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想起創造の魔法剣士(マジックフェンサー)  作者: 小椋鉄平
ナイルダルク編
79/97

よく分からない修行と接触

 それから悠人の新たなる師を迎え入れての(お願いはしてない)修行が始まった……と思われるのだけれど……。


「……まじでこんなんで強くなれるの?」


 悠人が呟く。


 今悠人がしているのは、ただラノベを寝そべって読んでるだけだった。しかも、当人の麻耶は用があるからと何処かへ行ってしまった。


 ……大量の悠人の地球での部屋から持ってきたというラノベを置いて。


 ふと、横目にアーニャを見ると真剣な様子で本の世界に埋没しているようであった。


 それはそれで悠人的にはハラハラした。まるで自分で書いた小説を目の前で読まれているような緊張感が悠人の中に芽生えていた。


(面白いと思ってくれているのだろうか? それともけしからんと思ってるのだろうか……?)


 いまいち集中できずに悠人もラノベに視線を落とすのであった。





 カツカツと音を立てて歩く。本来ならば招かれざる客なのであるが、本人は気にしてなどいない。


「ふーん、この城だけは変わってないわね……この国も不用心だわ。こっちに来てからあっちの世界の建造物はつくづく最高だと感じるわ。 ただ、立てるだけでなくその後のことまで考えて建てる……素晴らしいわ」


 麻耶はキョロキョロと辺りを見回しながらも確実に歩を進める。


「あら、この城だって負けていませんわ」


 足音を鳴らす事なく近づく艶やかな女性がいた。


「この城だって要塞のように出来ています。 万一、敵が攻め込んだとしても壁としてまた銃弾よけとしての機能を備えており、かつその砲撃に耐えられる魔法障壁を付術できるシステムを搭載しています」


 足を止めた麻耶におじける事なくゆっくりと近づく女性……。やがて城外からの光に照らされてその女性の顔がはっきりと麻耶の目に映った。


 光に照らされて見えた女性はアリスフィアだった。しかし、麻耶はこの女性が王だということを知らない。


「あなたは誰ですか? 見たところかなりの位に見えます。そう、言ってみれば王妃レベルのよう……」


「珍しいヒトもいるものですね。 まさか、私の名前をご存知ない方がいるなんて……この国で私を知らない方は自慢ではありませんがいないと思いますよ」


 アリスフィアは麻耶の質問に答えない。もちろんわざとだ。そして相手の出方を伺う。


「ということは王妃ですか? いや、こんなところで位の高い方にあえるなんて手間が省けて助かります」


 麻耶は目線をアリスフィアの方へ向ける。


(この顔は伝説のマーヤ様だわ……。しかし、私はあちらの世界に探索に行ったきり戻らず死亡扱いになっていたはず……。それも文献で見た事ですし、あのマーヤ様が生きてるなんてほぼほぼ不可能に近い確率だわ)


 アリスフィアは麻耶からは目線を外さずに考える。マーヤそっくりの女性に少々困惑しながらもアリスフィアにとってよく分からない者に変わりはなかった。


「失礼。自己紹介がまだでしたね。私は相馬麻耶です」


 麻耶の自己紹介により、アリスの頭の中で麻耶の位置がはっきりと決まった。


(マーヤ様じゃないとわかった今、異分子である事は確実です。 仕留めます)


「荒ぶる風よ!」


 アリスは【スクリュー】を麻耶に向かって唱える。


 この魔法によって風がアリスの方から麻耶の方に向かって強烈な風が吹いた。


「いきなりじゃありませんか? いくら、私が侵入したからといってすぐに敵と判断するのは!」


 麻耶はその風に負けないように壁を出現させた。その壁はアリスには見えない。


「その程度では防いだとは言えませんよ」


 アリスから吹き荒れる風は進行方向へと単純に進むのではなく確実に麻耶に向かって方向を調節して当たるように吹いていた。


 さらにその風はただの風邪ではなくヒトの皮膚を切る作用まで持つほど鋭利になっていた。並の魔法師では決してできることはない、研鑽を重ねた事がはっきりと分かる。


 その風が、麻耶の頬に亀裂を入れる。


 それでも麻耶は気にした様子ではなかった。


「私もこの国の元住人だから、汚したくはないのよね」


「っ!? これは……」


 麻耶の右手はアリスの首横にあった。悠人にやった時と同じように距離があるにも関わらず、麻耶の右手がアリスの首を狙っていた。


 アリスフィアは悔しがる表情を浮かべながらも魔法を解除した。


 魔法が解除されても麻耶は右手を戻す事なくアリスに近づく。


「あなたに聞きたいことは二つ。 今のヴィッフェルチアの現状と王の部屋の場所」


「そんなものを知ってどうなさるおつもりですか?」


 アリスにとって今の麻耶は明らかに敵と認識せざる終えなかった。


 麻耶も王の間に着くためにはなるべく犠牲は最小限、いやゼロにしたかった。けれどもこのようになってしまったのは自分の落ち度に他ならない。


「ただの好奇心よ。 私は外から来たの……だからなるべくこちらの裏を掴んでおきたいのよ!」


 麻耶が右手を振りかざした。


 麻耶の持つ片手剣がアリスの首へと近づく。


 その切っ先が今にも首に触れようかというところで……剣が静止した。


「え……」


 その声を発したのは麻耶だった。自分の中では完全に殺るつもりであったらしい。


 対するアリスは目を瞑っていた。ということはアリスフィアが仕組んだことではないと分かる。


 麻耶の視線はアリスの向こう側に焦点を合わせていた。


「ダメだよ、その人を傷つけては……。ましてや殺すなんて言語道断だ……」


 男性の声が響いた……。

いつも読んでくださってありがとうございます!


最近はバイトばかりですが、きちんと執筆の方もゆっくりでありますが進めております。


読まれた方はあの男はどんなやつかを予想しながら来週を楽しみしていただけると幸いですが、まぁ、だいたい分かるんじゃあないでしょうか?この展開はテンプレに近いものがあると思います。


ではでは〜


体重が増えてやばい


小椋鉄平

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