私の推し、愛し、を死
私の最初で最後のただ一人の推しが家にやってきた。
やってきたというのは、語弊があるためより詳しく説明すると、推しと偶然出会ってしまい、その瞬間に推しが倒れてしまったのである。
推しも大事にされたら困るだろうから、私が借りてあるマンションが近くにあるため、おんぶをして運んできた。
この時初めて分かったのが、推しは予想していたよりも男性の体つきをしており、重く、ずっしりと感じた。過去の配信で話していた体重よりも重く感じた。これはサバを読んでいたからなのか、その時から時間が経っていたからなのかは分からない。
推しを家まで運び終えた。床に寝かせておくのは、推しに対して失礼であると感じたため、ベッドの上に寝かせておくことにした。服に染みが出来ていたため、着替えさせることにした。
私が、推しのことを初めて知ったのは、三年前でそのころから配信をしていた。あの誰にでも声をかけて、親しみやすい感じが好きであった。推しの好きな食べ物、場所、見てきた景色を共有出来たらなと思っていた。
しかし、現実というものは、上手くいかないものである。一か月前に推しに彼女が出来ていたのである。
推しの良さをあまり知らない、ただ声がいいだけとかで惚れただけの女が許せなかった。その後、すぐ別れてくれてスッキリはしたが。
推しは今も寝ている。
今日のご飯は唐揚げにした。
翌朝、推しはまだ寝ている。
私は、サンドウィッチを食べ、重い体を動かしながら朝の支度をした。
「会社があるから先行くね。」
朝の日課が増えた。
いつも通りの仕事、いつも通りの日常であるが、一つだけ変わったことがある。それは、推しの配信がないことだ。しかし、家には推しがいる。
地球上では、些細なことかもしれないが私にとっては、隕石を回避したことよりも重要で最高な出来事なのだ。
仕事を終わらせ、家に帰った。
推しはまだ寝ている。
今日のご飯はしゃぶしゃぶにした。
翌朝、推しが臭くなっていた。
捨てた。




