第三話 説明する気はほんの少しのようです。
何故だろうか。彼女は異世界に行ってしまったという意識の無いまま2日間を終えていた。
答えは彼女がいきついた先がマッドサイエンティストの部屋だから、以上。
そいてあーだーこーだあって明は牢屋の中で夢の中にいた。
「ZZZZZ・・・はくさ・・・や・・・い・・・はっ」
今日もまた食べ物の夢の中の彼女はようやく目を覚ます。
「・・・何?どこよここ・・・?」
「目を覚ましましたか?・・・ニーヤ様に知らせてきますので少々お待ちを」
そういって牢の外に控えていた兵士のような看守のような人は行ってしまった。
(ずいぶんと丁寧だなぁ・・・。 しっかし、ホントここどこだ?)
明は誰も見えなくなった牢の中を見回した。
彼女が見回して手に入れた情報は、ここが牢の中だという事、そして自分は牢の中につかまっている事。
明の足には黒い足かせ、手は背中に回され手錠がはめられ、まさに囚人という感じだった。
こんな事をされる理由に身に覚えが無い明は訳がわからない状態だった、がすぐに分かる事となった。
「おはようございます。」
「・・・あんたは確か・・・ソーメンさん?だったっけ・・・?」
昨日明を助け地獄におとした銀髪は、額に青筋をさっそく浮かばせた。
彼女の無意識の仕返しによって。
「ソーメンさんですか・・・毎回毎回会うたびにあなたは私を怒らせたいのですか?」
「いや、そうじゃないんですよ。名前が分からないだけであって・・・というか投獄したの、あなたですか?貴方誰ですか、なにようですか、てか何ですかこれ?」
「・・・名前はニーヤ・レファイ、そしてここは王宮の地下の牢獄、貴方を投獄したのは私、投獄した理由は実験体として、理解しましたか?しましたらそちらもお名前を。」
「絶対もう敬語つかわないし、今は理解していないが名のっておく。
私は・・・神斗、明、以上。そしてはやく釈放してよ。実験体なんて絶対ごめん。」
犬猿の仲といわんばかりの二人は、高速で自己紹介と今の状況を説明した。
明はやたらと冷静に今の状況を聞き出したが納得できるはずなどない。
「とりあえずさ、なんなの?このじゃらじゃらしたの・・・。」
「鎖です」
どんなに口で言おうと彼女は鎖につながれている。
そんな明にニーヤは牢の鍵を開け近づいていき、さらに足かせの鎖を鎖の先からはずした。
「さ、早く出てください。研究所でする事がありますの「ふっざけんなよおおおおおお!!!!」
さすがにここまで横暴かつ人格無視の行動をとられれば、ぶちぎれても文句は言えない。
反抗しても動じず鎖を引っ張り外に出そうとするニーヤに、明は明なりの全力を持って反抗した。
「いっぺん死んでこいこのド腐れやろうがああああああああああああああ!!!!!」
「いっ!!っ~~~!!」
自由の無い手足だが、頭は自由。何も考えず明はニーヤに全力の頭突きをかました。
ニーヤは反抗で頭突きがくるとは思っていなかったのか、明の頭突きはクリーンヒット
しかし彼女も頭突きの反動があったのか、ニーヤにダメージを与えた瞬間うずくまってしまった。
「な・・・何をしてくれるのですか・・・?」
「いったぁ・・・・何こいつ・・・石頭だった・・・!」
「あぁ、それはよかった。この上ないくらい嬉しいお知らせですね。・・・いつまでもグダグダしている訳にはいかないのでね、さ、行きますか。」
そう言うとニーヤはぐいぐいと、足についた鎖を力任せに引っ張りだした。
「ちょ・・・!痛い痛い痛い!引っ張んないで!歩くってば歩くから理解したから頭突きしないから!」
「・・・おや、何か言いましたか?」
「くっそ・・・!何この人鬼の化身かなんかじゃないのか痛い痛い痛いぃ!!!」
「本当に理解したのですか?ほらさっさと歩きなさい。」
「最悪、なんで私が実験体なんかに・・・!この鬼!悪魔!」
本当に理解したのか?・・・たぶんしていないであろう。そんなことは言葉のやりとりで分かる。
・・・こんなやり取りを実験施設に着くまで永遠とやり続けた二人の声はしばらく牢獄の中に響いていた。
セリフ多くてすいません!!