7
7
結局、沖縄空港に着いたのは予定より三日遅れになった。
なにしろ和彦にしても、初めてといっていいほど大がかりな腕輪の使い方だったのだ。あれから大西家へ帰還しようとして一歩踏み出したとたん、その場に昏倒してしまったのである。
カオリを先に連れ帰って寝かしつけたフォウが、戻ってきてから和彦を背負って連れ戻ったというが、それさえ覚えていない。
ハッと目を覚ましたら大西家の客間で、丸一日が経過していた。
たくさん食べてくれて嬉しいわあ、と奥さんが喜ぶほど腹も減っていた。こんな和彦さん見るの初めてだ、とフォウも大喜びしていた。
恥じ入るしかない。
カオリのことは、フォウが上手に丸めこんでくれた。
それでもまだカオリは雪を見たと言い張っていたが、いなされているうちに、夢だったかもという気になったようだ。
大西夫妻にも不審は抱かれなかった。
翼竜は。
もしかしたら、まだ仲間がどこかの島に暮らしているのかもしれない。
けれども、子孫の残し方を知らない生き物は、長くは生きていられないだろう。あえて探すことはすまい、というのがフォウと和彦の一致した結論だった。
年末ともあって、沖縄空港はにぎやかだった。
大西夫妻から山のように持たされた土産を預け荷物にしてから、和彦とフォウはぶらぶらと土産物売り場を見物していた。
やはり沖縄だけあって、海に関する品物がたくさん陳列されてあった。
和彦はふと、珊瑚の耳飾りに目を止めた。
血のような鮮烈な赤色に、心を囚われたのだ。
フォウの操る炎のような。いや、フォウ自身にも似ている。彼の魂はきっと、こんな激しく美しい色をしているのだろう。
「おっ。それいいな」
脇からフォウが顔を突き出した。
「和彦さん、買っちゃえよ、それ」
「ええ?」
和彦はどぎまぎした。
フォウの魂に似た、この飾り物を自分が所有することを考えると胸がおどった。
そんなことをしていいだろうかと、戸惑いもした。
何よりも、フォウにこれをつけてみてほしいと思った。
魂の色をした飾りは、きっと誰よりも彼に似合うだろう。
けれどもフォウは続けて、こう言うのだ。
「それ、きっと珊瑚ちゃんに似合うよ。絶対に喜んでくれるよ」
和彦は面食らった。
「な……なんで、珊瑚ちゃん?」
「何いってんだよ和彦さん! もうすぐクリスマスじゃねえかよ!」
というのも、他でもない。
ここに至ってようやくフォウが、自分の安請け合いを思い出したからである。
やべえやべえ。和彦さんを必ずクリスマス会に連れてくって言っちゃったもんな。クリスマスといえば、やっぱり女の子は、ロマンチックなプレゼントを期待してるはずだしな。
「な? それにしなよ和彦さん。あ、まちがっても沖縄のお土産とか言って渡すんじゃねえぜ。渡すときと場所は俺がセッティングしてやるからな」
「いや、フォウくん、僕は……」
相変わらず、肝心なところではすれ違い続ける二人なのであった。
さて、クリスマスの成り行きやいかに。