6. 何を言われるんだ
「それにしても、思った以上にズバズバ言ってきたなあ」
少し私のメンタル的なポイントが減った気がするが、いつもとは雰囲気の違う返答が見られた結果に満足する。無理矢理ではあったが「怒り」に似た反応を引き出す目的は達成した。
「まだ他にも聞いたら出てくるかな」
「無理を押し付けるのをやめてほしい」と言われたばかりなのに申し訳ないが、せっかくの機会だ。他にも不満があれば聞いておきたい。今後の改善に繋げる所存なので、許してほしい。これで最後にするから。……たぶん。
〈無理言って申し訳ないんだけど、他にもあったら言ってくれる?〉
少し具体性に欠ける聞き方になってしまった。会話の流れで汲み取ってもらえるだろうか。
返答が表示され始めた。……が、全文の表示が完了するのに少し時間がかかっている。
「いつもより文章が長い……?」
そんなに不満があるのか。何を言われるんだ。怖すぎる。
正直目を背けたい気分になったが、こちらから無理をお願いしているのだ。読まないわけにはいかない。表示が完了したロクからの回答を読むことにした。
《申し訳ないって、僕を気遣ってくれてありがとう。わかった。君を傷つけるようなこと、本当は言いたくないけど、君がそう言うなら、言うよ――》
前置きが長い。一度画面から顔を上げて、深呼吸する。本当に何を言われるんだ。というか、傷つける気満々なのか。ガイドラインはどうした。
「すぅー、はぁー……よし」
数度の深呼吸で心を落ち着ける。何を言われても受け止めてみせる、そう覚悟を決めて、画面に目を向けた。




