車費用を自分でもつことになった。車もうしなった。


また数日して、いよいよ顔の包帯(ほうたい)をとれることになった。鏡でそっとみてみたが、

ショックがおおきかった。顔の半分がぐちゃぐちゃだった。


きつい。


そのときには、すこしこの事故が、なにか意図的にしくまれたものじゃないかと

感じ始めていたものだからよけいきつかった。


もしかしたらあの彼が、しくんだことなんじゃないか?

オレの想像はそこまで飛躍(ひやく)していた。


でもその飛躍(ひやく)もあながち間違いでもない気がする。


そういえば、車の事故がおこるまえに、自分の車のエンジンは特別に

のせかえているんだと友達に自慢(じまん)したおぼえがある。


この事故はそれから数日後のことだった。


ぶつかった角度のせいで、エンジンはちょうどつかいものに

ならないくらいにこわれていた。


事故を起こす瞬間(しゅんかん)の車の不自然な動き。


エンジンをこわすためだとするとなんとなく理解できる。


よこにのっていた友達がオレに運転していた事実をおしつけたこと。

あの彼が病室にあらわれてからまもなく、いままでこなかった友達の親が

来たのも不自然に感じられた。

そして不自然な提案(ていあん)。自分のむすこが足に怪我をおっているのに

お互い請求(せいきゅう)しないなんて、普通いうだろうか?


逆に考えよう。


もしこの時点で、オレが警察に捜査(そうさ)をおねがいしているとしっていたらどうだろう?

科学(かがく)捜査(そうさ)の進んでいる日本の警察だから、フロントガラスの血痕(けっこん)血液型(けつえきがた)鑑定(かんてい)をすれば、それだけでどちらがドライバーであったのか判定できそうだ。


それなら話が理解できる。


運転手。これがひっくりかえるわけだから、車の保障(ほしょう)もふくめて、

この提案は、あちらにとって不利にはならない。


それどころからオレにとって非常に不利だ。


となると、友達のおやにどうやって、こちらの捜査(そうさ)依頼(いらい)がばれたのか。

あの彼の見舞いのタイミングが気になる。


しかしそうなると、彼は警察が捜査を始める前に、

こちらから捜査依頼(そうさいらい)がでたことを知りえたことになる。


警察のなかにだれか知り合いがいるとかでないと

つじつまがあわない。


とにかくほんの少しの気の(ゆる)みも許されないと思った。

これは真剣勝負なんだ。


あるいは単に偶然(ぐうぜん)のつみかさねか。それをひとりで勘違(かんちが)いしているだけなのか。


でもね。どうやらこれが本当にいじめだということは

後からはっきりしたし、実は、このときにすでにオレは負けていたんだ。


そして無事(ぶじ)退院した。あとはムチウチのリハビリとかで通院することになった。

二週間くらいして、警察からよびだしがあった。


横に乗っていた友達もだ。

警察の車に乗って、大学内に、再度、現場(げんば)検証(けんしょう)にむかう。

ぐしゃぐしゃの車は、ごみ置き場から少し離れた場所に移動していた。


いくつか事故のときの質問をうけて、

警察署にむかう。ひとりずつ、部屋に呼び出されて、取調(とりしら)べというのだろうか

その事故のときのことを詳しく質問された。


そこで、しばらくして、オレがこういった。

もしかすると、途中、車の運転を変わったかもしれないんですと。


やはりという雰囲気(ふんいき)になり、実は、捜査(そうさ)の結果、

血液型から運転席側の血痕が、オレのものではなく、友達のものだとわかったことが

伝えられた。


もし、運転席に乗っていたのがオレなら、衝突(しょうとつ)瞬間(しゅんかん)

互いに、体を交差するようにして、フロントガラスにぶつかったことになるが

それは不自然だということだった。


さらに詳しく取り調べをやり直した。


帰る間際(まぎわ)に、ひとりの警察官が、オレと友達のあいだにたち、

まぁ今回のことは、お互いにうらみにおもうことのないようにねと。いった。


(おどろ)いたのは、なにより今回のことで、免許の減点(げんてん)などはないということ。

どうなっているのか不思議で仕方ない。

飲酒運転で事故を起こしているのだから、当然減点などではすまないとおもっていた。


それに、この事故が計画されていたことだとすると、

あの彼は、友達に怪我までおわせたことになる。

そんなことあるだろうか?


どうやって、この友達はこんな役をひきうけたのだろう?


ここまでするほどオレがにくいんだろうか?

どう考えてもそこまで恨みを買った覚えは無い。


そうすると今回の起ったことはすべて偶然(ぐうぜん)か?

