決戦巴里!!
エミリアの豆知識
コブラはコブラの毒で死ぬ。
[ゼウス]
神々の長にして最強の[イレギュラー]である。
――アイン達はイレギュラーと普段は呼ばれているが正式には〈イレギュラーハンター〉である。
――つまりアイン達の目的は[神]、[天使]、[悪魔]などの[イレギュラー]を殲滅する事である。
イレギュラーを倒すには通常の幻想動物などと同じように攻撃を仕掛ければいいのだが、イレギュラーの周囲には〈呪い〉と呼ばれる制限魔法がかけられているため、常人にはまともに戦闘することすら不可能である。 イレギュラーハンター達は機械部品を多用した武装を使い、更に魔力を常人よりも高め、制限魔法に対しての抵抗力を上げた状態で基本的に二人一組で捨て身でイレギュラーに挑む。
「………………」
「仲間を、愛する人を守る為に戦う!!」
アインが{ネメシス}を大鎌形体で構える。
ゼウスが手に雷霆を持つ。
(雷霆とは雷を放つゼウスの武器である)
「…………!!」
ゼウスが稲妻を射出する。 それを大鎌で切断、無効化する。
――普通のイレギュラーハンターには切断など不可能だが、今のアインには可能である。
そしてアインが反撃に移る。
「ガンナーモード起動 エネルギーバイパス接続完了 最大出力 エネルギー最大 ターゲット捕捉 エーテルバスター!!」
ガンナーモードになった{ネメシス}から最大出力のエーテルバスターが発射される。 (エーテルバスターは魔法属性であるためイレギュラーにも有効である)
青い光の渦がゼウスに直撃する。
――左半身を失ったゼウスが稲妻で牽制しながら自己再生を始める。 ――だが稲妻を無効化しながらアインがゼウスに近づく。
「…………!?」
ゼウスは人間ごときに圧されるとは思いもしていなかった。
――ゼウスの顔が恐怖に染まる。
「ブレイカーモード起動 クリスタルブレード展開 エネルギー最大出力 一刀両断!!」
「…………――――」
ゼウスはブレイカーモードからの一刀両断・白で完全に消滅した。
――巴里の街は建物こそ破壊されたが、市民は全員無事だった。
「アインー!!」
「アンネローゼ」
アンネローゼがアズキを連れてやって来た。
「アイン、私はお前の事を信じていた」
「ありがとうアンネローゼ」
「……あ、あの……」
「アズキもありがとう」
「……えっ!?」
「アズキのおかげで変形武器のリミッターが外れたからゼウスに勝てたんだよ」
「あ、あたしにかかればそれくらい――」
「だけど突然人を棒術具で殴るのはなぁ~」
「ご、ごめんなさい……」
「アズキ、人には必ず過ちを犯す時がある。 大事なのは過ちを自ら反省してそれを次に活かす事だよ」
「う……うん」
アズキの瞳に涙が溜まり始める。
「アズキ!!」
「ぐすっ……な、何?」
「これからもよろしくお願いします」
「う、うわぁーーん!!」
アズキがアインに抱きついて盛大に泣き始めた。
「アイン」
「何アンネローゼ?」
「私は泣かせるなよ?」
「それ意味がちょっと違うんじゃ……」
「ところで……アズキのイレギュラー法違反についてはどうする?」
「それについては僕に考えがある」
「分かった」
「……アンネローゼ、アズキ」
「「何?」」
「我が家に、〈オノゴロ島〉に帰ろう」「「うん」」
――こうして巴里の街は救われた。 街は暫くすれば元に戻るだろう。 ――明日の希望と夢に向かって……。
「アイン、そういえばアンズーは?」
「私のデートを陰ながら見守る役目だったはずだが……」
「やっぱりあれ計画されたデートだったんだ……」
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「……[コピー]が死んだか」
「あれは訓練用に能力値を二割下げた物だ」
「神と言えど紛い物では人に勝てぬか……」
「これからどうするつもりだ」
「暫くは様子を見よう。 ……ところで例の〈彼女〉は?」
「今はまだ覚醒していないが、覚醒すれば今のアインを超えるだろう」
「分かった。 彼女の訓練はお前に任せる」
「了解した」
「頼んだぞ〈アンジェリカ〉」
「ああ、彼女を守り、強くする為なら何だってしよう」
「彼女は我々の最後の希望だ」
「ふふふ、分かっているよ」
アンジェリカは闇へと姿を消した。
「……我々が生きる為にはこれしか方法が無いのだ……」
――続く――
次回は重要単語や登場人物を紹介いたします。
これからもよろしくお願いいたします。
書くための参考にしたいので是非感想をよろしくお願いいたします。