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想起創造の魔法剣士(マジックフェンサー)  作者: 小椋鉄平
ナイルダルク編
72/97

暗闇を照らす手段

 真っ暗な闇の中……。


 闇といってしまうのは少し安直な気もしないでもない。


 真っ暗といっても黒煙がもわっと周りを囲んでる訳ではなく、まるで画面の光っていない電子機器の中にいるようなそんな場所であった。


「ここは……どこなの? これも彼の技なの?」


 頭の中にある無数の魔法の中にこんな効果がある魔法は存在しなかった。


 故にサーシャは対処方法がよく分からなかった。


 それに何せ暗いのだ。ますますどうすればいいか分からない。


「フラッシュ」


 取り敢えずサーシャは光を灯してみた。


 もしかして周りが見えていないのかと思っての行動だった。


「え? 発動しない? フラッシュ!」


 もう一度唱えてみるが、光は現れない。


 サーシャはハッとなって、フラッシュを諦めた。


「ここには光の精霊がいないんだわ……」


 仕方なく、真っ暗な場所をどちらが前とも分からず進んでみた。


 歩く、歩く、歩く…………。


 どれだけ歩いただろうか……?


 真っ暗なせいでもはや距離さえつかむこともできない。


 振り向いても、前を向いた時と同じ景色が広がっている。いや、広がっているという表現すら可笑しいかもしれない。まるで、盲目のヒトがどういう視界で日々を過ごしているかの疑似体験をしているみたいであった。


 そんな風に考えるとサーシャは怖くなった。あの黒煙に触れた瞬間そんなようにしてしまう大掛かりな魔法にかかってしまったと考えると今この状況がとても深刻な状況に思えてきたからだ。


 このままではギースに簡単にやられてしまう。


 歩を進めながらもそんなシュミレーションが頭から離れず、恐怖感が一気に芽生えた。


 今この瞬間にもなにかしらの激痛でもだえ死ぬかもしれない。しかも、それがどうしてそのようになってしまったか、さえも分からずじまいで……。


(どうすればいいの………このなにもない空間で。 私はこれで終わりなの……?)


 考えた末に過去の記憶を遡ることにした。


 遡るのは魔法を使った時の記憶。 ほとんど魔法を教えてもらったのはお祖父様じいさまとだった。


「サーシャよ……。 お前は魔法の才に富んでいる。ワシのこともいとも容易く、飛び越えてしまうのだろう……」


「そんなことありませんわ、お祖父様。 私はまだまだお祖父様に遠く及びません。しかし、いつかお祖父様のように強く正しい魔法使いになりたく思います」


 当時のサーシャは魔法という希少なものに対して、アルベルトという貴重な大魔法師を独り占めしているのだから、これでモノにしなければ怒られものだろうと思いながら魔法を習得していった。


 ただの学校では教えられない大魔法でさえ、教えてもらえた。


 今日もその魔法の発動に成功した後のことであった。


「でも、この魔法はとても強力な魔法だ。 使い方には気をつけなければならない。 ましてや、成功すれば相手を意のままに操れる領域ドメイン魔法マジック……その中にいるヒト全てが操れる対象になる。 それ故に、仲間にそれをしてはならないし、領域ドメインの柔軟性もまだまだだ……。 だから、まだ円を広げるだけの領域ドメインのお前には容易に使ってはいけないよ」


 その記憶に私はハッとなった。これだと思った。


 この魔法は発動までに時間がかかりすぎてしまっている事と、発動する条件が厳しいので使えるというだけで、今まで改良してこなかったのだ。


 だが、今はどうだ。 条件が全て揃っている。


 サーシャは目を瞑った。全てこの魔法に集中する。


「アンタル・ベラ・ゴワズ・ドゥ・ラマス・アリーベル・サルタ・メラウト! 」


 サーシャは詠唱した。 暗闇の中で、この言葉は波紋のように一節一節木霊した。


 その木霊はまるで水滴を落とした時のように広がりながら、真っ暗な景色を直していった。


 サーシャの発動した領域ドメイン魔法マジックは通称意のままに操れる空間を作り出す魔法、として定義されているだけで魔法名は魔法読本にも載ってはいない。


 故にそれを操るごくわずかな魔術師はその魔法に命名した。


 サーシャは目を開く。


領域ドメイン魔法マジック、私の世界!」


 ギースがサーシャにとどめの一撃を食らわそうとする場面でサーシャはその魔法を使った。


「ふん!」


 ナイフを振り抜く。正真正銘の実体化ナイフを。


(因果応報に逆らい、私には当たらなくなる。かつ、あの黒煙の主導権を私に移譲)


 サーシャは頭の中でそうつぶやくだけだった。


 ギースの振り抜いたナイフが胸に今かと刺さりそうな瞬間………。


「ぐあっ⁉︎ ば、バカなぁ⁉︎」


 まるで磁石でもあるかのようにギース自体が抵抗を受けて見かけ上動かなくなってしまった。


いつも読んでいただきありがとうございます!


胃カメラってやばいんですね。めちゃくちゃ吐きたくなりながらも、口の中へ……。

ゲップとかもしないでとか言われた挙句、肩の力を抜いて〜と言われて(無理だろ……あがっ⁉︎)とてんわやんわでした。

次やるときには睡眠導入剤使おうと思います。


さて、いかがだったでしょうか? BGMとしてハラハラするような音楽が流れてくれれば幸いです。


今回でなんだかんだ回想シーンは終わるかなと思ってましたが思いの外進まないので、頑張ろうかなと思っております(あくまでも努力で……)。


では、次こそは終わらせたいなーと思いながらやります。


小椋鉄平

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