デート大作戦
エミリアの豆知識
世界三大珍獣は
オカピ
ジャイアントパンダ
コビトカバ
「――ごめん、待った?」
「ぜ、全然待ってない!! 私も今来たところだ」
「そ、それじゃあ行こうか」
「あ、ああ」
アンネローゼとアインはシャンゼリゼ通りを歩き始めた。
「ア、アイン!!」
「な、何、アンネローゼ!?」
「て、ててててを」
「てを?」
「手を繋いでくれ!!」
「い!? い、いいよ」
アンネローゼの勢いに圧され、アインは彼女と手を繋いだ。
(ア、ア、アインがて、てて、手を繋いでくれた。 こ、こんな事は初めてだ)
「どう……したのア、アンネローゼ?」
「な、何でもない」
「「………………」」
――実はアインもアンネローゼも異性に対して免疫は無く、デートどころか家族以外の異性と手を繋いだ事もない。
「………………」
「………………」
「「…………」」
――二人とも普段は普通に話すが、異性として意識すると途端に話す事が出来なくなるのであった。
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(う、緊張する。 ア、アンネローゼがこ、こんなに綺麗になるなんて。 こ、こんなに綺麗な人を見れたのは杏さんがキャンセルした……からなのかな?)
……実は杏の計画で
1 杏がアインに一緒に買い物してと頼む。
2 杏がドタキャンし、アンネローゼが代わりに行くと伝える。
3 更に綺麗になったアンネローゼにアインが遭遇する。
4 二人は買い物という名のデートをする。
5 キスまで持っていく。
という計画である。
……ちなみに杏も恋愛経験は0である。
「ア、アンネローゼ」
「な、何だ」
ここでアンネローゼは杏のあの言葉を思い出した。
「そ、そのふ、服似合うね」
「あ、ありがとうございます」
「ア、アンネローゼ?」
「ど、どうなさいました?」
「ね、熱でもあるの?」
「あ、ありませんわ!」
「なんかふ、雰囲気がち、違うね」
「そ、そうでしょうか」
「きょ、今日のア、アンネローゼはと、とても可憐だよ」
「ア、アイン!!」「何、アンネ――ん!?」
アンネローゼは覚悟を決め、アインにキスをした。
「い、今のが私のき、気持ちだ」
「……き、気持ちって?」
「わ、私はお、お前のことが――」
「アンネローゼ覚悟ぉ!!」
アズキがやけくその妨害を開始した。
「アンネローゼ危ない!!」
――ゴキッという音と共にアンネローゼをかばったアインが壁に叩きつけられた。
「アイン!!」
「あっ!?」
――シャンゼリゼ通りがパニックに包まれた。
エミリアの他作品(対談シリーズ)を読まないと今回のネタは分からないかも知れません。