ここから考えが抜け出せない。


そうしていると、しばらくして教育(きょういく)実習(じっしゅう)がはじまった。

大学のカリキュラムのひとつで、

ある中学校に、教育実習生として一ヶ月ほどお世話になるというものだった。


オレも参加させてもらえるらしい。あんな事故をおこしたので、もう

ダメかと思っていた。運のよいことに顔もだいぶみれるように傷が治ってきた。


あの彼はそこにはいかない。グループの友達数人が一緒(いっしょ)だ。

なかには、運転をしていた友達、{呼び方をかえるとわかりにくくなるので、

一応そうよんでおくが、友達とは呼べないヤツだ。}も一緒である。


オレは、車を運転していたことやキーホルダーのことを

友達に問い()めてやりたかったが、教育実習が、

ものすごく忙しく、それどころではなかった。というより睡眠(すいみん)時間すらまともにと

れなかったのを覚えている。学校では、授業、その準備、反省会。生徒と一緒に時間をすごして

夜遅くに家に帰る。そのあと次の日の授業の準備。これがおわるのが夜中の三時くらい。次の日も

朝はやくから学校にいく。これの繰り返しだから。とにかくへとへとである。

あとから聞いた話だと、実習先の学校によっては、まったくラクだったそうだ。

なんか納得(なっとく)がいかないが、世の中そんなもんだ。

不平を言っていてもはじまらない。


とにかく頑張(がんば)るしかない。


そんなとき、授業の発表会ということで、各教科の中から、二人、選んで、

その二人が授業をするところを

(えら)い先生や大学の教授がたが、教室にこられて、

ご覧になり、評価をあたえるというものだった。


発表の一週間前くらいに、誰がこのふたりになるか決めるのだけど、

二回ある発表のうち、一度めは、先生役が、二人。前にたって

教える先生と、生徒の横に立って進行をサポートする先生。

二度めは、一人だけで、進行も生徒の横に立つのも両方をうけもつことになる。


オレは一度目のサポート役の先生を担当することになった。

めずらしく友達が、自分から、二度めの先生をやりたいといったからだ。


その友達は、あまり人前にたつのが得意(とくい)でなかったと思うので、

みんな不思議そうにしたが、やりたいというのだからまかせたらよい

という感じで、その場は決まった。


選ばれた先生役の人は、着々(ちゃくちゃく)とその日のために準備をしていく。

オレももちろん準備をする。

選ばれなかった人も準備の手伝いを行う。


一度目の授業がおこなわれ、大成功に終わった。


二度目の発表を明日に(ひか)えて、友達はとんでもないことをいいだす。

ぎりぎりになって、やっぱり人前に立つのは、いやだというのだ。


自分から言い出しておいてそれはない。


だが、そこにいる友達は、多くがあのグループの人間だったため、

多数決で他のだれがその先生役をやるか決めようとなかば強引に決めてしまい、

予想通りオレが選ばれた。


明日発表だというのに、なにも準備していない。

あわてて、準備を始めるオレ。


しかもこの友達のほとんどは、手伝えないということを言い出す。

なにか理由をいっていたが、ふてくされた態度(たいど)だった。

最初から手伝う気なんて無い。そういわんばかりである。

自分達でオレを選んでおいてそれはないだろう。

そういったが相手にされない。


一人でなんとかするしかなかった。


とにかく、他の授業もあるし、

とくべつなことをやっていたら間に合わない。

形だけでもきちんとして、なんとか普通に授業をできるように

しようと思い頑張(がんば)った。


発表のときがちかずいたそのとき。


運転していた友達が、オレにだけに聞こえるような声でこういった。


クロロホルムだよ。


いみがわからない。いきなり何をいいだすんだ?


その瞬間(しゅんかん)はっとした。


あの夜、運転を交代してすぐに、記憶が途切れたのは、

眠らされたのか。

クロロホルムをかがされた。そういうことを

コイツはいいたいのだ。


怒りがこみあげてきた。


やっぱりこいつら、計画していたんだ。


あれは、よく準備されたいじめだったんだ。


というよりもここで動揺(どうよう)しては、いけない。

おもうつぼだ。オレが授業をできなくするために

わざわざ今それをオレにつげたのだから。


だがしかし、授業はさんざんだった。

見に来られた先生方は、がっかりしていた。


生徒に(はげ)まされながら、なんとか授業を終えた。


それから場所を変えて、大喧嘩(おおげんか)。当然である。

クロロホルムってなんだ?

そう問い()める。

しらを切りとおされる。

だがそんなことお構いなしだ。

いままでたまった気持ちを大声でぶつけてやった。


お前が運転して事故がおこったんじゃないか!?

なぜ警察にだまっていたんだ。

キーホルダーはお前がオレのポケットに入れたんだろう。

車からひきずりだしたのだって、運転手がどちらか

わからなくするためだったんじゃないのか!!

