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想起創造の魔法剣士(マジックフェンサー)  作者: 小椋鉄平
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15/97

新事実、アーニャ編

 …先生が帰って、ふと気付いたが…


「その条件は飲んでも意味なくね?」


 そう、俺は今すぐ、ラネイシャに勝てるような“力”が欲しかったはずなのに、先生の固有魔法(オリジナル)を教えてもらえるのはいい方からして、ラネイシャに買った後、それでは強くなれる方向がズレてる。


 俺は演習場の真ん中で四つん這いになってしまう。


(ふっ、遠くから見ればとても哀れに思えるんだろうな…)


 地面を見ながら薄ら笑いをするしかなかった。



 その時にはもうすでに夕日が傾いてしまっていた。


 肩を落として帰ることにする。

 しょんぼりしながら帰る道…校門に近くとまた誰かが立っている。


(ローレラだろうか…)


 と思ったが、着てる服が制服ではないので違うとすぐにわかる。


(それに、着てて恥ずかしく無いのかと思ってしまうようなあのコスプレのような格好は………)


 予想が当たった。もう少し校門まで距離を縮めると俺の事に気付いたのか大きく手を振ってくれる。


(あいつか………)


 特に、“彼女”を嫌っているわけではないが、少し扱いが苦手だ。


「よう、どうしたんだこんなところで?」


 大きく手を振るくらいなのだから、当然俺に用があったのだろう。

「歩きながら話そう」と、付け加えて一緒に校門を出る。


 歩き始めたところで話を促すべく、アーニャに話しかける。


「それで、今日はどうしたんだ。お前にしては珍しいだろう」


 アーニャが校門にいるのは珍しい。普通ならあそこにはローレラと会う事が殆どだ。


「私が会いたい時に会いに来てはいけないのですか?」


 言い返されて、「それはそうだが…」としか言い返せなかった。

 それで会話が終わってしまって、俺は横に並んで黙り込んで歩いてしまう。アーニャは何が楽しいのかわからないが鼻歌を歌いながら、とても嬉しそうに歩いている。


 ちなみにアーニャは他の人には見えてないので、普通なら注意しなければならないのだが…。


(今は大丈夫そうだな)

 周りをキョロキョロと伺うが誰も見当たらない。俺としてはもう慣れたことだが、この人たちはまるで江戸時代のような生活様式で暗くなるとすぐに家に帰る傾向があり、この時間には殆ど人は見当たらない。

 だが、江戸時代のように電気が無いわけではない。ちゃんと電気はあるのだが、魔力精製によるものなので、公共の場所にまで電気をつける余裕はない。


 前もあった通り、俺には、魔力制御がうまくできないので、家事や電気をつけること、ガスでさえつける事は出来ない。普通なら厄介な奴である。

 だが、『厚生荘』的には俺はいてほしい存在らしい。


 聞いてみたところ、金を工面してくれているらしい。厚生荘に…。


 俺が想像できる金を工面してくれている人物は1人しか思いつかないが…まぁ、良いんでないとそこに関しては楽観的に処理してる。


(アーニャが全く話してくれないな…)


 先ほどの会話からかなり時間が経つが…何も話してくれない。

 俺にくっついて恍惚とした目でいるだけだ。俺的には別に懐かれることもは嫌いではないので、無理に解いたりしない。


(話しやすい雰囲気を作るべきだ、ここは…)


 と、俺は自分の中でタメを作り、


「今日も星がき、綺麗だなぁ…」


 噛んでしまったことを心の中で悔やむ。


「そうですね…この時期は特に空が明るいことが多いので、星を見れる機会が多くて…つい見落としがちになるのですけど、ふと見上げると、こんなにも綺麗なものが広がっていて…ここはとても素晴らしい場所だなと感じます……」


