高速バスに乗ってみる
路線バスの話をしようと思ったが、なんとなく高速バスの話しをすることにした。路線バスの話は、またいつかするかもしれない。
みんなは高速バス乗ったことがあるだろうか、高速バスまたはハイウェイバスとか呼ばれているも交通機関である。高速バスは速度が高速なのか、主に高速道路を行くから高速なのかよくわからないもんである、という冗談はさておき、たぶん多く人が乗ったことがあると私は思っている。特に珍しいものでなし、高速を行く、長距離の路線バスである。それもかなり長距離を行くバスで、例えば東京から、青森なんかへ行くバス路線である。ちなみに乗り合い長距離バスというのがあり、あれも安いし似ているが、あくまでもツアー的な性格のものになるらしい。
高速バスは夜行が多いが、昼間を走るバスも今はある。それに各社が人気のある路線には何本もバスを走らせている。シートも三列だったり、もちろんトイレがついているものもある。また、高速バスは結構、路線が頻繁に変更されてしまうので、この間乗った路線がもうないというのも起こりうる。
そんな基本的なことを、何言っているんだという声も、聞こえてきそうな感じであるがこの話を進めたい。
これを書くのにウィキぺディアなんぞ覗いてみたが、高速バスの歴史は意外に古いらしい。戦前にも長距離を行くバスの話が載っていた。まあ、ホンとかどうかはわからないが(ウィキは便利だけどガセ情報も書いてあるらしい)また、最初は鉄道を補完するものものだったということで、それから、徐々に一交通機関の地位を確立したそうな。
まあ、どうでもいい話だが、何かこれほど多く人が高速バスにお世話になったりしているのに、利用のとき以外は話題にあまり上ることもなく、地味な存在である。そういう感想を持つのは自分だけかもしれないが。地域の路線バスと比較するのはどうだかだが、ドラマや小説にも路線バスは結構出てくるし、みなが毎日乗る路線には愛着があるようだ。時々雑談の種になったりもする。しかし、高速バスの地味さは、どうしてそうなんだろうかと頭をひねっても、よくわからない。高速を行くくらいだから、少なくとも路線バスよりは目立ってもいいはずである。まあ、夜に出発して、明け方に目的地に寝ている間に到着して、目立たない存在であるからだろうか。そういえば村上春樹の「海辺のカフカ」には高速バスに主人公が乗る話が出てきた。自分はそれくらいしか知らない。
そう、高速バスにはじめて乗ったときはかなり、驚いた。自分は新大阪行きの高速バスに乗ったが、まず料金が安い。確か片道で安いのは3000円くらいだろうと思う。広島へ乗っても6000円くらいである。家の近所の路線バスだって終点まで乗りとおしたら、1000円くらいはとられる。JRの在来線を使って、全部普通列車で東京から大阪まで乗りとおすと8750円と出た。これだと高速バスの安いやつを使って、往復しても十分におつりが来てしまう。ただ、一番安いバスは古かったり、トイレがなかったり、色々と安いのには理由があるらしい。まあ、友達がそういうのに乗ったのを聞かせてもらった。一方で、そんなこともあるが高速バスは格安で移動するには必須の移動手段と言えそうである。
まあ、余談だが、JRの季節割引券で青春18切符というなんか恥ずかしい名前の切符があり、あれは確か五枚つづりで、12000円くらいだった思う。それで朝早く出ると、岡山あたりまで行けたと思うので、2400円くらいでそこまでいける計算になるが、あれは乗換えが結構あるし、乗りとおすのが面倒なものである。途中の大垣からは車両が短くなり、かなり混雑することもある。そう考えると高速バスのほうが楽ともいえる。ただ、鉄道のほうが旅情がはるかにある。
