花の都
短めです。
「あ、凱旋門発見、リボルバーカノンあるのかな?」
私はパリの街を観光していた。 アイン達はあと一週間程でパリに着くらしいので、それまでに観光しておきたかったからだ。
「やっぱりパリは凄いな~」
エデンの園も凄かったがパリも凄かった。
現実のパリとは違い、様々な種族の人が街を歩き、街並みもファンタジーの要素が入ってはいるが『太正』の巴里に似ていた。
「あ、あれは!?」
私は現実世界には無いであろう建物を見つけた。
「シ、シャノワール!!」
目の前にある建物は確かに3のシャノワールだった。
(そういえばヘルキャットノワールも意味的にはシャノワール?)
入ってみようとすると――
「お客様、シャノワールの営業は夜間のみとなっております」
「す、すみません」
――シャノワールのメイドコンビの片方に似た人に注意されてしまった。
(――実は5しかやったことがないので3の事は詳しくはしらない)
――仕方なく私はエッフェル塔に向かう事にした。
「ええーー!!」
通行人に睨まれた。
「ご、ごめんなさい」
周りに謝ってから改めて塔を見た。
形はエッフェル塔なのだが、全体を様々な花が覆っていた。 ――いや花で出来ていた。
現地人らしきエルフの女性に訊いてみる。
「あれは何ですか?」
「あれは百種樹。 みんなはエッフェル塔と呼んでいるわ」
「何か凄いですね~」
「ええ、色んな種類の花や果物がなっているし、様々な動物が棲息してるのよ」
「あそこって入れるんですか?」
「もちろん! 展望台からのパリの街は最高よ」
「そうなんですか~」
「そういえば貴女名前は?」
「私は杏と言います。 あなたは?」
「私はマヤ。 そこの研究所で働いているわ。 是非後で研究所に来てちょうだい。 珍しい動物を譲ってあげるから」
「あ、ありがとうございま――」
「その代わり、エッフェル塔でエリカの花を取って来てくれないかしら?」
「ほへっ? これからエッフェル塔に行こうと思ってたんで大丈夫ですけど、花を取って大丈夫なんですか?」
「私の事を塔の人に言って貰えれば大丈夫よ」
「分かりました。 それじゃあ行って来ます」
「気を付けてね」
――こうして私はマヤさんに頼まれエッフェル塔に向かった。
次回は百種樹に行きます。