「そうだなぁ、俺の昔いた場所はこんなにも星が見えなかったからなぁ…」


 2人、立ち止まって空を見上げる。

 ふと、アーニャのほうを向く。アーニャは顔ではとても嬉しそうだが、


 俺にはとても悲しそうに感じた。


 そこでアーニャの手を握る。


「え」


「なぁ…俺とお前は対等だと言ったはずだ。だから遠慮するな、俺に出来ることなら協力したい…」


「私は、“人工精霊”です」


「ああ、それがなんだ。学園の奴らもそうだけど、それがなんなんだ、見た目は普通の女の子だ。それで十分だよ」


 アーニャは「はい…」と言って、握り返してくれる。


 俺は「さぁ、行こうか」言って歩き出す。


 ……………厚生荘が視界に入ってきた頃にアーニャが「帰ったら、ちゃんと話します」と言ってくれたので俺は「分かった」とだけ言って、厚生荘まで手をつないだまま帰った。


 ご飯を貰って、風呂に入る。

 体を洗う。


「それにしても、アーニャは何言うつもりなのだろう?」


 風呂に入りながらふと考えてしまう。


「ここまで引っ張っておいて実はなんでもなかった……なんてことないよな…」


 思わず声に出てしまう。風呂が大きいのに1人しかいないので、思い切り喋られる。


 でも、1人だとかは限らない。いつ誰かが入ってくるかは分からないので、本当にヤバイ話は決して出さない。



(そろそろ行くか)



 と風呂を出ようとする。

(ん?)


 風呂と入り口とを繋ぐ脱衣所から影が写っている。

 時間的には殆ど誰もいない時間帯だ。


(まぁ、だからと言ってラッキースケベなことが起こるわけじゃない)


 普通に脱衣場に戻ろうとする。


「ひっ!」


 如何にも女の子の高い声が聞こえる。


「えっ、ごめんなさい!」


 反射的に謝ってしまう。

(くそ!こういうことには出来るだけ関わらないようにしてたのに…)


 幸いなのは、脱衣所が比較的広く女の声の人がまだ見えないことだ。


 俺はすぐさま、自分の服が置いてある場所へと向かうが…


「うわっ!」


 何かにぶつかるようにして吹っ飛ばされる。


「いつつ…」


 俺の服を置いた場所は風呂場からは見えない。

 そこに向かう曲がり角で何かにぶつかった筈だ。


「…」


 何もなかった。

(ということは……魔法障壁?)


「おい、大丈夫か⁉︎」


 俺はこう考えた。


(こんなところに魔法を使用するということは、何かこの厚生荘が危険になるような事件が起きて、俺を守るためにこの魔法障壁を……)


「もう俺はいいから、この障壁を解除しろ!」

「嫌です!」


 またも女性の声が返ってくる。通常、魔法障壁は声でさえも遮るはずなのだが…。


(あまり得意ではないのか?だとしたらこんなに持続させるのはまずい)


「早く解除しろ!お前がもたないぞ!」

「絶対〜〜むりですぅ〜!」


 だが、魔法障壁はだんだんと崩れかけている。


(これなら……)


 俺は手に“力”を込める。そして手をグーに握るのではなく、手刀の形にして振りかざす。

 まるで、腕の位置はサイドスローにして最後のスローでスナップさせる。

 障壁に亀裂が走る。


 そこから中に入り、入り口に急ぐがー。


(少し遅かったか……)


 入り口には暖簾(のれん)の裏側が見えるだけで、何も無かった。


 俺は振り向き、人の声がした俺の服が置いてある方へ向かう。


「は?」


 俺は目を疑った。

(だって…小さい子…だもん……)

 すごく小さい子が俺のパンツを…。

(そういう子なのか。そういう子なんですかこの子は⁉︎)

 だが、よく見るとパンツに埋もれてるようにも見える。俺はパンツを取ってみる。


「けほっけほっ、はぁ…はぁっ…」


 まるで窒息を免れたような息切れの仕方だった。

(ファンタジー世界だもんな猫耳とか居るもんな……こういうのも不思議じゃあ無いよな…)


「どうだ…落ち着いたか……?」


 余りにも小さいので、歳が分からないが…普通に接することにする。

 だが、何よりもの第一声は…


「はやく、服を着ローー‼︎」


 だった。


 俺は、「おおう…」と言っていそいそと着替える。

(小人でもあるんだな…そういうの…)


