3話 痛みのないいじめ。
全部出し切った頃はもう中学に入りたてだった。
命の次で血の繋がりより大切なパートナーをなくした僕は、元からあった心にある空っぽの穴はさらにぽっかりと大きくなり、全く満たされなくなった。
誰ともうまく話せず、笑うことも、何かに関心を持つこともなくなった。
だから無口で、無表情、無機質な僕は誰からも好印象を抱かれなくなった。
さらには生みの親で育ての親である両親と全く話さなくなった。
次第にいじめっ子に目をつけられるようになった。
抵抗することもない、親からは見離されている。そんな僕をいじめても誰からの助けがない事は猿でも分かること。
最初は上靴やカバンなんかを隠される程度だった。
いじめは黙っていればエスカレートするもの。便器を舐めさせられたり、女子の水着を更衣室から盗んできたりなんかは当然になった。
中学3年になってもいじめは続いた。
今度は誰かに使われた公衆便所の水を飲まされたり、ひたすら容赦なく顔を殴られたり。それでも僕は羞恥心がない。心の痛みもない。でも体の痛みはある。
とくに嫌な感情はなかった。ただ僕の心を何かで満たしたかった。
まったく満たされなかったが。
今の僕に生きてる価値はあるのだろうか。死にたくなる。リリのいない世界からいなくなってしまいたい。
ここまでは序章みたいな感じです。
ここから先は僕の好きなラノベみたいな感じになっていきます。