新たな出会いと状況
視界が開けた。目線の先には木目上の天井がある。
(ここは…)
とりあえず起きようと身体を傾けようとしたとき
「ッ‼︎」
俺の隣に少女がいた。まるで箱入りのお嬢様のような容姿であり、誰がなんと言おうとも美少女だろう。その容姿に見とれまいと首を横に振るがー
「〜〜〜〜‼︎」
ふと見てしまった彼女の下にふくよかな谷間が…(いかん、俺は紳士であるべきなんだ、こんなところで血迷ってはいけない!)
と言いつつも目をそらせない俺は、無理やり力強く目をつぶり、慎重に彼女から離れようとするが、彼女の手が俺の服の端にしっかりと掴まれていて離れなれない。
(まずい、このままでは!)
「ん、うーん…はぁー」
どうやら彼女が目を覚ましたようだ。俺は彼女と目を合わせないように反対側を向く。
「はぁー…あったかい」
彼女は俺に抱きつく。(おい、さすがにまずくないか?寝ぼけてるのかな)俺は身体をガチガチにさせてしまう。
「大丈夫よ〜わたしがここにいるから」
まだ俺が寝ていると思っているのかそんな言葉をかけてくる。(どうしよう、ますますややこしくなったな)
俺はわざと起きたような仕草をすることを想像してー、そのあとどうすればいいのか見当もつかない。(まず、こんな美少女が俺と一緒のベットにいることが問題なんだよ!)
さすがに挙動が怪しまれたようだ。彼女が俺の顔の方に回り込んだ。
「あっもう起きてたんだ」
「いや、これは、その…決して俺はあなたに対して何もしてませんよ!ええ、決して、神に誓ってもいい」
「なんのこと?」
「いや、なんというか……実は俺もよくわかってなくて……、ベットで隣に女の子がいるなんて……」
それでやっと気づいたようだが、その人は特に気にしてないようだ。それどころか、何か悪だくみに気づいたような目で俺を見る。
「あ、ひょっとしてなんか邪なことでも考えてました〜?」
「それは……その……か、考えてなくもなかったーですけど……で、でも決して実行に移すなどということはやってません!」
「そうですか、まぁいいですけど、……」
なんか不機嫌になったが、なんかしたかな?
なぜか、その人は独り言をブツブツ言っている。なんか、「既成事実」とか聞こえてきたような気もするけど……、気のせいだと思おう。
「改めて、ようこそわたしたちのこの『ウィンガル大陸』ヘ、そしてこの場所、ウィンガル大陸にあるこの『ヴィッフェルチア』があなたのいる国です。あなたは、我々を救ってくださる者として裏の世界『タリス』からやってきた者と伺っております。」
「まぁ、俺が救世主かどうかは別にして…、あなたは?」
よく見るとこの子はより人間に近い格好をしているが……、あれは耳なのだろうか、時折小刻みに動いている。
「あっ、申し遅れました、わたしはアーニャ・ストラータと申します。あなたのことはセバスから伺っております。なんとも、人間なのに魔力量がとてつもなくあると……」
「あっ、そうなんだよ。なんか、増幅器を持った瞬間になんか力が急に抜けるような感じになって、気づいたら俺の周りにでっかいクレーターができててさー、ってどうかした?」
なぜか、アーニャは肩を震わせていた。するといきなり俺に向けて目をキラキラさせて
「素晴らしいです!そこまでの魔力なんて想像以上です!素敵です!これが知れたら他の女どもが黙っちゃいませんね、ブツブツ」
「それであの……、なんで俺のベットの隣にいたの?」
「はぁー…セバスさんからも聞かされていたことですがやっぱりなのですね〜」
と、とても残念そうにしていたかと思えば、急にまた悪だくみのような顔をして
「実は〜わたしと悠人は恋人同士だったのですよ〜、もう愛を誓い合った仲なんですよ〜、それを忘れるなんて〜、わたし、とてもショックですぅ〜」
「なんかめっちゃ信じられねぇー」
「ブーブー、そんなにわたし、魅力ないですかー?」
「いや、まぁ…そんなことないけど…」
「ならぁ…いいじゃないですかぁー、ちゃんと覚悟はできてますから!さぁ!」
この少女の積極的ぶりに、周りから見れば泣いて喜びそうなシチュエーションだが、あまりのアピールっぷりに少し引いている。
「……、まぁ、この話は終わりだ」
「んもぅ悠人のいけずぅー」
そんな顔されるとなんか少し罪悪感に苛まれる。だが、それを理性で振り切る。
「……それよりもこれから俺はどうすればいいんだ?敵とかわからないし、第一戦う方法もろくに知らないしできないぞ。なんか、本当に魔法量だけでいいのかよ」
「はい、それでは順を追って説明します。まず敵なんですが、人だけではありません、実はこの世界には魔物も存在します。魔物との縄張りと線引きされていますが、最近、異様に魔物の活発化が見られまして、すでに廃村に追い込まれたところもあるそうです。」
「マジかよ……」
俺は信じられないといった表情を見せる。
「ですから、あなたにはまず知名度を上げてもらいます。そのために魔法学校に通ってもらいます!」
アーニャはどうだと言わんばかりの顔で俺にアピールしていた。いや、俺にそんな顔されても……、まぁ、そんな顔も可愛いと思えてしまう。だが、あることに思い出した。
「それはもうもうわかってますよ。でも、もう元の場所にはしばらく戻れないんですよねー。」
俺は驚きと呆れで動けなくなっていた。
まだまだ、先はいくらでもありますのでどんどん書いていくつもりです。
心配なのは文章の読みやすさについて聞いてみたいのですが、ご意見をよろしくお願いします。
その他の意見もどんなものでも真摯に受け止めますのでなんでも書いて下さい。
では