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ジ・アナザー  作者: sularis
第一章 魔王降臨と閉じ込められたプレイヤー達
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第一章 第十話 ~旅立ち~

 蒼い月がエラクリットを発つその朝は、残念ながら晴天とはほど遠く、雨が降ってないだけマシ。そんな朝だった。


「ここ、もう戻ってこないのかな?」

 エラクリット西門で、ふと漏らしたレックの呟きに、

「通ることくらいはあるかもな。でも、住むことはもう無いんじゃないか?」

 クライストが静かに答える。

 これからの生活は、魔王について調べながら、自分たちを鍛え続けることになる。町でののんびりした生活に戻ることはない。

 そう、レック達は決めていた。


 大陸会議によって一週間前に立ち上げられた冒険者ギルド(これに伴い、従来の仲間同士のギルドはクランと呼称を変更された)と軍は既に活動を開始していた。いずれもまだ準備期間中ということもあり、大した活動はしていないのだが、冒険者ギルドではいくつかの魔法の祭壇の場所の情報が公開されていた。魔王討伐のため、祭壇を発見したプレイヤーが公開に同意したのだそうだ。

 蒼い月のメンバーも冒険者として冒険者ギルドに登録を済ませ、祭壇の情報もしっかり貰ってきていた。


「最初は、雨の森だっけ?なんか、ずぶ濡れになりそうな名前だよね~」

「目的地はそうじゃが、すぐには行けんじゃろうな」

「まー、死にたくはないもんね」

 リリーの言ったように、レック達はまず雨の森を最初の目標に決めていた。ギルドが公開した魔法の祭壇の1つが、雨の森の奥にあるのだ。


 そこで覚えられる魔法は「治癒」。名前の通り、怪我やダメージを癒す魔法である。これからの冒険で、メンバーの生存率を少しでも高めるためには絶対欠かせない魔法であった。

 ただ、例によって、周囲には強力なエネミーが沢山棲息しており、そこまで行くのは大変だと思われた。実際、情報が公開されたとき、多くの冒険者がため息をついたくらいである。


「ぶっちゃけ、どっかの強いギル……じゃなくてクランやな。強いクランに付いていって、一緒に覚えさせてもらうんが楽やねんけどなぁ」

 マージンが言った方法もメンバーの間で検討はされたのだが、実現できそうにもなかった。

 というのも、戦力が揃っているクランは大陸会議の要請の下、各地の治安維持に派遣されているためである。実際、冒険者ギルドの方でも、治癒魔法などのいくつかの魔法を習得するためのツアーを組もうとしていたが、断念せざるを得なかった。


「とりあえず、雨の森に一番近いエントータだな。そこで雨の森の情報を集めないとな」

 懐からキングダム大陸地図を取り出し、グランス。

「幸い、大陸の南西部の町は、大体治安状況も落ち着いているという話だしな。幾つか魔物の襲撃を受けたところもあるが、壊滅するほどの被害でもないらしい。エントータまでは問題なく行けるだろう」

「その後、すぐに森に行けるといいけどなー」

「そればかりは行ってみないと……。今のわたし達の手に負えないほど強いエネミーがいるようなら、対策を考えないといけませんし」

「場合によると、しばらくは雨の森入り口で戦闘訓練……になるかもしれんな」

「それでもええんとちゃうか?雑魚相手にしてるよりは、早く強くなれるやろ」


 ジ・アナザーでのキャラ育成はレベル制ではないとされているが、自分のステータスすら見ることができないため、開発したイデア社以外は誰も正確なことは知らなかった。ただ、日常の運動や訓練だけでもある程度は筋力が上がることや、弱い敵よりは強い敵と戦い続けた方が、早く強くなれるとは言われていた。


「ま、悩むより産むが易しや。行ってみて考えたらえーねん。こんな世界やし、死なな何とかなるって」

 気楽に言い放ったマージンに、グランスは苦笑しながらも、

「そうだな」

 と賛意を示し、

「じゃ、行こうか」

 と仲間達を促した。


 そして、およそ20分後。


 草原とはいえ、起伏のある地形を走っている街道の上でレック達は一度立ち止まり、後ろを振り向いた。

「今まで幾つもの町を離れてきたけど、今回だけはちょっと違うね」

 うまく言えないけれど、レックが感じていたことを仲間達も感じていたのだろうか。

 丘の向こうに見えなくなろうとしていたエラクリットの街並みを目に焼き付け、蒼い月のメンバーは西へと歩き出した。

これにて第一章は終わりです。


で、今後は章の最初の話の前書きと、章の最後の話の後書きしか書かないつもり(PDFの時、その方が読みやすい気がする)なので、今までの各話の前書きと後書きも整理しました。


せっかくなので、第一章の分はここに移動させておきます。


************************

・日常


11/8/27 主人公の所属ギルドの名前を入れました。

修正前:ギルドの仲間達との待ち合わせ場所

修正後:所属ギルド「蒼い月」の仲間達との待ち合わせ場所


・東の町へ


だらだらと長くなる予感。


・魂の牢獄


やっとちょっと話が進んだかも。


・フォレスト・ツリー


書きためていた在庫が尽きましたので、更新ペース落ちます。

しかし、登場人物増えてきた……設定もますます増えてきた……

フィールドの広さが登場人物だけでなく、作者にも疎まれつつある今日この頃。


・避難当日の朝


台風がすごいです。暴風圏直撃っぽいです。


・サーカスからの撤退


台風で家に閉じ込められていたので、連投。

途中に出てくる英語はかなり怪しいです。ハイ。


しかし、いつになったら、主人公達だけで旅に出られるんだろう……

あと2~3話のうちに旅に出る予定ではあるので、そうなったら、章立てを編集……するかもしれません。


・エラクリット


そろそろ旅に出て欲しいので、書くペースが上がってます。

後日、修正が入る可能性も高くなってます。


というか、いい加減、フォレスト・ツリーから離れてくれと……


・旅立ち前夜……より少し前


9/14 スキルについての説明が不足していたので、追記・修正しました。ストーリーには変更無し。

以下、追加文章です。探す手間をかける必要もないと思うので。


「ただ、ジ・アナザーにおけるスキルとは、アバターをシステムのサポートによってパターン通りに動かすためのものである。そのため、一切のシステムサポートを受けなくていいのなら、見よう見まねでスキルを扱うことも出来た。ただし、当然ながらこの場合、個人端末にコマンドとしては登録されない。コマンドからスキルを使った場合は、システムにアバターの制御を任せてしまえばどんな厄介なものでも簡単に作れるのであるが、それも出来なくなるので本格的に何かしたいときにはお勧めできなかった。」


・旅立ち


なんだかんだで、ユニーク300越えました。お気に入り登録も含めありがとうございます。


さて、やっと、蒼い月のメンバーが旅に出ました。

しかし、主人公のつもりだったレック君、影が薄いです。

どっかのアニメのお団子ヘアーの主人公みたいです。

もうちょっと、濃い性格にすれば良かった……手遅れだけど。

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