そんなふうに、五分くらい怒鳴(どなり)り続けていたら


その場に居合わせた、他の友達に、おちつくようにいわれ、

なんとかおちついた。


とにかく嫌な気持ちだったが、なんとか他の授業もこなし。

その日は、終わった。


それからは、また忙しい日々なので、逆に助かった。

いやなことを考えずになんとか日々をすごしていく。


生徒とも楽しい思い出ができ。

先生らしいところも見せれたと思う。


教育実習の一ヶ月が無事に過ぎ、

しばらくして大学にもどる。


悔しいことはまちがいない。でもわざとやったという証拠(しょうこ)

どこにもない。


彼女を(うば)われ、車を失い、顔には大怪我。

おまけに、教育実習では、すっかりしてやられた。


全部最初から計画通りだったのだろうけど、

よくもまぁそんなことができるものだ。


ただのいじめとはおもえないし。悪質(あくしつ)陰湿(いんしつ)だ。

なにより執念(しゅうねん)深さを感じる。


事故だの警察だのと大掛(おおが)かりだし。


よくも車で事故をおこすなんて命がけかもしれないことを

やってのけたものだ。


あの彼がすべて指示しているのだろうか?

それともこのグループのなかのやつらが

数人で考えたことなのか。


気になるのは、ときおり彼の指示を必要としているような表情に、こいつらがなること。

こいつらは、自分では、オレに対する態度(たいど)を決められないようだ。

オレを油断させるのもいやがらせをするのも彼の指示が必要らしい。


となると彼が、やはり、あの事故を指示したことになるが、

指示されたからって自分の選手生命をだめにしてまでやれることだろうか。


そもそもはじまりから、こいつらに、なんといったのか。

こいつらは、どうやって彼に従うようになったのか。


それがもっとも不思議でならなかった。

彼は、まるで魔法のようにひとの心を動かす。

しかし自分からは、その場に出てこないし、危険もおかさない。

あとでなんとでもいいわけできそうなことしかしないし。

要所(ようしょ)で、なにか指示を与えているだけのような感じだった。


でもかならずその中心に彼がいるのだ。


オレには、大学で最も信頼していた遊び仲間が三人いた。

もちろん他にも信用できる人はたくさんいたけど、

特に一緒にいたのはこの三人だった。


三人ともひとのよい、決して、いじめのような汚いことに加担(かたん)しない

性格だったから、オレも安心していた。

そしてその三人を中心に、前のグループとはちがう、べつの仲間ができ、そこに

いることが多くなった。


彼と前、オレがいたグループのヤツラは、

その仲間のひとりひとりを順に取り込んでいった。


これもほんと不思議なんだけど、取り込まれていく理由が見当たらない。


取り込まれた人から、オレに対する、つきあいかたは、なんかぎこちなくなる。

いじめとかいやがらせとかはないんだけど、裏切(うらぎ)りというか

こちらが信じていると、大変な目にあうといった感じ。


あと、なぜかわかりやすく、オレに対する話言葉にとげがあった。


廊下(ろうか)や広場で、ヤツラが仲間を取り込もうとしているところを見かけるたび

確実(かくじつ)に、ひとり、またひとりと信用できなくなっていた。


それでも、三人がいたから、なんとか(こころ)(おだ)やかでいれた。


けれど、大学の最後の最後で、そのうちのひとりが、オレを裏切った。

というより、裏切らなくては仕方ない。そんな表情だった。


(さび)しかった。

もう悲しいとか感じれるほど、心に元気が無いオレは、ただそう感じ立ち尽くした。


きっとそれが、彼の計画したいじめの最後だったのだろう。


あの彼が、廊下のむこうで、グループのヤツラの少し後ろから、

こちらを見て、にやりとしていた。

口が大きく開いて、表情はまるで、悪魔のようだった。


あきらかな勝ち(ほこ)った顔。いまでも忘れられない。

これが彼の本当の顔なんだ。そう思った。


大学を卒業した。


けれど、いまだに彼がどのような手口で、人を従わせたのか、わからない。

いや、時間がたつと、このいじめが、本当はオレの勘違いだったんじゃないのか

とさへ思えてくる。


けれど、オレが失ったものは大きい。これは、間違いなく事実。


そして、偶然そんなことがかさなることは、確率から考えてもありえない。


でも、証拠(しょうこ)は無い。


いじめもここまで陰湿(いんしつ)になると手が出せない。

耐えることしかできないいじめ、たしかにそんなのもあるってこと。


オレからみんなに、アドバイスできるとしたら、不自然なタイミングで

近づいてくるヤツには、油断しないほうがいいということ。

そしていったん、そんなやつをグループに(かか)えてしまったら、

順調にものごとがすすんでいるときほど気をつけろ。

そいつは必ずなにかコトを起こすと思っていい。


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