この世界の真実
エミリアの豆知識
人間の次に頭がいいと言われている動物はボノボ。
――あのリリアーヌの森での事件から半年がたったある日……。
「アイン君どうしたの?」
オノゴロ島の会議室に私達は呼ばれた。
「何の用アイン?」
「結婚式の日にちが決まったのか!?」
「アンネローゼそれは無いよ。 まだ婚約だってしてないじゃないか」
「お二人さんはどこまでいったのかなぁ~?」
「アズキ、人をからかうんじゃないの」
「ごめんねごめんね~」
「アイン君、話っていうのは?」
「――この世界の真実についてです」
「真実?」
アインが眼鏡を指で押し上げてから話し始めた。
「まず最初に杏さん」
全員が私に集中する。
「「「今までごめんなさい」」」
「えっ……?」
「今まで杏さんには嘘をついていました」
「それってどういう事?」
「僕達は貴女にある嘘をついていました」
「ある嘘?」
「僕達はこの世界を何と説明しましたか?」
「えーっとゲーム世界って……」
「それは一般の方に対しての嘘です」
「えっ!?」
「真実を言いましょう」
「――ここは2731年 貴女が暮らしていた時代から721年後の世界です――」
「えっ……」
「つまり貴女は並列世界に来た訳でも、ゲームの世界に入った訳でもありません。 貴女は『時空間移動魔法』によって未来に来た訳です」
「み、未来に!?」「はい。 今からその経緯、過去に何が起こったのかを説明します」
私は覚悟を決めた。 どんな話が来ても理解するぞ!
「――その前に皆さんに紹介したい方々がいます」
「ほへっ!?」
「だれ、だれ?」
「あれが出来上がったのか?」
「ちょっと時間がかかっちゃったけどね」
「何が出来上がったの?」
「見てからのお楽しみです杏さん」
「失礼いたします」
遂にお楽しみが到着したようだ
「久しぶりね杏ちゃん」
「……久しぶりだな……」
現れたのはマヤさんとアルフ君だった。
「ボヤージュ元気にしてる?」
「は、はい」
「そういえば彼氏から話があるみたいよ」
「彼氏?」
「……杏」
「な、何アルフ君」
「……ごめん!!」
突然アルフが土下座をした。
「ど、どうしたの!?」
「俺は今までイレギュラーハンターの事を誤解してた。 そのせいで君を傷つけてしまった。 本当にごめん!!」
「だ、大丈夫だから顔を上げて」
「あ、ああ」
「私もごめんなさい」
「えっ!?」
「私もあなたの事を誤解してた。 ごめんなさい」
「謝らなくていいよ」
「じゃあ、おあいこって事で」
「そうだな」
「杏さん、お二人だけではありませんよ」
「そういえば何が出来上がったの?」
「今から呼びます」
アインが部屋の外の二人組に合図をする。
「「失礼致します」」
「「えっーー!?」」
私とアズキはびっくりしてしまった。 だって入って来たのが
新型のアンドロイドと消滅したはずのアリエルさんの二人組だったのだから。