「もうよい…」


 小人は俺が着替えたところで、声を出した。


「それで、お前は?」


 純粋に聞いたつもりだったが…逆には?といった反応をされる。


「見てわからんか、小人だろ、どう見ても」

「いや、それはそうなんだが…じゃあなんで小人さんのあなたがここにいたのですか?」

「もちろん!風呂掃除じゃよ」


 と胸を張って、言ってるが…何故小さいので迫力が無い。


「あ、そうですか…ご苦労様でーす」


 と言って、去ろうとする。


「待て待て、それだけでは無い。お前の監視も仕事だ」

「は、俺の監視?」


(見られていたのか?)


「ああ、と言っても風呂限定だが…」

「なんで?」

「お前が男子だからだ」


 その言葉だけで何と無く意味を理解した。


「はいはーい。重ねてご苦労様でーす。言っておくが、そんなことできねぇって事はさっきので分かったし、そもそもするつもり無いんで。それじゃ」


 と言って再び去ろうとする。


「だから待て待て!」と俺の肩に乗ってくる。


(お、さっきよりも聞こえやすい)


 そう小人故に聞こえづらい。


「それと…お前は自覚してないようだから言っておくが……いや、勝手に話して良いのだろうか…………?」


「勿体振るんじゃねぇ……」


 俺がそういうと、小人ちゃんは「そうだな…」と少し間をおいて息を吸って、


「お前の精霊、このままだと死ぬぞ」

「な…んだと……」


 俺は詳しく聞き出すため、よく聞こえるように小人と真正面に向かい合うようにする。具体的には脱衣所の棚の上に乗せただけだが…。


「精霊は契約する相手を選ぶ。なぜだか分かるか?」

「いや、全く…」


 そう答えるとその小人は頭を抱える。


「あのな、お前の契約した精霊が馬鹿なのか、それともお前が馬鹿なのか⁉︎」

「今はそんなことどうでもいい…」


 続きを促す。


「精霊は魔力供給、それ自体が食事だからだ」

「じゃあ契約していないのはなんで大丈夫なんだ?」


 すかさず俺が反論に近い質問を投げる。ここには契約していない精霊だっているはずだと思ったからだ。


「魔力が貰えなければ当然死ぬぞー」

「じゃあ、契約していない奴はどうやって生きてんだよ?」

「人間からだ」

「は?それは契約してないのにか?」


 まだ全然事態が飲み込めていないが、取り敢えず情報を聞き出そうとする。少し、焦りでイライラしてる感があるが…気にしても仕方が無い。


「お前、留年するぞ。…まぁいい、精霊は本来見ることは出来ない。精霊群体や大精霊なら話は別だが…」


 俺は目で話を続けるよう促す。


「…精霊との魔力を対価に魔法を発動させるというのが、今の説だ。どんな世の中でも、等価交換は当たり前だ。さらに…」


 と言って一拍置いてから再び口を開く。


「契約を交わすことで、特定の精霊といつでもその等価交換が出来る。…というのが契約するメリットだ」

「聞く限り、それでアーニャが死ぬなんてこととは結びつかないと思うが…」


 今の話ではどう考えても精霊が死ぬことは無い。


「デメリットは精霊がそいつ専属になる事だ。だからこそ精霊が契約するのは大魔法を使えるような奴と契約しようとする」

「じゃあ……」

「お前は何を学んでいたんだって感じだな。知らないでよく学生やってたよな…。精霊からしてみれば、(おおやけ)で浮気されてたんだからな」


(そんな事……)

