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死神の力

 エミリアの豆知識


 シマウマは『ワン』と鳴く。

 何かに顔を舐められている――そんな気がして私は目を開けた。


「お目覚めですか?」

「はい…………って、うわっ!?」


 すぐ目の前に女性の顔があり、私は反射的に飛び上がってしまい――


「ゴンッ!! 痛った!!」


 ――思いきり女性に頭突きをしてしまった。


「大丈夫ですか?」

「だ、だいじょ――う、痛ててて」

「横になっていて下さい」


 ……思いっきり打ったのに女性の方は平気そうだ。 いったい頭が何で出来ているんだろう?


「私のボディの一部にはオリハルコンが使われています」


 そうなんだ……えっ!?


「オ、オリハルコン!?」

「はい。 ――あ、申し遅れました。 私はブルーアゲート型戦闘用アンドロイドのアリエルです」

「アンドロイド!?」


 目の前の女性はどうみても普通の人と変わらない。


「はい。 正真正銘のアンドロイドです」


 ……これは夢?


「夢ではありません」


 アリエルと名乗る女性にさっきから心の中を覗かれている気がする……。


「……どうして心が読めるんですか?」

「心を読んでいる訳ではありません。 過去の様々な人物との会話のパターン等から、次にあなたが何を話されるのかを推測しているだけです」


 やっぱり普通の人間じゃなかった。


「ニャン」

「あっ」


 私の命を助けてくれた猫っぽい生き物が頭の横にいた。


「その子はずっと貴女の顔を舐めていました」


 ……やっぱりアリエルさんが舐める訳ないよね。


「はい。 私に人を舐めて起こす機能はありません」

「――ところでこの子は何ですか?」


 私は頭の横で草にじゃれている猫もどきについて訊いてみた。


「この子はカーバンクル。 高レベルの防御魔法を使える幻想動物です」

「カーバンクルがいるってことは……」

「この世界は貴女が現実世界で起動させたゲーム〈アナザーエボリューション〉の中の世界です」


 ――やっぱり世界が違った。


「どうして私はゲームの世界にいるんですか?」

「理由は分かりませんが、高位の転送魔法が発動したようです」

「という事は元の世界には転送魔法を使えば帰れるんですか?」

「いいえ。 普通の転送魔法は各都市に設置されているワープストーンとワープストーンの間でしか発動しません。 場所ではなく別世界に転送する魔法はまだ開発、発見されていません」

「――ということは帰れないんですね?」

「はい」


 希望が失われた。


「――そういえばアリエルさんってこの世界の人ですよね?」

「はい」

「何でここがゲームの中の世界だと分かるんですか?」

「アイン様に教えていただいたからです」

「アイン様?」

「私のマスターで、貴女と同じくもう一つの世界の人間です」 これは意外、私以外にもこの世界に来ている人間がいるんだ。

 ……ん?


「何でそのアインって人はこの世界がゲーム内の世界だって知ってるの?」

「アイン様がイレギュラーだからです」

「イレギュラー?」

「この世界の安定を保つ為にもう一つの世界から召喚された人達のことです」

「ということはアインっていう人に訊けばもっと詳しい情報が聞けるのね?」

「はい」

「今どこにいるの?」

「アイン様は今――」


☆★☆ ★☆★ ☆★☆ ★☆★ ☆★☆


「う~ん、どうしようかな?」


 アインはアスタロトの攻撃を回避しながら考えていた。


「〈あの事〉は言うべきかな?」


 そう言いながら大鎌{鎌鼬}を召喚し、アスタロトの乗るドラゴンの首を切断する。


「………!?」


 アスタロトはドラゴンを倒され撤退しようとしたが、


「まだ言わなくていいかな」


 アインがアスタロトに止めの一撃を加えた。


「…………」


 アスタロトは真っ二つにされ、世界から消滅した。


「ふぅ~、やっぱり制限有りは面倒かな――ん?」


 アインは物凄い速さで近づいてくる物体に気付いた。


「しまった。 居場所がバレちゃったか」


 ――アインは逃走を始めた。




〈アズキ〉から。

 いかがだったでしょうか?

 次回はアズキが登場します。 お楽しみに。

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