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テンプレートについてのメモ

はじめに



今回は書き下ろしで、テンプレートという言葉をキーワードにしてあれこれ鳥瞰的に見て回ってみようと思います。


このテンプレートは最近のサブカルの論点になるかもしれないと思ったから書いてみました。



(1)「小説家なろう」におけるテンプレート



ここの「なろう」にはテンプレートファンタジーなるものが溢れております。


テンプレート、日本語で言うところの雛形ですね。


あらかじめ定型があって、そこに自分なりの設定や展開をやっていくわけですね。


テンプレートがあると、世界観やお話の説明が早いし、読者も分かりやすいという利点もあります。


ただ、どれも雛形を用いると、同じような見かけになってしまいますが、ログホライズンとか面白い物もある。


それから、まあ、それに対して、ここでは、いろいろな意見があるのを知りました。


それらの意見の主張する過度なテンプレ化の弊害や危機感には、ある程度、共感しましたが。


テンプレートについてはここだけの問題かなとも思いました。



(2)テンプレートの背後にあるもの



それから、ここんとこブログで、キャラクター小説とは何かとか、色々考えようと思って準備していまして、テンプレートについてこれは大きい事だなと思い直すようになりました。


キャラクター小説とは、キャラクターが主体となり、どちらかというとストーリーよりもキャラクターが先行して話が進む小説の事ですね


ライトノベルのほとんどはこの形式でしょう。


これはどこからきたのでしょう?TRPGか、コミックか、まあ、それはいつか考えます・・・ ・・・。


それはさておき、ああでもないと寝転がって考えているとそう言えば、キャラクター自体が、ふとテンプレートだなと思いました。


子どもの頃からライトノベル読んできたけど、最近のライトノベルはずいぶん雛形化が進んでいるんですね。


ベタだけど、ツンデレは金髪で二つ括りとか、お嬢様だとか、テンプレートのキャラクターが溢れている。


性格も似たり寄ったりで、それに伴ってか、なんか小説の展開もずいぶん雛形になってきている。


じゃあ、雛形はどうやったら成立していくんだろうと、まとめてみたくなる。


たぶん、あるコミュニケーションの成立なんだと思う。これらはライトノベルよりも、漫画の方で出来て行ったと思いますね。


だって、マンガの絵自体がテンプレートなんですからね。


なんだかんだ、ライトノベルはマンガの影響の強い文芸なんですよね。


一般向けにライトノベルを定義する文章の中に漫画絵がついてくると書いてあるけど、


それはそうですけど、実は付いて来るんじゃなくて必須なんですよ。もっと深いところで結びついていて、


漫画とゲームと文芸が交わって出来たものだという方がしっくりときます。


脱線したけど、コミュニケーションが成立する過程です。


まず、ヒット作とか昔の有名作品で良いキャラが出来る。


その外見や性格を見て、みんなが良く思う。


そこでキャラクターのコミュニケーションが起こり、こういうキャラはこうだみたいなものが出来ていく。


再生産され、形の無いバンクみたいなところに記憶される。


そのクラウドみたいなところからみんな引っ張り出して書く、


読者も同業者も良いと思う。


そして、皆で利用して、強化され、再生、強化で循環再生産されて雛形になるじゃないかなあと思います。


雛形は昔からあったじゃないか?という意見もある。


仰るとおり、ただ、ここまで存在感が大きくなったのは近頃だとかやまは思います。


これは社会の情報化と関係があると思います。


知識が様々な情報機器の発達のお陰で、誰でも瞬時に共有されるようになったし、


コミュニケーションのあり方も、スピードも早くなったことも関係していると思います。


それに、嫌な言い方かもしれないけど、借りてきた方が確実だし、楽なんですね。


枠組み作りなんて地味だし、つまんないんだよね。


かやまは好きですけどね。


大抵の人は、はやくエピソードを書きたいし、読みたいんだとおもいます。


後は、あちこちで言われているように、出尽くしてしまったんですよね。


こんなこと言うと、怒られるけど、


そうそう、オリジナルの凄いイメージやキャラクターなんてみつかりません。


ただ、パクリで済ますにしても、限度はあると思いますけどね。


でも、著作権の定義も時間がたったらそうとう変わるかもしれないですね。


これはちょっと別の問題ですけどね。



(3)雛形化の良し悪し



テンプレートのじゃあ良し悪しってなんだという事になります。


まず、利点からあげます。


上で書いたけど、


世界観やお話の説明が早いし、読者も分かりやすいという利点があります。ああどんな展開かなと初めからわかるので、


手に取ってもらいやすい。また、これをもとにコミュニケーションができます。膨大な作品が出版されているから、


とりあえず手にとってもらえるかもしれないという期待も出来ます。


次に悪いところ


これもさんざん書かれているから、今更だけど、やはり同じ様なものだらけのなっちゃうことに尽きますね。


実はこれはライトノベルを書いているプロにとって深刻な問題だと思います。


やはり長年、ライトノベルを読んできて、読者の一人として思うのは、


このジャンルの強みって、混沌としているところだと思います。


作家の榊一郎さんが言っていたけど、「がらくた箱」なんだと思う。


ミステリーとか純文学とか、歴史とかいろいろあるけど、


いろんなものを自由に書けるから、いいところなんだと思います。


榊一郎さんはライトノベルを「定義したとたん死ぬとおもう」と仰っていて、かやまは感心しました。


同じものだらけになると、正直、商業の方ではヤバイと思います。


いつか飽きられちゃうと思います。


以上です。




おわりに



さて、結論にしたいけど、結論がつかないです。


まあ、結局、雛形化が良し悪しがあるということでしょう。


うん、実に日本人的な結論です。


でも、流れ的にはテンプレート化は文芸どころか様々な文化で進んでいきそうですね。


ただ、かやまとしては色々な小説が読みたい。もちろん漫画やアニメもね。


いやはや、熱い心をもつしかないっすね。


冷めた心でなく熱い心を持っていれば、いいんじゃないかなと。


ロボット乗りみたいな結論ですいません。


ここでの考えはキャラクター小説を考える事につなげます。


いずれ。


参考本


青心社『ライトノベル作家のつくりかた』浅尾典彦&ライトノベル研究会


お読みくださいまして、ありがとうございます。



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