脱出そして別れ
まさかの展開です
私とアズキはアプリストスに来ていた。
「ステーキ食べるぞ、あとパインサラダも」
「アズキそれ死亡フラグ」
「なんか突然食べたくなっちゃってさ」
「食べ過ぎないようにね」
「分かってる、分かってる――あれは!?」
「どうしたの?」
「アンズーは早くアイン達に連絡して!!」
「何を!?」
「イタクァがアプリストスにいる事を!!」
アズキはそう言うと走って行った。
私は『以心伝心』でアイン達に連絡した――すると!!
「杏さんはエデンの園から脱出して下さい!!」
「アンネローゼ、市民の護衛へ!!」
「分かったアイン」
「お前に出来ることは無い早く脱出しろ」
――皆が焦っていた。
「どうなってるの?」
エデンの園に避難警報が発令され、人々は逃げ惑った……。
☆★☆ ★☆★ ☆★☆ ★☆★ ☆★☆
「やっぱり強い!!」
アズキはイタクァと戦っていた。
「………………」
アズキはイレギュラーであるためイタクァの呪いの下でも魔力が30000はある。
――だがイタクァは魔力が100000を越えている。
「はぁーー!!」
アズキが上級スキル『金剛雷撃波』を発動する。 ――だがイタクァには効かない。
「……!!」
イタクァが本来の姿、風の巨人に変身する。
「しまった!?」
「…………!!」
イタクァがアズキを鷲掴みにする。
「ギャーー!!」
アズキがイタクァに握り潰され、周囲に骨の砕ける音が響く。
「ごめ…んアイン…やく…そくまも…れなか――」
「――アズキ!!」
「え、アイ……ン?」
アインがエーテルバスターでイタクァの腕を破壊し、アンネローゼがアズキを救出した。
「悪いなイタクァ、大事な仲間はやらせない」
アンネローゼにアズキを任せ、アインはイタクァと戦闘を始めた。
「…………!?」
突然の攻撃に油断したイタクァだが、すぐに腕を再生させ、アインに対して攻撃を始めた。
「……!!!!」
イタクァが『ウィンドスラッシャー』を発動しようとした。 ――だが発動はしなかった。
「ブレイカーモード起動 エネルギー充填 最大出力!!」
「…………!?」
「『一刀両断』!!」
「……――――」
イタクァは発動前にアインの放った『一刀両断・白』で真っ二つに切断された。
――ちなみにアインの呪いの下での魔力は137000である。
☆★☆ ★☆★ ☆★☆ ★☆★ ☆★☆
私は非常用ワープストーンを目指して走っていた。
「伏せていろ」
「――えっ!?」
私の頭上を光の矢が亜光速で飛んで行き、目の前に突然現れた巨人に突き刺さった。
「…………!?」
「ただのザコだな」
――イタクァをザコ扱いする彼女はアンジェリカ、呪いの下でも魔力350000を誇るイレギュラーの長である。
「お前は下がっていろ」
「で、でも」
「足手まといだ」
――確かに呪いの影響下では杏の魔力は0に等しい。
「お前は生き延びろ。 そして生きて強くなれ」
「――分かりました」
杏は走った。 イタクァが杏を狙う。
「お前の相手は私だ」
アンジェリカが魔導杖から『ヘブンズアロー』を発射し、イタクァを牽制する。
杏は無事にワープストーンに辿り着いた。
「さて、足手まといもいなくなった事だし本気で行くぞ」
アンジェリカを中心に魔法陣が発生する。
「消え去れ『ヘブンズレイ』!!」
アンジェリカを中心に光の柱が広がり、エデンの園は光の粒子となってイタクァと共に消え去った。
「皆、絶対に生き延びろ」
アンジェリカはエデンのメンバー全員に『以心伝心』で最後の命令を伝えると何処かへと消えていった。
――こうしてエデンの園は崩壊し、仲間達は離ればなれになった。 幸運だった事に死亡者はいなかった。
☆★☆ ★☆★ ☆★☆ ★☆★ ☆★☆
「――みんな、無事でいてね」
杏は歩き始めた。
未来に向かって。
第一部 完
次回から第二部になります。