2話 永遠に。
あの日から3ヶ月後、リリは大きくなり、よく遊ぶようになった。瞳を開けれるようになって気づいたけど、リリの瞳って桃色なんだね。とっても綺麗。
それから1年後、1人前になったリリは僕の近くをよくいるようになった。
更に2年後、すっかり大人になったリリは彼氏も見つけず1人ぼっちな僕に付き添ってくれた。嬉しいけどそれじゃリリのためにならないから、僕が沢山の雄を見つけてあげた。分かってた通りリリはどんな雄も見ることすらしなかった。なんだか悲しいな、リリ。
ずっとそばにいたリリが突然いなくなったのは、リリを拾った日から5年が経った頃の事だ。
階段から足を滑らし頭を強打。あっけなかった。命はこんな簡単になくなってしまうのか。
たったの5年しか一緒にいることができなかった。
僕はリリにどんな事をしてあげられただろう。
無い。無い。何も無いじゃないか。
僕は最後にリリに言った言葉を思い返した。
「リリ、だいすき。ずっといっしょだよ?」
涙が止まらない。拭っても拭ってもどんどん溢れる。
リリと過ごした日々は僕の宝物だったのに。
いなくならないで、リリ。
もっと君といたい。
理不尽だ。理不尽だ。
このまま悲しみの涙で人々を隠してしまいそうなくらい沢山の涙が流れる。