「エリカ探しにょろ~」なのです♪
あの人達らしき人達が登場します。
私はマヤさんに頼まれてエッフェル塔に来たのだが……
「凄く大きいです……」
真下から改めて見ると大きかった。 伊達に塔を名乗ってはいない。
私は塔の係員に事情を話してから階段を上り始めた。 エリカの花は階段からしか採れないらしい。
――ここで困った。『エリカ』ってどんな花? ――私は花には詳しくない。
――そんな時、前方に階段を降りてくる2人組が見えた。
私はダメ元で訊いてみた。
「すみません、エリカの花が何処に咲いているか知りませんか?」
「私、どこに咲いてるか知ってるにょろよ……だけど……」
「だけど……?」
「お、し、え、な、い♪」
「えぇ~!?」
「……エミせん、イジワルしてはいけないのです」
「イジワルしてないにょろよ~」
「エミリア!!」
「にょろ~ん……」
「ほ……ほへっ!?」
物静かな少女が突然大声を出したので、私は呆気にとられてしまった。
「……ごめんシャルロッテ許して♪」
「……今日のおやつは抜きなのです」
「ごめんなさいにょろ」
エミリアという少女が急な階段で土下座をした。
――案の定、少女は階段を前転しながら下っていってしまった。
「止めてにょろ~」
「自業自得なのです」
「あ、あの~」
「えっと……何のお話でしたっけ?」
「エリカの花がどこに咲いているか知ってませんか?」
「小さい花がたくさん集まった花ですよね?」
「た、多分……」
「もう少し上の方に咲いていたのです」
「あ、ありがとうございます」
「お安いご用なのです。 それではさようならなのです♪」
栗色の髪を三つ編みにした少女(名前はシャルロッテというらしい)は階段を優雅に下りていった。
「今の人達どこかで見たような……?」
結局思いだせず、私は階段を上る事にした。 ――しばらくするとそれらしき花が咲いていた。
『サーチ』で調べるとジャノメエリカと出た。
「多分これだな」
私はエリカを摘んで『アイテムボックス』へしまった。
私が階段を下りようとすると、
頭上を見たことが無いモンスターが飛んでいた。
――犬の身体に鳥の頭と羽を持ったモンスターだった。
『サーチ』しようとしたが飛んで行ってしまった。
私が研究所に着くとマヤさんがちょうど出て来るところだった。
「あ、マヤさんエリカ採って来ましたよ」
「ありがとう杏ちゃん。 約束なんだけど……珍しい動物逃げちゃって」
「それってどんな生き物なんですか?」
「セーンムルウっていう幻想動物よ。 犬の身体に鳥の頭と翼を持っているわ」
「それならエッフェル塔で何匹か見ましたよ」
「セーンムルウはエッフェル塔にしか棲息していないの。 私が探そうとしているのは白いセーンムルウなの」
「白ですか?」
白いモンスターは今までにアルタイル位しか見ていない。
「どこに逃げたか分かりますか?」
「……たぶんエッフェル塔の頂点に咲いている百種樹の花の上だと思うわ」
「あの花ですか……」
私はあのバカでかい花を思い出した。
形はラフレシアに似ているが半透明でクラゲみたいな見た目だった(夜になると七色に光り輝くらしい……)。
「どうやって行けばいいんですか?」
「前はワープストーンを使って行けたんだけど、突然ワープストーンが制御不能になったから、飛んで行く意外に方法は無いわね」
「どうやって飛ぶんですか?」
「幻想動物に乗って行くしか無いわね」「私、空を飛べる幻想動物は封印していませ――あっ」
――ある方法を思いついた。
「マヤさん、『………………』――というのはどうでしょうか?」
「その方法だったら花の上に行けるかもね」
「それじゃあ、準備お願いします」
「分かったわ」
私が考えた作戦とは……。
エミリアの他作品もよろしくお願いいたします。