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アンネローゼ改造計画 前編

 二人は美人

 「こ、こんな服を着るのか?」

「そうよ。 あ、これなんてアンネに似合うと思う」


 ――アンネローゼを自分のペースに巻き込み、遂に形勢逆転した杏はアンネを連れてパリの老舗超高級ブティックに来ていた。

 ――アンネのデート用の服を買うためだ。

 杏とアンネローゼが店に入った時には客は一人もいなかったが、二人が入店した直後に大量の見物人が押し寄せて来た。

 ――なぜなら店の外で


 「凄い美人が店に入っていったぞ」

「片方は銀髪、片方はトランジスタグラマー。 両方とも最高だぜ」

「どこのモデル?」

「私、あんなに綺麗な人見たことないわ」

「まるでお人形さんみたい」

「おい、写真撮りに行こうぜ!」

「俺、サイン貰ってくる」

「私も握手してもらおう」


 という会話が行われたからである。

 瞬く間に店の中、周囲に人だかりが出来た。

 エルフの店主もここに店を構えてからの500年で一番の盛り上がりだと大喜びしていた。


 「お決まりになりましたか?」

「はい。 この子にはこの白いワンピースが似合いますよね」

「はい。 確かに――あ、貴女は!?」

「私がどうした?」


 アンネは覚えていないが店主は覚えていた。


 「貴女は零下の雪豹では?」

「確かにそう呼ばれていた事もある」

「私を覚えていませんか? ベルリンで軍服を作っていたジャンでございます」

「ジャン? ――そういえばこの迷彩服を作ったのは……」

「私でございます」


 衝撃の事実発覚。


「お前の作ってくれたこの迷彩服はとてもいい」

「それは、それはよかった」

「あの~ジャンさんとアンネはどういう関係なんですか?」

「私がアンネローゼ様に初めてお会いしたのは今から600年前のベルリンでした。

 ――当時ドイツでは古代兵器が突然起動し、街や村を無差別に攻撃するという事件がありました。

 その時にイレギュラーの方々が古代兵器を制圧してくださいました。

 私は当時、ドイツ軍の研究所で次世代の軍服を研究しておりました。 その時にアンジェリカ様から新素材のサンプルをいただき、それを用いて私は次世代の対魔法用の軍服を完成させました。 そのお礼としてイレギュラーの皆様にその軍服をプレゼントいたしました。 それが私とイレギュラーの皆様との関係です」

「そんな事があったんですか」

「ところでアンネローゼ様、他の皆様はお元気でしょうか?」

「アインとアズキ、アンジェリカは最近会ったが、他のメンバーについては知らない」

「ご無事だといいのですが……」

「大丈夫だ。 イレギュラーは簡単には死なない」

「そうでしたね」

「ところでこのワンピースとやらはいくらだ?」

「そちらの白のワンピースは150000Gでございます」

「高っ!!」

「杏、これのどこが高いと言うのだ。 生地は対魔法用の高級素材で出来ているんだぞ」

「そうなの!?」


 試しに『サーチ』でワンピースを調べてみた。 ――結論 調べられない。


 「低レベルのスキルでは通用しない」

「さすが高級素材……」

「ご試着なさいますか?」

「ああ、着てみよう」


 アンネローゼが店の奥の試着室へ消えた。




 ――しばらくしてこの世の物とは思えない美しさのアンネが試着室から出てきた。 余りの美しさと神々しさに周りにいた人々は声を失った。


 「ど、どうだ?」

「す、凄くかわいいよ」

「そ、そうか」


 ――この世界での世界三大美女一人目はアンネローゼに決まり!!


 「ジャン、ありがとう」

「こちらこそありがとうございました」

「ジャン、頼みがある」

「なんでございましょうか」

「私の着ていた迷彩服を大切に保管してもらいたい」

「宜しいのですか?」

「この服には世話になった。 だからこそ作り手のお前に預かってもらいたい」

「かしこまりました」

「それじゃあ服の代金だ」

「ありがとうございます」



 ――こうして私達はお店を出た。 人々が十戒のように道を開けてくれた。



 ……ちなみに売られはしなかったがアンネローゼの服を1500000Gもの大金で買おうとした通行人がいたらしい。




 ――次回もアンネローゼの改造は続く――

 エミリアの他作品もよろしくお願いいたします。

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