 さらに畳み掛けるように小人ちゃんは口を開く。


「だから、催促されてただろ?………『使役して』って」


 すぐに部屋に向かうべく歩き出す。だが…ふと立ち止まって振り返る。


「ありがとう。教えてくれて…それとイライラしてて悪かった」


 これが礼儀だと、言い放ち脱衣所を出る。


「…間に合うといいな……後で言えばいいや。また来るだろうし…」


 その小人が光り、その場所から人間が現れる。


「さて、私の番はいつかなー相馬悠人さま」


 彼女はだんだんと透けて消えていってしまう。



 部屋に着いた俺は真っ先にノブを回して入る。


「アーニャ、いるか⁉︎」

「はい?」


 アーニャが俺の声に振り向く。当のアーニャは突然俺が帰ってきたので、少し驚いている様子だ。


「アーニャ、話があるんだ」


 こんな時にどもるなんて事はしない。緊急故にそんな恥ずかしさですら頭から吹っ飛ぶ。アーニャはこれまた俺の行動に要領が得られないといった様子であった。


「な、…なんでしょうか?」


 最初でさえ驚いていたアーニャだが、俺の真剣さに気づいて冷静さを取り戻す。

 俺はアーニャの肩に手を置き、


「アーニャ、ごめんよ。今までそんな辛い思いさせて………苦しかっただろう?」

「バレてしまったのですね…ダメですね。主に不安を抱かせるなんて…従者失格ですね」


 少し、アーニャが肩を落としてそう言う。


「そんな事はどうでも良い。…さぁ、どんな魔法を使ったら良い?」


 俺が焦った風に聞く。

(精霊が消えるのは文字通りだろうから、その兆候でさえ無いはずだ。早くしなければ…)


「さっきも言いましたけど…私は“人工精霊”です。もっと言うと、人工的につくった精霊はある意味欠陥なんです。何せ“人工”なのですから」

「………」


 何と無く想像がつく。

(おそらく、アーニャはヒトが有利になるような精霊としてつくられたものなんだ)


「精霊は等価交換をして魔力を得ている。これは本当です。ただし、それは相手によります」

「それはどういう事だ?」

「大精霊クラスを相手にするとなると普通のヒトの魔力量では釣り合わない。だからこそ、ヒトは複数人で魔法を発動する。つまり、一対一の対等ではなくなるわけですね…」


 俺は続きを促すように黙っている。さっきからそんな事ばっかりだ。

(だが、少しずつそういう現実にでさえも知っていかなきゃな)


「それをなんとかして対等にしようとしたのが私です。例えて言えば、食事制限させて精霊側の要求する魔力量を減らす、とかですね。そうする事である意味等価交換が出来るでしょう。でも、………」

「でも、なんだよ?」


 俺は知りたいと意思表示する。

 アーニャは意を決して、口を開く。


「それはあくまでもヒトから見た考えでしょう。精霊側からすれば不平等極まりないんです。それゆえ、何万と精霊が死にました…最初は純粋な精霊を使ってたんです。………今言ったことを『飼い慣らす』感じでしてやる事で…しかし、…分かるでしょうこの後の末路が…」


 アーニャはそこからは言いたく無いといった感じであった。


「それならと、つくられた私達はもう既に要求出来る魔力量が設定されていました。さらに…私達は元は“人間”だったんです」

「‼︎」


 アーニャは続ける。


「元は魔法が使う事のできないただの人間…それを遺伝子変換によって…精霊として生まれてくるように変換されました。それ故に体はヒトでありながら私を認知してくれるヒトはいない………そんな時です。貴方に出会ったのは…」

「仲間の奴らは居なかったのか?ほら、同じ境遇の人たちとか…」


 アーニャはただ首を振る。


「私だけなんです。唯一、今まで生きて入られたのは…」


 それだけを言う。俺は下を向いて「そうか…」と何の励ましの言葉も言えなかった。


「でも、貴方も同じだと言ってくれました。私を苦しい実験から救ってくださいました。私にとって貴方はどれだけ頑張っても返しきれない恩をくれた方です!」


「ええと……………………」


 などと俺の武勇伝を雄弁に語ってくれる。今の俺からは想像などまるで出来ない話ばかり、そればかりか、当時の俺は少し『ませていて』かつ『厨二病』が混ざっていたので、かなり言動がやばかった事がわかる。


「それで、私がいた研究所は破壊されて、ここに預けられました。厚生荘は貴方が国を問わず、各地から集めたいわゆる福祉施設ですね。そして、私がその第1号でした。えっへん!」


