不思議な現象と正体不明のヤツ
高校生になった俺は普通に過ごせればいいと思っていた。ただ友達とだべったり、たまにはマジメに勉強したりして…、まぁ中学時代の俺が酷すぎたんだけど…。
だからこそ中学時代の奴らと同じにならないように知名度が低い学校を選んだわけだが……
「はぁー…。」
俺は心の底からため息をつく。
何せ一番来て欲しくないヤツが俺と同じ学校に通ってるからだ。
「やっほー、なんか元気ないなー、ゆうと〜」
そう言って、俺の背中を叩く。
「いつも通りですけどー。」
「いやいや、俺はわかるよー。悠人の今の気分。」
「そうですかー。わかるなら察してください。」
「いやいや、中学からある意味ぼっちだったお前に話しかけてるんだぜ、少しはありがたみを感じて欲しいなー。」
「それは脅しか?」
俺は中学時代3年間同じだった男子生徒を軽く睨む。
「いやだなー、それはいくらなんでも察しすぎじゃあないかなー。俺もそこまでは考えてないよ。」
「そうか。ならいい。」
そう言って俺は教室にそそくさと向かう。
「おい待てよー。」
後ろから隆がついてくる。(お前のクラスは反対からのほうがはえーだろーが!)
そう言いながらも、なんとなく知られたくないところを広めないところはなんともありがたいと思ってるのでそいつを無下に扱えない。
そして、授業を普通にこなしてHRが終わったときに先生から呼び止められて
「おい、相馬ー。ちょっと手伝えやー。」
「えー、めんどいのはちょっとー。」
「ぐずぐず言うな。なんも部活入ってなくて家帰ってもどうせヒマしてるだけなんだろー。だったら時間にも余裕があるだろう。」
「はぁー。わかりましたよ。」
***
今日は久々に頭が疲れた気分だなー。
あれからいろいろ手伝わされたのだった。何かって?
いやそれが電気の取り換えとか、雑用ならまだしも先生の愚痴を永遠と言えるほど聞かされる手伝いってのはどうかと思うんだけどねー。
って思いながら帰り道を歩いている。いつもならば夕日がまだあるうちにここを歩いているのだが、今日はもうすっかり暗くなっていて、その道はある種の静寂を醸し出していた。
(なんか、夜の道ってのは少し不気味だな。)
そう思いながら、歩いていると俺は違和感に気付いた。
(さっきも同じところを通らなかったか?)
俺はさらに不気味に思った。そして、背中を狙われているような気がしてバッと振り向く。
何もなく道が続いている。
ふとそこに人影らしき者が薄っすらと輪郭だけが出ていたように見えた。
その瞬間声も聞こえた。
「ほう、私を感じることができるのですか。増幅機なしで私を感じられる人間は初めてみましたよ。やっぱりすごいですね。」
「なんだお前は⁉︎」
「そうだなー。まぁ強いて言えば迎えの者、とでも言えばいいんですかね。でもそれもあなた次第ですね。『私たち』とともに来るかは。」
「さっき『私たち』って言ったよな?今喋ってるやつ以外にもまだいるのか?」
俺は途端に胡散臭さを感じ、身構える。
「これは失礼しました。言い方を間違えました。今は私一人ですが、私が言いたかったのは『私たち』とともに歩いてくれるかということです。」
俺はこの不穏な雰囲気に流されまいと考えを巡らせていた。とりあえず俺が殺されないとわかったのは収穫かなと思いながら男っぽい声のやつに向けて声を放つ。
「幾つか質問がある」
「どうぞ」
「俺がなぜ選ばれたのか?人間なら俺の周りにたくさんいるはずだ。だとすれば、俺に他の人間にない何かがあると思うのが妥当だが、皆目検討もつかない」
「まぁ実際見てみるほうが早いでしょう」
おぼろげの影は黙り込むと、急に当たりが真っ白な空間になった。そしてその影の正体があらわになった。
「‼︎」
ど素人です。
サイクルとしては、一週間をめどにどんどん投稿してみようかなと思っています。
自由に書いているので疑問点や意見、感想などありましたらどしどし書いてもらえるとありがたいです。