さて、いろいろ言ったが、季節は六月に入るかというところで、それほど過酷な状態でもない。記憶を掘り起こして、高速バスに乗ってみよう。バスに乗るために停留場に向かう。なんとかバスセンターとかいうところがそれだ。チケットはネットかなんかで買っておく、バスセンターでも買えるかもしれない。それを持って、停留場でまつ、十分くらい前に行くと、何人かの人たちが集まっている。ここにバスなんか来るのだろうかと不安を持ちながら待っていると、それらしい2階建てのバスが入ってくる。なんとか号とか書いてある。自分が乗ったときは空いていたので、どこでも座れた。しかも三列を独り占めだった。自分は横浜から乗った、JRバスだった。乗客は先頭に学生が三人で、全員女の子だった。まあ、テンションが高くてこっちは眠れんなと覚悟する。それにしても、バスは一種のカプセルみたいなものだ。そして、夜だからあまり旅情はない。カプセルに収納されて、朝目的地だから、話題にならないんだろうかと思ったりもする。ここらは確かに鉄道に劣るかもしれない。
バスはデパートのバスセンターを出て、保土ヶ谷方面へ向かい。そこから横浜新道へ行くのかと思きや、そのまま、路線バス並みのスピードで、一般道をひた走る。外は真っ暗、つまらんなあと思っていると、いつの間にか町田に到着する。そこで、幾人か乗り込んでくるけど、大したことはない。閑散期なのかなあと思っていると、すぐに走り出して、JR横浜線を越えたりしていると、高速道路の東名に乗っかる、ここから高速だろうと思っていると、少し渋滞が発生していて、速度が上らない。
すると突然、どっかの年配の男性が床に新聞をひいて寝てしまった。ただ、床は結構振動が直接あるから寝られないのではと思ってみていると、案の定、戻っていった。だんだんとスピードがのってきて、道路のジョイントを踏む音が速くなる。いい気持ちになって外を見ると、緩やかに上り勾配を上ってゆく、足柄のサービスエリアで休憩らしい。十五分位休憩してまた乗り、今度は快調に走って浜名湖サービスエリアで休憩するが、真っ暗なので洋々とした浜名湖のゆったりした景色がまったく見えない。
その後、関が原を越え、琵琶湖手前の養老サービスエリアで休憩して、のぼり勾配を上がり、下って、少し明るくなってきたところで京都の深草に到着する。なんと、名神の高速上に降ろされる。カプセルから出されて、いきなり、別世界の感が抜けない。
確かに停留場はあるが、これどっから降りるの?という感じである。まあ、停留所の横にはちゃんと扉が着いてあるので、そこを開けて築堤上から降りると、京南の町が広がっているが、伏見区は京都の外れなので、賑わいのあまりないところである。まあ、ここから京都の中心までは正直かなりある。
なんだかんだで、まったく眠れなかったので、目が痛い気がする、目薬なんか射したいところである。それに柔らかいいすでも長時間座っていても腰が痛くなっている。結構な荷物を持って、歩いていくと京阪電車の駅が見えてくる。やれやれだ、それに乗っかると、「おおきに」「せやろ」とか関西弁が聞こえてきて、京都に来たなあと思う。
すると眠たくなって、寝てしまう。どっかサウナでもいってすっきりするかと思うけど身体が言うことを効かない。案の定、寝たまま終点の出町柳まで行って、起きて、四条まで戻って、仕方ないからサウナに入った。サウナで一風呂つかり、雑魚寝場で少し寝る。
こんな感じが、高速バスの旅になる。移動して目的地に着いたら、宿かサウナ、銭湯に行ってスッキリ、あと食事をしないとダメである。それか知人がいるなら家で休ませてもらわないと疲れが抜けない。安いけど、やはり疲れるので、それに対してどう回復するのかを考えておかなければダメなのである。バスで熟睡できる人は違うかもしれないけど、私は眠れないのでいつもこんなものである。最近は昼間に運行されているバスも結構あるので、年配の人や、女性はそちらに乗ったほうがいいかもしれない。高速バス=拘束バスのようなところはある。
高速バスの旅はこんなものである。時間はかかるが新幹線や飛行機よりははるかに安いので、考えて利用するのが良いとつくづく思う。
やまなし、おちなし、意味なしの話で申し訳ない。