 妙に胸を張って偉そうに見せているが、俺はこの状況で馬鹿笑いできる甲斐性は持ち合わせてなかった。

 故に苦笑いになってしまう。


「でもでもですね〜ただ闇雲に慈善事業をやってたわけではなくてですね〜ちゃんと軍団を作ってたんですよあ・な・た・は」


 アーニャはおどけてくれる。

 俺は「へぇ〜」としか返せない。自分の口下手さに嫌になる。


「この厚生荘は寮であるのと同時に1つの団体なんですよー。ここから優秀な人を出してより良い世界を…なんて感じです。それでできたのが、この国なんですよ。まだ新しいんですよここは」

「でも、あんまり知られていない感じだったが…?」

「それは最近学園でのうちからの生徒の成績が芳しく無いからです。良くて、ローレラさんくらいです。しかも、そういう人を集めたところだとは周知の事ですから、そういう目で見られるのも1つの要因です。さらにはそういう活動を良しとしない者がいるらしく、厚生荘を潰しにかかる運動も裏ではあるようです」


 俺はアーニャのここの情報に感心する。


「お前スゲェじゃん! 何、スパイでもやってんの?」


 俺は純粋に聞いただけだが、「いえ、風の噂です」とそっぽを向いて言われる。


(まぁ、誰にも言えないか…)

 方便な事はよくわかったが、アーニャは今後俺がいろいろ行動を起こすのに便利だ。そばに置いておいて損は無い。


「じゃあ、早速魔法を使いたいんだけど…」


 俺はここらで本題に戻す。なんか元気そうなんだが…という事は心で思うだけで留めておく。


「はい、お願いします」


 と言って目を瞑る。


「は!?」


 俺はかなり驚いた。

 まさか使役ってこういう事なのかとも思った。


「ええ、キスですよーへへへ」

「あ、なんか嘘っぽい」


 俺がそう言うと、


「そそそ、そんなわけ無いじゃ無いですかぁ〜ふふふ」


 と、ソワソワしだしたので、普通に魔法を出すみたいに、しようとするが、


「そそそ、それは浮気ですよ! やめて下さいよー、私を捨てないでくださいー!」


 俺の服をつかんで懇願してくる。めちゃくちゃ目を潤ませて。


「はいはい、わ、わかったから! 少し離れろ」


 そう言って、引き剥がす。


「で、どうすりゃいい?」

「いえ、…本当に魔力供給ならキスとか…え、エッチとか、そっちの方が私は効率いいんですけど…」


 と上目遣いに行ってくるが、そんな事できるわけが無い。(てか、あなた精霊ですよね⁉︎)


「じゃあ、手に魔力を集めて下さい」


 俺は言われた通りに右手を揃えて、魔力が集まるようにする。

 その手をアーニャは掴み、自分の胸に俺の手を置く。


「お、おい⁉︎」


 反射的にそう言うが、アーニャの真剣そうな顔を見て止める。


「では、放出してください」

「お、おう」


 俺は貯めてある魔力を放つ。


「あっ!んっ………」


 と、アーニャが艶かしい声を放つ。

 少し、動揺するが何とか持ちこたえて、魔力を放出し続ける。


「こ、………これで、大丈夫です」


 放出し続けて、10分ほどでアーニャはいいと言ってくるので、


「無理して無いか?」と聞くと、アーニャは「そんなに貰ったらおかしくなっちゃいますぅー」とおどけて見せるので、少しは安心した。


「でも、これで晴れて貴方と同等ですよ」

「どういう事だ?………」


 と、言ったところで気づいた。


「アーニャを包んでいた淡いオーラが消えた………という事は?」

「ええ、私、一時的ですが…ヒトになりました」

「はぁ……」


 まだ、実感が湧かないせいか、あまり素直に喜べない俺がいた。































いつも読んで頂いてありがとうございます。

と言っても、一旦をきる形でこの話を投稿する事にします。


宣言しといて何ですが、どうか宜しくお願いします。


次は決闘です!

もったいぶって、すみませんが必ずです。


小椋鉄平

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